生徒が本当に弾きたい曲の楽譜をそろえるなら、リクエストされた曲そのものを採譜して、一人ひとりに合う難しさに整えるのが近道です。ちょうどよい難しさの市販譜を探す代わりに、生徒が好きな曲の音源から、編集できる楽譜を作ります。そこから、今の演奏力に合わせてやさしくしたり、移調したりできます。新年度の初めは、リクエストが届き始める前に、この流れを整えておくのによい時期です。一度そろえた楽譜は、その後のレッスンでも繰り返し使えます。
生徒が選んだ曲をそろえる理由
自分で選んだ曲なら、生徒はよく練習します。教則本にも役割はありますが、ゲームや映画で聴いた曲、好きなアーティストの曲を生徒が持ってきたときは、家でも言われずにさらうものです。用意する側の悩みは、その曲の楽譜が、生徒に合う難しさとキーでなかなか見つからないことです。採譜すれば、必要な楽譜を音源から作れます。生徒が弾きたい曲の楽譜を手に入れる方法でも、この点を取り上げています。
リクエストされた曲を楽譜にする
生徒から曲のリクエストを受けたら、まず、どの演奏やバージョンを弾きたいのか確かめて、その音源を用意します。Songscriptionにアップロードすると、AIが音源から編集できる楽譜とMIDIを作ります。出版社が楽譜を出している曲に限らず、どんな曲でも、そこから準備を始められます。音楽指導にAI採譜を使うでは、採譜をレッスンの準備に組み込む全体の流れを紹介しています。
曲の難しさを生徒に合わせる
採譜したままの楽譜は、プロが弾いた内容をそのまま拾っているので、たいていは生徒にとって難しすぎます。音の多いコードは中心となる音だけを残し、リズムをやさしくします。左右の手が別々に動くところも減らして、その生徒が弾ける形に整えます。具体的な手順は生徒のために楽譜をやさしくする方法にまとめています。楽譜の難易度調整では、意図的に難しさを調整する考え方を取り上げています。編集できる一つの楽譜をもとに、同じ曲を2〜3段階の難しさで残しておけば、それぞれの生徒に合う版を渡せます。
新年度の準備の流れ
学期が忙しくなってからも無理なく続けられるよう、今のうちに手順を決めておきます。
- 早めにリクエストを集めます。生徒それぞれに、今年弾いてみたい曲を1〜2曲聞いて、リストにしておきます。新しいリクエストが届いたら、その都度書き足します。
- まとまった時間を取って、音源をまとめて採譜します。レッスンの前夜に、一曲ずつ慌てて準備せずに済みます。
- 生徒に合う難しさに整えて保存します。あとで使えるよう、元の演奏に近い版も残しておきます。どちらもすぐ見つかる場所にまとめます。
- ほかの生徒のレッスンにも使います。ある生徒のリクエスト曲は、難しさを変えれば、別の生徒にも合うことがよくあります。編集できる楽譜は、すでに手元にあります。
バンドやアンサンブルでは、ピアノ1パート分の楽譜よりも、各パートの楽譜をどう用意するかが課題になります。バンド指導での楽譜の悩みでは、同じ考え方をその場面に当てはめています。
新年度に準備しておくと
年度の初めに時間を取って準備しておくと、その後は毎週のレッスンで役立ちます。生徒が「この前見た映画の曲を弾きたい」と言ったときも、楽譜が見つかるかどうかを気にせず、「いいですね。弾ける形にして渡しますね」と応えられます。
よくある質問
生徒からリクエストされた曲の楽譜は、どうやって用意しますか?
その曲の録音を採譜します。AI採譜ツールで音源を編集できる楽譜にすれば、ちょうどよい難しさの市販譜がある曲だけに限られません。生徒が好きな曲の音源から楽譜を作り、今の演奏力に合わせてやさしくしたり、移調したりします。
曲の難しさを生徒に合わせるには、どうすればよいですか?
採譜した楽譜をもとに、音の多いコードは中心となる音だけを残し、リズムをやさしくします。左右の手が別々に動くところも減らして、生徒に合う難しさに整えます。弾けるようになったときのために、元の演奏に近い版も残しておきます。編集できる一つの楽譜から作るので、同じ曲の楽譜を難しさ別に用意し、それぞれの生徒に渡せます。
年度の初めに曲の楽譜をそろえておくのは、なぜですか?
自分で選んだ曲を弾くとき、生徒のやる気は最も高まります。曲のリクエストは一年中届きます。忙しくなる前に、リクエストされた音源を生徒に合う難しさの楽譜にして、印刷できる状態にするまでの流れを決めておきます。レッスンの前夜に慌てて編曲済みの楽譜を探さずに、リクエストにすぐ応えられます。
