この記事はバンド全体を採譜するためのガイドの一部です。
曲のすべての楽器を楽譜にするには、録音をSongscriptionにアップロードしてMulti-Instrumentを選びます。ドラムやベースから弦楽器、金管楽器、サックスまで、聴き取った楽器ごとにパートを分け、一度に採譜します。各パートを録音と照らし合わせ、もっときれいに仕上げたいパートは単一楽器モードでもう一度採譜できます。
すべてのパートを楽譜にする3つの方法
録音や必要な精度に合わせて、3つの方法から選べます。
1. Multi-Instrumentで一度に採譜する。 1回のアップロードで、楽器ごとにパートが分かれた楽譜とマルチトラックMIDIができます。最も速い方法で、多くの録音で最初に試すのに向いています。ロックやポップスの曲、弦楽器を含む礼拝の演奏、サックスとトランペットの入ったジャズコンボなどに使えます。
2. 楽器を1つずつ採譜する。 楽器を1つ選んで採譜し、次の楽器に進みます。1回ごとに1つの音に集中するので、各パートは比較的きれいに仕上がる傾向があります。その分、採譜を繰り返す必要があり、楽譜は自分で組み合わせます。組み合わせ方は別々のパートから全体の楽譜を作る方法で紹介しています。
3. 先にステムを用意し、1つずつ採譜する。 曲のトラックが別々にある場合や、ステム分離ツールでミックスを分けた場合は、各ステムを単独で採譜すると最もきれいな結果が得られます。最も手間がかかるので、速さよりもすべてのパートの精度を優先したいときに向いています。手順はマルチトラックの音源を楽譜にする方法を参照してください。
迷ったときは、一度に採譜する方法と楽器ごとに採譜する方法の比較で、それぞれの違いを詳しく確認できます。
Multi-Instrumentですべての楽器を採譜する手順
アップロードは1回で済みます。採譜後の確認には数分ほどかかります。
- 音源を選びます。 オーディオファイル(MP3、WAV、FLAC、AAC、M4A)か動画(MP4、MOV、WebM)をアップロードするか、YouTube、TikTok、Instagramのリンクを貼り付けます。できるだけ音がクリアで、各楽器のバランスがよい録音を選ぶと、結果もよくなります。たとえば、ライブハウスの後方からスマートフォンで撮った動画より、スタジオ録音のほうが向いています。
- 楽器を選ぶ画面でMulti-Instrumentを選びます。 1つの楽器やピアノ用のアレンジではなく、すべてのパートを採譜する設定です。
- 採譜が終わるまで待ちます。 聴き取った楽器ごとにパートが分かれた楽譜ができます。鍵盤楽器のパートはすべて右手と左手に分かれるので、ピアノやシンセのパートを鍵盤楽器の楽譜として読めます。
- 楽譜を再生し、録音と照らし合わせます。 再生速度を調整し、音が重なる部分は半分の速さで追いかけます。
- エディターで必要な箇所を直します。 楽譜表示かピアノロールで、ピッチの修正、音符の移動や削除、タイミングの調整ができます。エディターのアシスタントAnnieには、修正したいことを言葉で伝えられます。間違った音の修正、1つのパートの移調、強弱記号やリピートの追加を頼めます。気に入らない変更は元に戻せます。
- ダウンロードします。 印刷するならPDF、楽譜作成ソフトで開くならMusicXML、DAWに読み込むならMIDIで書き出します。
無料プランでは30秒の音源で試せます。より長い曲には無料トライアルか有料プランが必要です。
各パートで確認するところ
パートごとに仕上がりが粗くなりやすい箇所があります。まずは次のところを確認してください。
| パート | 確認するところ | 理由 |
|---|---|---|
| ボーカル | 速いフレーズのメロディー、伸ばした音、音から音へのスライド | 歌では音程を曲げたり、下から滑り込ませたりしますが、楽譜では1つのピッチを選ぶ必要があります |
| ベース | オクターブと、音量の大きいキックドラムに重なる音 | 低い音はキックと同じ音域にあり、隠れることがあります |
| ギター | ストロークしたコードと、鍵盤楽器の音に埋もれる音 | ギターと鍵盤楽器は同じ音域で鳴ることが多いためです |
| 鍵盤楽器 | 左手と右手の分かれ方、伸ばしたコード | サスティンペダルやパッドの音が、長く重なる音符として混ざることがあります |
| ドラム | 基本のグルーヴのキックとスネアのパターン、続いてフィル | ハイハットやシンバルは音数が多いので、バックビートから確認します |
| 弦楽器、金管楽器、管楽器 | 同じ音域で一緒に動くセクションの旋律 | 同じ音域の楽器同士で、音符が別のパートに振り分けられることがあります |
まず一番大切なパートを確認し、次にベースを見るのがおすすめです。ベース音が間違うと、曲全体のコードを読み違えることがあるためです。ベースと鍵盤楽器のパートを見比べるのも役立ちます。ベース音が鍵盤楽器で伸ばしているコードに合わなければ、たいていはどちらかを修正する必要があります。どのパートにも使える確認方法は、AI採譜の間違いを修正する方法を参照してください。
パートの仕上がりが粗いときは、同じ音域の楽器の音が互いに隠れていないか聴いてみてください。音が密に重なったミックスでは、その影響が大きくなります。AI採譜の精度が変わる理由では、精度を上げるための方法も紹介しています。
1つのパートを単一楽器モードで採譜し直すとき
特に大切なパートをMulti-Instrumentで採譜して、数か所以上の修正が必要だったときは、そのパートだけを採譜し直せます。単一楽器モードでは楽器を選ぶと、モデルがミックス全体からその音を直接取り出します。ステムは必要ありません。
次のようなときに採譜し直す方法が役立ちます。
- そのパートを練習したり、演奏したりするとき。 ベースラインを一音ずつ覚えるなら、何とか演奏できる程度の楽譜よりも、できるだけ正確な楽譜のほうが役立ちます。ベースラインを採譜する方法で詳しく紹介しています。
- パートが埋もれていたとき。 鍵盤楽器の厚い音に埋もれたリズムギターや、リードボーカルに埋もれたハーモニーパートは、その音に絞って採譜すると仕上がりがよくなることがあります。
- 楽器に合った形式が欲しいとき。 ギターを単一楽器モードで採譜すると、五線譜に加えてタブ譜も作れ、Guitar Pro形式でも書き出せます。
単一楽器モードは、ピアノ、アコースティックギター、ベースギター、コントラバス、バイオリン、フルート、トランペット、テナーサックス、ドラム、ボーカルに対応しています。ピアノ以外はすべてベータ版なので、同じようにパートを確認してください。全体を把握するにはMulti-Instrumentの楽譜を使い、特に正確に仕上げたいパートには単一楽器モードの結果を使えます。
演奏できる楽譜が1つあればよいとき
曲のすべての楽器の楽譜が必要とは限りません。バンドの演奏を記録するよりも自分で曲を弾くことが目的なら、ピアノカバーで録音全体を演奏できる1つのピアノパートにまとめられます。リードシートなら、メロディーの上にコード記号が付きます。どちらも全パートが入った楽譜より、読むのも覚えるのも短い時間で済みます。録音からリードシートを作る方法も参照してください。
関連ガイド
- 全体のガイド: 複数の楽器を採譜する方法
- 方法を選ぶ: 一度に採譜する方法と楽器ごとに採譜する方法の比較
- パート譜を配る: 録音からバンドのパート譜を作る方法
- DAWで使う: マルチトラックMIDIを使ってDAWで曲を再現する方法
- 採譜結果を直す: AI採譜の間違いを修正する方法
よくある質問
曲のすべての楽器を楽譜にするにはどうすればいいですか?
曲をSongscriptionにアップロードし、Multi-Instrumentを選びます。録音が一度に採譜され、ドラム、ベース、ギター、鍵盤楽器、ボーカル、管楽器、弦楽器など、聴き取った楽器ごとにパートが分かれた楽譜とマルチトラックMIDIができます。エディターで各パートを確認し、気になるところを修正して、PDF、MusicXML、MIDIをダウンロードします。特にミックスの中で埋もれているパートは、確認する時間を取っておいてください。
Multi-Instrumentはどの楽器を採譜できますか?
Multi-Instrumentは鍵盤楽器、ギター、ベース、弦楽器、金管楽器、木管楽器、サックス、シンセ、声、ドラムを認識し、聴き取った楽器ごとにパートを分けて楽譜にします。鍵盤楽器のパートはすべて右手と左手に分かれます。合唱は1つのボイストラックになり、ソプラノ、アルト、テナー、バスには分かれません。同じ音域で重なる楽器が多いほど、修正も多くなります。
すべての楽器を楽譜にするにはステムが必要ですか?
ステムは必要ありません。Multi-Instrumentは曲全体のミックスから採譜するので、完成した曲をファイルでアップロードするか、YouTube、TikTok、Instagramのリンクを貼り付けられます。曲の各トラックが別々にある場合は、それぞれを単独で採譜すると、ミックスから音を取り出す必要がないため、各パートを最もきれいに採譜できます。
1つのパートだけ仕上がりが粗いときはどうすればいいですか?
そのパートを単一楽器モードでもう一度採譜します。ベースギターやボーカルなどの楽器を選ぶと、モデルはミックスのほかの音を無視して、その音だけを聴き取ります。Multi-Instrumentで採譜した同じパートよりも、通常はきれいな結果になります。特に大切なパートには単一楽器モードの結果を使い、残りにはMulti-Instrumentの楽譜を使えます。
楽譜にしたい録音があるなら、1回のアップロードですべての楽器を採譜できます。