ガイドガイドAndrew Carlins•読むのに約9分

曲の全パートを採譜する:Multi-Instrumentの使い方

バンドやホーンセクション、弦楽四重奏の採譜は、複数の楽器の音が一つの録音で重なるため、とくに難しくなります。今は、全パートを一度に採譜する、必要な楽器だけをできるだけ正確に取り出す、曲全体を一つの演奏用パートにまとめるという三つの方法があります。

バンドの録音を採譜する方法。Multi-Instrumentで楽器ごとのパートを一度に作る方法と、ミックスから一つのパートを取り出す方法を紹介

バンド全体やホーンセクション、弦楽四重奏の録音は、とくに採譜が難しくなります。一つの録音の中で、いくつもの楽器の音が重なっているからです。少し前までは、楽器を一つずつ採譜するのが確実な方法でした。今も有効な方法ですが、SongscriptionのMulti-Instrumentモードなら、すべての楽器を一度に採譜して、楽器ごとのパートを作れます。必要な楽譜に合わせて、三つの方法から選べます。

目的に合う採譜ガイドを探す

下の表から目的に合うガイドを選び、録音のアップロードや採譜に進めます。

目的ガイド次の操作
AIでできることと限界を知りたいAIで複数の楽器を一度に採譜できる?Songscriptionを無料で試す
まとめて採譜するか、楽器ごとに採譜するか決めたい一括採譜と楽器ごとの採譜を比較録音をアップロード
バンド全体の録音を採譜したいバンドの録音を全パート採譜する方法Songscriptionを無料で試す
ステムや複数の音声トラックから採譜したい複数の音声トラックから楽譜を作る無料アカウントを作成

複数の楽器を採譜する三つの方法

1. Multi-Instrumentで全パートを一度に採譜する。 アップロード時にMulti-Instrumentを選ぶと、Songscriptionが録音全体を一度に採譜します。ドラムやベースから弦楽器、金管楽器、サックスまで、聴き取った楽器ごとにパートを作ります。各パートは別々の譜表に表示され、マルチトラックMIDIでもダウンロードできます。鍵盤楽器のパートは左手と右手に分かれるので、ピアノやシンセの演奏に使う楽譜として読めます。バンドのメンバーにパート譜を配りたいとき、ホーンや弦楽器の各パートを書き出したいとき、DAWで曲を再現したいときに向いています。

2. 必要なパートだけを、できるだけ正確に採譜する。 ベースギターやボーカルなど、楽器を一つだけ選びます。モデルはほかの音を除いて、指定した音だけを聴き取ります。一つのパートに集中するため、そのパートを最も正確に採譜できる方法です。ほかのパートよりも、特定のフレーズや旋律をしっかり取りたいときに向いています。

3. 曲全体を一つの演奏用パートにまとめる。 曲を自分で演奏したいなら、ピアノカバー、ピアノとボーカルのアレンジ、リードシートを選ぶ方法もあります。全楽器を個別に書き起こす代わりに、メロディーとハーモニーを押さえた一つのパートにまとめます。

Multi-Instrumentで採譜できる楽器

Multi-Instrumentは楽器を9種類のグループとして認識し、聴き取った楽器ごとにトラックを作ります。

グループ含まれる楽器や音色
鍵盤楽器アコースティックピアノ、電子ピアノ、オルガン、ビブラフォン、マリンバ、グロッケンシュピールなどの鍵盤打楽器
ギターアコースティックギター、クリーンな音色のエレキギター、歪んだ音色のエレキギター
ベースアップライトベース、エレキベース
弦楽器バイオリン、ヴィオラ、チェロ、コントラバス、ハープ、ティンパニ、弦楽合奏、シンセストリングス
金管楽器トランペット、トロンボーン、チューバ、フレンチホルン、金管セクション
リード楽器・管楽器ソプラノサックス、アルトサックス、テナーサックス、バリトンサックス、オーボエ、イングリッシュホルン、ファゴット、クラリネット、フルート、ピッコロ、リコーダー
シンセシンセリード、シンセパッド
歌歌のパートを一つのボーカルトラックとして採譜
ドラムドラムセット

鍵盤楽器のトラックは左手と右手に分かれます。合唱は一つのボーカルトラックにまとまり、ソプラノ、アルト、テナー、バスには分かれません。多くの楽器が鳴るオーケストラの録音のように、同じ音域で音が重なるほど、採譜後に直す箇所は増えます。一つのパートを優先したいときは、楽器を一つだけ選ぶモードが最も正確です。

一度にまとめるか、楽器ごとに採譜するか

Multi-Instrumentは、一回のアップロードですべてのパートを作れる代わりに、各パートの精度が少し下がります。楽器を一つだけ選ぶモードは、一つのパートの精度を優先します。音が多く重なるミックスでは、パートによって修正の量も違います。

まずMulti-Instrumentで曲全体を採譜し、とくに必要なパートだけを単独でもう一度採譜して差し替えると便利です。詳しい比較は一括採譜と楽器ごとの採譜で読めます。複数の楽器がある録音をAIでどこまで採譜できるかは、AIで複数の楽器を一度に採譜できる?で扱っています。

ステムは必要?

Multi-Instrumentも、楽器を一つだけ選ぶモードも、曲全体のミックスから採譜できます。ステムは、曲を楽器ごとに分けた音声トラックです。あれば役立ちますが、採譜のために用意する必要はありません。

すでに楽器ごとの音声トラックがあるなら、各ステムを個別に採譜する方法が最も正確です。モデルがミックスから音を取り出す必要がないからです。一方、部屋に置いたマイク1本で録ったコンサートやリハーサルの録音は、とくに採譜が難しくなります。ライブ録音の採譜に向くツールの比較では、どこまで採譜できるか、採譜前のどんな音声処理が役立つかを紹介しています。

ステムの意味と役立つ場面はステム分離とはで、複数トラックから楽譜を作る一連の手順は複数の音声トラックを採譜する方法で確認できます。

各パートを確認して楽譜を仕上げる

Multi-Instrumentで採譜すると、各パートは初めから一つの楽譜にまとまっています。エディターでパートごとに確認し、モデルが聴き取り損ねた箇所を直します。仕上がった楽譜はPDFやMusicXMLで、DAW用のデータはマルチトラックMIDIでダウンロードできます。

楽器ごとに、全体の楽譜と連動するパート譜も作られます。必要な楽譜を印刷して配る手順は、演奏者ごとにパート譜を印刷する方法で確認できます。アップロードからパート譜の完成までの手順は、曲のすべての楽器の楽譜を作る方法を参照してください。

楽器を一つずつ採譜した場合は、各パートの譜表を自分で一つの楽譜にまとめます。その手順は別々のパートを一つの楽譜にまとめる方法で説明しています。各パートの精度を上げるには、楽器別の採譜ガイドも参考になります。ピアノ、ギター、ベース、ホーン、弦楽器、歌、ドラムそれぞれの採譜のコツを紹介しています。

よくある質問

AIでバンドの全パートを一度に採譜できますか?

はい。SongscriptionのMulti-Instrumentモードは、複数の楽器が混ざった録音を一度に採譜します。聴き取った楽器ごとにパートを分け、楽譜とマルチトラックMIDIを作ります。鍵盤楽器、ギター、ベース、弦楽器、金管楽器、木管楽器、サックス、シンセ、歌、ドラムに対応しています。各パートを確認し、ところどころにある音符の間違いはエディターで直してください。一つのパートだけが必要で、できるだけ正確に採譜したいときは、その楽器だけを選びます。モデルがミックスから目的のパートを直接取り出します。

Multi-Instrumentと楽器ごとの採譜は、どう使い分けますか?

一回のアップロードで曲の全パートが欲しいときは、Multi-Instrumentを使います。メンバーにパート譜を配るときや、DAWで曲を再現するときに向いています。ベースラインを一音ずつ覚えたいときなど、一つのパートを優先するなら、その楽器だけを選んでください。モデルがその音だけに集中して採譜します。Multi-Instrumentで全体を把握してから、とくに必要なパートだけを単独でもう一度採譜する使い方もよく選ばれています。

バンドの録音から全パートをまとめた楽譜を作るには?

録音をアップロードしてMulti-Instrumentを選ぶと、Songscriptionが聴き取った楽器ごとに譜表を分け、一つの楽譜にまとめます。マルチトラックMIDIも作られます。鍵盤楽器のパートは左手と右手に分かれます。エディターで各パートを確認してから、PDF、MusicXML、MIDIをダウンロードしてください。全パートを載せた楽譜までは必要なく、曲を演奏できる形にまとめたいだけなら、ピアノカバーやリードシートのほうが早く作れます。

ステムとは何ですか? 採譜に必要ですか?

ステムは、曲全体のミックスからドラム、ベース、ボーカルなどを分けた音声トラックです。採譜のために用意する必要はありません。Multi-Instrumentも、楽器を一つだけ選ぶモードも、曲全体のミックスから採譜できます。楽器を一つ選んだ場合は、指定したパートを直接取り出します。すでに楽器ごとの音声トラックがあるなら、各ステムを個別に採譜する方法が最も正確です。

まずは、全パートの楽譜が欲しい曲をアップロードするとすぐに始められます。録音をMulti-Instrumentで採譜する。

著者について

Andrew Carlins

著者

Andrew Carlins

Songscription共同創業者・CEO

アンドリューは、弾きたい曲の楽譜が見つからないことにうんざりしていた音楽仲間数人と、スタンフォード大学でSongscriptionを共同創業しました。子どもの頃からピアノとバリトンサクソフォンを演奏し、ミュージカルの舞台にも立っていました。もう何年も舞台には立っていませんが、今も腕は鈍っていないつもりです。録音から音を拾って楽譜にすることについて書いています。

チームについて詳しく見る

同じテーマの記事を読む