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マルチトラックMIDIを使ってDAWで曲を再現する

DAWで曲全体を作り直すには、かつてはすべてのパートを耳で聴き取って打ち込む必要がありました。録音からマルチトラックMIDIを作れば、ドラムやベースから弦楽器、金管楽器、シンセまで、パートごとにトラックが分かれた状態から始められます。録音をアップロードし、演奏や制作に使えるセッションに仕上げます。

1つの録音から作り直したDAWのセッション。楽器ごとにMIDIトラックが分かれている

この記事はバンド全体を採譜するためのガイドの一部です。

DAWで曲を再現するには、録音をマルチトラックMIDIに変換し、楽器ごとにトラックが分かれるように読み込みます。各トラックに音色を割り当て、パートを修正して仕上げます。SongscriptionのMulti-Instrumentモードなら、1回のアップロードで聴き取った楽器ごとにMIDIトラックが作られます。空のセッションではなく、曲全体のアレンジが入った状態から始められます。

1つのパートだけがほしいときは、プロデューサーがオーディオからMIDIを作って音を再現する方法も参考にしてください。たとえば、ベースラインだけを取り出して自分のシンセで鳴らす方法を紹介しています。曲の全パートを、演奏やリミックス、制作に使えるセッションとして作り直します。

ステップ1:録音を選ぶ

できるだけ音がはっきりした録音から始めます。ライブ動画よりも、各楽器が明瞭でバランスよくミックスされたスタジオ録音のほうが変換しやすくなります。音が密集した曲よりも、各楽器の音が分かれて聴こえる曲のほうが変換に向いています。オーディオファイル(MP3、WAV、FLAC、AAC、M4A)や動画(MP4、MOV、WebM)をアップロードするか、YouTube、TikTok、Instagramのリンクを貼り付けます。

自分の曲で元のセッションが残っているなら、この手順はおそらく必要ありません。完成したミックスしか手元にない曲を再現するときに使う方法です。

ステップ2:Multi-Instrumentで変換する

楽器を選ぶ画面でMulti-Instrumentを選び、変換を実行します。複数の譜表を使った楽譜と、それに対応するマルチトラックMIDIが作られます。鍵盤楽器のトラックはすべて左右の手に分かれます。DAWでは、左手に低音の強いピアノ、右手に明るい音色を割り当てたり、両方を同じ音源で鳴らしたりできます。

ダウンロードする前に、エディターで少し確認します。変換結果を録音と聴き比べ、ベース音のオクターブ違い、抜けたコード、ずれたボーカルの旋律など、聴いてすぐ分かる問題を直してください。先にエディターで直しておくと、楽譜から生成するMIDIの修正が少なくて済みます。パートごとの確認項目は、曲のすべての楽器の楽譜を作る方法を参照してください。

ステップ3:楽譜から生成したMIDIと変換直後のMIDIを選ぶ

ダウンロードメニューでは2種類のMIDIファイルを選べます。

楽譜から生成したMIDI変換直後のMIDI
タイミング楽譜と同じように拍のグリッドに揃うクオンタイズされず、元の演奏のタイミングを保つ
ベロシティー楽譜に従う演奏時のベロシティーを保つ
エディターでの修正反映される楽譜の修正は反映されない
向いている用途タイミングを揃えた打ち込みや、手早いスケッチバンドの生演奏の雰囲気を残す

両方をダウンロードして使い分ける方法もあります。ドラムやゆったりしたベースラインなど、演奏の雰囲気を残したいパートには変換直後のMIDIを使い、タイミングを揃えたいパートには楽譜から生成したMIDIを使います。クオンタイズで演奏がどう変わるかは、MIDIのクオンタイズとはで解説しています。

ステップ4:DAWに読み込む

主なDAWはどれも標準MIDIファイルを読み込めます。操作はそれぞれ少しずつ異なります。

  • Ableton Live: .midファイルをアレンジメントビューにドラッグします。ファイル内の各トラックが、それぞれ別のMIDIトラックに入ります。SongscriptionをAbleton Liveで使う方法も参照してください。
  • Logic Pro: ファイルメニューから読み込むか、ファイルをトラック領域にドラッグします。MIDIトラックごとにソフトウェア音源トラックが作られます。
  • FL Studio: ファイルメニューからMIDIファイルを読み込み、トラックを分けて保持する設定を選びます。各楽器が別々のチャンネルに入ります。LogicとFLの操作は、SongscriptionをLogic ProとFL Studioで使う方法で解説しています。
  • GarageBand: .midファイルをタイムラインにドラッグすると、ソフトウェア音源トラックが作られます。SongscriptionをGarageBandで使う方法も参照してください。

セッションのテンポを曲に合わせます。読み込みの前後どちらで設定するかは、DAWがMIDIファイル内のテンポをどう扱うかによって異なります。MIDIをDAWに読み込む方法では、音が出ないトラックなど、よくある問題も扱っています。

ステップ5:各トラックに音源を割り当てる

MIDI自体には音がありません。大事なトラックから順に音源を割り当てていきます。

  • ドラム: ドラムキットやドラムラックを読み込みます。ドラム音源によって音符と音の対応が異なるので、キック、スネア、ハイハットの音符で正しい音が鳴るか確認します。違うパッドが鳴る音符は割り当てを直してください。
  • ベース: 原曲に近づけるならベースギターのサンプル、アレンジを変えるならシンセベースを使います。
  • ギター: クリーンなパートには、アンプを再現したギター音源が使えます。ストロークで弾くコードは、サンプリングしたギターよりもパッド、鍵盤音色、プラック系のシンセのほうが自然に聴こえることもあります。
  • 鍵盤楽器: ピアノ、電子ピアノ、オルガン、シンセなどを使います。左右の手が分かれているので、音色を重ねたり別々にしたりできます。
  • 弦楽器、金管楽器、木管楽器: パートに合うセクション音源やソロ音源を読み込み、音域を確認します。サンプル音源では、実際の楽器では出せない音も鳴らせるためです。
  • ボーカル: ボーカルトラックに入っているのは、歌声ではなく音符で表された旋律です。リードシンセやピアノに割り当ててガイドにし、それに合わせて歌うか、録音したボーカルに置き換えます。

同じ音符でも音色を変えると、カバーにもリミックスのスケッチにも、新しいアレンジにもなります。

ステップ6:クオンタイズ、ヒューマナイズ、修正をする

各トラックを、自分で録音したパートと同じように整えます。

必要なところをクオンタイズします。 変換直後のMIDIから始めた場合は、タイミングを揃えたいトラックだけをクオンタイズし、残りは元の演奏のタイミングのままにします。キックやスネアは、タイミングを揃えることが多いパートです。音符をグリッドに完全には揃えない設定にすると、元の演奏の雰囲気を多少残せます。

必要に応じてヒューマナイズします。 楽譜から生成したMIDIの演奏が硬く聴こえるときは、多くのDAWでタイミングとベロシティーに小さなランダムな変化を加えられます。そのトラックを変換直後のMIDIに入れ替える方法もあります。

間違った音符を直します。 オクターブが違う音符、隣の楽器から紛れ込んだ余分な音符、短いはずなのに長くなっている音符などを探します。ピアノロールなら見つけやすくなります。変換後のMIDIを整理する方法では、それぞれの修正方法を解説しています。

うまく変換できなかったパートをやり直します。 1つのトラックを手で直すのが難しいほど乱れているときは、単一楽器モードでその楽器をもう一度変換します。このモードでは、ミックス全体からそのパートだけを分離して変換します。セッション内のMIDIを新しいMIDIに差し替えてください。

ステップ7:曲を仕上げる

ここからはセッションを自由に作り替えられます。キーを変える、ブリッジを書き直す、ベースにサブベースを重ねる、ドラムを元のグルーヴをもとに自分で作ったパターンに置き換えるなど、好きな方向に進められます。MIDIを使う方法と分離したオーディオを使う方法の違いは、マルチトラックMIDIとステムの比較で解説しています。

よくある質問

DAWで曲を再現するにはどうすればよいですか?

録音をマルチトラックMIDIに変換し、DAWに読み込んで、各トラックに楽器の音色を割り当てます。Songscriptionに録音をアップロードし、Multi-Instrumentを選んでMIDIをダウンロードしてください。聴き取った楽器ごとにトラックが分かれています。各トラックに音色を読み込み、タイミングをどのくらい揃えるか決めて、間違った音符を直してから制作を始めます。

楽譜から生成したMIDIと変換直後のMIDIのどちらをダウンロードすればよいですか?

楽譜に合わせてグリッドに揃ったパートがほしいときや、エディターでの修正を反映したいときは、楽譜から生成したMIDIを使います。元の演奏の雰囲気を残したいときは、元の演奏のタイミングとベロシティーを保った変換直後のMIDIを使います。こちらはクオンタイズされておらず、楽譜と連動していないため、楽譜の修正は反映されません。変換直後のMIDIから始めて、必要なトラックだけをクオンタイズするプロデューサーも多くいます。

読み込んだMIDIから音が出ないのはなぜですか?

MIDIは音符などのデータで、それ自体に音はありません。各トラックにドラムキット、ベースの音色、ピアノなどのソフトウェア音源を割り当てる必要があります。音源を読み込むまでは、音符があってもトラックから音は出ません。DAWによっては、マルチトラックMIDIを読み込むと各トラックに初期音源が割り当てられます。通常はパートに合う音色に替えて使います。

この方法でオーケストラの曲も再現できますか?

ある程度はできます。Multi-Instrumentはバンドの楽器に加え、弦楽器、金管楽器、木管楽器、ハープ、ティンパニも認識します。オーケストラや映画音楽のような曲でも、聴き取った楽器ごとにMIDIトラックが作られます。同じ音域で重なる楽器が多いほど、修正も多く必要になります。特に大事なパートは単一楽器モードでもう一度変換し、セッション内のMIDIを修正が少なくて済むMIDIに差し替えてください。

曲の再現を始めるには、録音をマルチトラックMIDIに変換してください。

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音楽を演奏する人が、演奏する人のために作っています

Songscriptionは、どんな録音も楽譜、MIDI、タブ譜に変換します。この記事を書いているのは、自分たちが欲しかった道具を作っているミュージシャンとエンジニアです。音符には真剣ですが、ダジャレにはもっと真剣です。ときどき滑っても、どうか大目に見てください。

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