採譜・楽譜作成ツールのおすすめガイドの関連記事です。
「無料の採譜ソフト」で検索すると、MuseScoreのような楽譜作成ソフトが数多く見つかります。楽譜作成ソフトは、音符を手で入力するためのものです。一方、音声採譜ツールは録音を聴き取り、音を楽譜にします。録音から楽譜を作りたいときは、音声採譜ツールを選びます。
実際に音声を採譜できるツールでも、無料で使える範囲には差があります。20秒までのもの、PDFしか書き出せないもの、無料枠ではなく期間限定の体験版だけのものもあります。普段の作業に取り入れる前に、その違いを確かめておくと選びやすくなります。
Songscription、Klangio、Melody Scanner、MuseScore、ScoreCloudの5つについて、実際に使った経験と公開されている料金情報をもとに、無料で使える範囲を比較しました。私たちはSongscriptionの開発元ですが、ほかのツールが向いている用途もそのまま紹介します。
無料の音声採譜ソフトとは
無料の音声採譜ソフトは、録音した音声を楽譜やタブ譜、MIDIファイルに変換します。AIがMP3、YouTubeリンク先の音声、その場で録音した演奏などを聴き取り、読んだり編集したり印刷したりできる楽譜を作ります。楽譜作成ソフトのように、すべての音符を手で入力する必要はありません。
ただし、「無料」の仕組みは3つに分かれます。無料枠は、制限の範囲内であれば期限なく使えます。Songscriptionの30秒間の無料採譜がこの形です。無料体験は、短い期間だけすべての機能を使え、その後は支払いが必要になります。ScoreCloudでは数曲を無料で採譜したあと、Songwriterを10日間体験できます。オープンソースのツールはずっと無料ですが、多くは楽譜の編集用です。AIで音声を採譜するものではありません。
先にこの違いを確認しておけば、必要な形式で書き出そうとしたときに初めて有料だと気づく事態を避けられます。音声から楽譜を作る手順全体は、MP3を楽譜にするガイドで紹介しています。
2026年のおすすめ無料採譜ツール5選
5つのツールの無料範囲や入力方法、書き出し形式は、下の比較表で確認できます。
Songscription
Songscriptionはブラウザで動くので、インストールは不要です。アカウントを作らずに使い始められます。無料枠では30秒間を採譜でき、料金を払う前に、試したい曲でどんな結果になるかを聴いて確かめられます。長い音声には無料体験版も使えます。複数の楽器に対応し、YouTubeリンクをそのまま貼り付けて採譜できます。有料プランでは、AIが間違えた音を直すピアノロールエディターを使えます。MIDI、MusicXML、PDF、Guitar Pro形式での書き出しにも対応しています。音声を楽譜に変換から試せます。
無料プレビューは閲覧専用です。ファイルをダウンロードするには、無料体験を始めるか、有料プランに移る必要があります。採譜に対応している楽器は限られています。期限なく無料でファイルを書き出したい用途には向きません。
5つのツールを比較
| ツール | 無料で使える範囲 | 音声の入力方法 | 主な書き出し形式 | 向いている用途 |
|---|---|---|---|---|
| Songscription | 無料枠+無料体験:30秒間の無料採譜、長い音声向けの無料体験 | 音声ファイル+YouTube | MIDI、MusicXML、PDF、Guitar Pro | 幅広い用途で無料の採譜を試す |
| Klangio | 無料デモ:20秒間 | 音声ファイル+YouTube | PDF、MIDI、MusicXML、Guitar Pro | DAWプラグインやAPIが必要な場合 |
| Melody Scanner | 無料枠:40小節(約2分) | YouTube+マイク | PDF、MIDI、MusicXML | YouTubeから簡単なピアノ譜のPDFを作る |
| MuseScore | オープンソース:制限なし | 音声入力なし | MusicXML、MIDI、PDF | 無料で楽譜を編集する |
| ScoreCloud | 無料体験:3曲無料、その後10日間の体験 | 音声ファイル+YouTube | PDF、MIDI、MusicXML | シンガーソングライターのリードシート作り |
Songscriptionは、無料で試せる範囲が広いツールの一つです。30秒間の無料採譜に加えて、長い音声向けの無料体験版もあります。Klangioの20秒のデモでは、短いイントロを試す程度になります。Melody Scannerの入力方法はYouTubeリンクとマイク録音に限られるため、使い方に制約があります。
MuseScoreは、この中では音声採譜用ではなく楽譜編集用のソフトです。どの採譜ソフトで書き出したMIDIファイルも読み込めるので、組み合わせて使えます。ScoreCloudは3曲を無料で採譜でき、その後はSongwriterの10日間の体験に移ります。体験期間が終わると採譜は有料になるので、無料で使い続けたい場合にはあまり向きません。
用途に合わせた選び方
無料枠で何をしたいかによって、合うツールが変わります。
- 短い音源で採譜の精度を確かめたいなら、Songscriptionでは料金を払う前に30秒間の採譜結果を聴けます。Klangioのデモは20秒までです。
- スマートフォンで採譜したいなら、Melody Scannerにはモバイルアプリがあり、Songscriptionはブラウザで使えます。どちらもその場で録音できます。思いついたフレーズをアプリとブラウザのどちらに録りたいかで選べます。
- MIDIやMusicXMLをほかのソフトに持ち込みたいなら、有料プランの比較が必要です。ここで紹介した音声採譜ツールは、どれもこれらの書き出しを有料プランに限っています。
- 音声の採譜は必要なく、楽譜だけを編集したいなら、MuseScoreが向いています。無料のオープンソースソフトで、どの採譜ツールで書き出したMIDIファイルも読み込んで編集できます。
- シンガーソングライターとしてリードシートを作るなら、ScoreCloud Songwriterがその用途に合っています。ただし、期限のない無料枠ではなく、無料体験です。
比較で確認したこと
ホームページに書かれた紹介だけでなく、実際にどこまで無料で使えるかを確認しました。「無料」と宣伝されていても、20秒のデモや期限付きの体験版だけというツールもあります。まず確認したのは、無料で使い続けられる枠なのか、使える期間に限りがあるのかという点です。
次に、ファイルのアップロード、YouTube、その場での録音といった入力方法を調べました。支払いなしで使える書き出し形式と、各開発元が採譜精度について公表している内容も確認しています。体験期間が終わった時点で支払いが必要になるものは、ここでは継続して無料で使えるものと区別しました。
最後に
短く、はっきり録音されたメロディーなら、各ツールの無料枠で得られる採譜結果の差は小さくなっています。この種の音源では、精度だけで選ぶ場面は少なくなっています。違いが出るのは、料金を払う前に何秒まで採譜できるか、どの形式でファイルを持ち出せるかです。普段の作業に無料で組み込めるか、有料で使うことになるかは、ここで決まります。
デモの印象より、必要な出力を基準に選ぶと判断しやすくなります。短い採譜結果を画面で読むだけなら、無料プレビューで十分です。DAWや楽譜作成ソフトに持ち込むためのMIDIやMusicXMLが必要なら、いずれかのツールに料金を払うことになります。同じ曲を2〜3個のツールで採譜して比べ、結果と料金の両方に納得できる有料プランを選んでください。
よくある質問
無料の音声採譜ソフトとは何ですか?
録音した音声を、料金を払わずに楽譜やMIDI、タブ譜に変換できるソフトです。ただし、無料で使える範囲はツールによって違います。制限の範囲内でずっと使えるものもあれば、短い試用期間のあとに支払いが必要になるものもあります。Songscriptionでは30秒間の採譜が無料です。メロディーの一部やサビの短いフレーズの多くは、この長さに収まります。長い音声を採譜するための無料体験版もあります。
無料枠と無料体験はどう違いますか?
無料枠は、機能や時間の制限内であれば期限なく使えます。無料体験は、一定期間だけすべての機能を使えますが、期間が終わると料金を払わない限り使えなくなります。Melody ScannerとSongscriptionには無料枠があります。Songscriptionには、長い音声を採譜できる無料体験版もあります。ScoreCloudは数曲を無料で採譜でき、その後はSongwriterの10日間の体験期間を経て有料になります。
無料で使うならSongscriptionはKlangioより優れていますか?
無料で使うなら、私たちはSongscriptionのほうがよいと考えています。Songscriptionの無料枠では30秒間を採譜でき、長い音声向けの無料体験版もあります。Klangioの無料デモは20秒までです。編集はできず、完全な書き出しには料金がかかります。
SongscriptionはMelody Scannerより優れていますか?
YouTubeの動画から簡単なピアノ譜を作りたいなら、Melody Scannerはよい選択です。Songscriptionは、聴こえた音を採譜するほかに、アレンジを作ったり、メロディーを抜き出して単音のパートにしたりできます。演奏しやすい楽譜に近づけられるのが特徴です。メロディーの抽出やアレンジに使うなら、同じ音源を両方で試すと違いが分かります。私たちは、こうした用途でもSongscriptionは十分に役立つと考えています。
MuseScoreは音声を採譜するツールですか?
いいえ。MuseScoreは、音符を手で入力する楽譜作成ソフトです。音声ファイルを自動で楽譜に変換する機能はありません。まずSongscriptionで音声を採譜し、できたMusicXMLファイルをMuseScoreに読み込むと、続けて編集できます。
無料の採譜ツールはどう選べばよいですか?
まず、音声ファイルのアップロード、YouTubeリンク、その場での録音のどれに対応しているかを確認します。次に、MIDI、MusicXML、PDFなどの書き出し形式が、どこまで無料で使えるかを確かめます。複数の楽器に対応している必要があるのか、ソロ演奏だけを採譜できればよいのかも選ぶ基準になります。
Klangioの代わりに無料で使うなら、どのツールがおすすめですか?
SongscriptionはKlangioの20秒より長い30秒の無料プレビューに加えて、長い音声を採譜できる無料体験版も使えます。Melody ScannerはYouTubeからピアノ譜を作る用途に向いていますが、MIDIの書き出しは有料です。MuseScoreなら楽譜を無料で編集できますが、音声の採譜はできません。
無料の音声採譜ソフトはどのくらい正確ですか?
精度は、楽器の重なり具合や録音の音質で変わります。音が多く重なるオーケストラ曲より、シンプルなメロディーのほうが正確に採譜できます。Melody Scannerは、ピアノの録音で最大86%の精度があるとしています。どのツールにも編集機能があり、AIが間違えたところを手で直せます。
無料の採譜ソフトを音楽の授業で使えますか?
Songscriptionの30秒の無料枠は、生徒のメロディー課題や短いフレーズに使えます。MuseScoreは、採譜後の楽譜を編集するために世界各地の学校や音楽大学で使われています。授業での使い方は、先生向けの採譜ガイドで紹介しています。