チュートリアル楽譜Andrew Carlins•読むのに約9分

ピアノの生徒に合わせて採譜した曲の難易度を調整する

生徒がいつも聴いている曲を弾きたがっています。でも、市販の楽譜は今のレベルより2段階も上です。リクエストされた曲を採譜して、今の生徒に合う難易度に調整します。楽譜の用意から、段階を追って難しくしていくところまで、レッスンでの使い方をまとめました。

ピアノの生徒に合わせて採譜した曲の難易度を調整する

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レッスンに来た生徒が、いつも聴いている曲を弾きたいと言います。その意欲を生かしたいところですが、市販の楽譜は今のレベルより2段階も上です。難しいまま渡すと途中で行き詰まりそうですし、別のやさしい曲を勧めると、せっかくのやる気がしぼんでしまいそうです。

そんなときは、リクエストされた曲を採譜して、生徒の今の力に合わせて難易度を調整します。楽譜を用意してレベルを合わせたら、学期を通して同じ曲を少しずつ難しくしていけます。一つの曲を、教室のレベルの違う生徒たちに渡す使い方もできます。好きな曲を続けられることが、レッスンを続ける理由にもなります。

曲を替えるより、難易度を合わせる理由

生徒は、自分が弾きたい曲を練習します。自分で選んだ曲なら、練習時間は先生に指定された教本の曲の10倍にもなります。その練習の中で、弾く力が伸びていきます。見つかった楽譜が難しすぎるなら、今読めるレベルまで調整すれば、弾きたい気持ちを生かせます。生徒が弾きたい曲の楽譜を用意する方法から、もう一歩進めた使い方です。

生徒がリクエストした曲を採譜する

まず、曲の録音から編集できる楽譜を作ります。音声をアップロードするか、リンクを貼り付けるか、その場で録音して、ピアノを選びます。左右の手に分けた大譜表の楽譜と、ピアノロールができます。ピアノ用の採譜モデルは最も開発が進んでいるので、音が明瞭な録音なら、元の演奏に忠実な楽譜を出発点にできます。この楽譜を編集して難易度を調整します。いくつのレベルを作る場合でも、採譜は一度で済みます。手元の録音から始めるには、音声から楽譜を作成を使います。

生徒に合うレベルを選ぶ

作った楽譜を楽譜の難易度調整ツールに読み込み、生徒に合うレベルを選びます。入門から採譜したままの楽譜まで、段階を選べます。やさしいレベルにするほど、同時に弾く音が減り、リズムがシンプルになります。片手で押さえる音の幅も狭くなり、和音の音数や装飾的な速いフレーズも減ります。生徒の様子とレベルを対応させると、おおよその目安は次のとおりです。

生徒の様子最初に選ぶレベル
習い始めて1年目で、音を一つずつ確かめている入門:メロディーと単音のベース
両手の楽譜を無理なく読める初級〜初中級
曲を通して弾けて、左右の手を別々に動かす力をつけている中級
上級で、元の演奏に取り組める中上級、または採譜したままの楽譜

迷ったら、一つ下のレベルから始めてください。少しやさしい曲は早く弾けるようになり、自信につながります。難しすぎると練習が進まず、やる気も落ちてしまいます。レベルごとの違いは、楽譜の難易度の目安で説明しています。キーのせいで弾きにくいなら、弾きやすいキーへの移調もできます。

同じ曲で少しずつレベルを上げる

元の採譜結果を残しておけば、生徒の上達に合わせて同じ曲を難しくしていけます。入門版をしっかり弾けるようになったら、同じ楽譜から一つ上のレベルを作り直して渡します。メロディーはもう知っているので、初めての曲を読むときとは違います。左手の動きや和音の音を増やし、前に省いた速いフレーズを加えていきます。好きな1曲に学期を通して取り組みながら、弾いていて上達を実感できます。先生が難易度調整ツールを使う方法は、生徒向けに楽譜をやさしくする方法でも詳しく紹介しています。

教室でレベルの違う生徒に使う

一度の採譜から複数のレベルを作れば、グループで使う曲も用意しやすくなります。曲を一度採譜し、いくつかのレベルをまとめて書き出します。教室のみんなが、それぞれに合う難しさで発表会に向けて同じ曲に取り組めます。初級と上級の生徒で連弾するときも、同じ採譜結果から作った楽譜なので、パートを合わせられます。

クラス全体で使う曲の組み方は、先生向けの楽譜の難易度調整ガイドで詳しく紹介しています。教育向けページでは、先生が普段のレッスンでSongscriptionをどう使っているかを紹介しています。生徒の立場で同じ方法を使うなら、好きな曲をやさしいピアノアレンジにする方法が参考になります。

よくある質問

生徒に合わせて曲の難易度を調整するにはどうすればいいですか?

曲を採譜して編集できる楽譜を作り、楽譜の難易度調整ツールで生徒に合うレベルを選びます。同時に弾く音を減らし、複雑なリズムを整理し、片手で押さえる音の幅を狭めます。和音の音数や装飾的な速いフレーズも減らすので、上級のアレンジを、その曲だと分かる形のまま入門レベルにできます。エディターで手直ししたり、弾きやすいキーに移調したりもできます。生徒が弾きたかった曲を、今読める楽譜で渡せます。

レベルの違う生徒に同じ曲を渡せますか?

はい。難易度調整は、こうした場面で特に役立ちます。一度採譜した曲を、複数のレベルで書き出します。習い始めて1年目の生徒には入門版、もう少し進んだ生徒には中級版、いちばん進んでいる生徒には採譜したままの楽譜を渡せます。どの版も、聴けば同じ曲だと分かります。それぞれに合う難しさで同じ曲に取り組めるので、グループレッスンや発表会、連弾の曲を用意しやすくなります。

最初はどのくらいの読譜レベルから始めるとよいですか?

今の実力だと思うレベルより、一つ下から始めてください。少しやさしい曲なら早く弾けるようになり、自信につながります。難しすぎる曲では、練習が進まず、やる気も落ちてしまいます。難易度調整ツールがあれば、まず入門や初級を選んで様子を見られます。すらすら弾けたら、同じ採譜結果から一つ上のレベルを数秒で作り直せます。難しすぎて行き詰まってから立て直すより、弾けるところから上げていくほうが進めやすいです。

難易度を変えても、元の曲だと分かりますか?

はい。適切に調整すれば、その曲だと分かる形を保てます。難易度調整では、音が重なった内声、速いフレーズ、大きく手を広げる箇所など、伴奏や音の厚みを作る部分を減らします。曲を聴いて分かる手がかりになるメロディーと主要なコードは残します。入門版でも好きな曲だとはっきり分かるので、生徒のやる気が続きます。あるレベルで曲らしさが薄れすぎた箇所は、エディターで手直しして、必要な音や動きを戻せます。

著者について

Andrew Carlins

著者

Andrew Carlins

Songscription共同創業者・CEO

アンドリューは、弾きたい曲の楽譜が見つからないことにうんざりしていた音楽仲間数人と、スタンフォード大学でSongscriptionを共同創業しました。子どもの頃からピアノとバリトンサクソフォンを演奏し、ミュージカルの舞台にも立っていました。もう何年も舞台には立っていませんが、今も腕は鈍っていないつもりです。録音から音を拾って楽譜にすることについて書いています。

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