チュートリアルピアノロールSongscription•読むのに約7分

TikTokで流行る曲をピアノで弾くには

流行りの曲で誰もが知っているのは、15秒ほどの短い部分です。しかも、よく耳にするのは再生速度を上げた音源だったりします。練習の進め方は、この二つで変わります。

TikTokで流行る曲をピアノで覚えるために、原曲、再生速度を上げた版、ナイトコア版の再生速度やキー、動画で広まった部分を比較した図

TikTokで流行る曲をピアノで覚えるときは、1曲を最初から最後まで練習するのとは進め方が違います。誰もが知っているのは、動画で繰り返し使われる10〜15秒ほどの部分です。しかも、よく耳にする音源は再生速度を上げたもので、リリースされた原曲よりキーが高いこともあります。まずは、その耳に残る部分、フックから覚えます。どの音源に合わせるかを決めて、弾く音は録音から取ります。流行り始めたばかりの曲なら、ピアノアプリへの収録はまだ期待できません。

私たちはSongscriptionとAnything Pianoを開発しています。どちらを使うかは用途によって変わりますが、自分の耳で聴き取るのが一番よい場面もあります。

まずフックから覚える理由

流行りの曲でも、多くの人が知っているのはフックだけです。サビの一節や楽器のリフなど、短い部分が何百万もの動画で繰り返し流れます。そこから練習すれば、一晩で何の曲か伝わる演奏になります。短いので、音を曖昧にしたまま済ませず、きちんと覚えられます。

フックは、曲の中でも弾きやすい部分であることが多いです。広まるのは、シンプルで繰り返しが多いからです。コードは2〜4個ほどで、メロディーの音域も狭く収まっています。初心者には取り組みやすい題材ですし、経験がある人には耳を鍛える練習になります。この長さなら、録音と一音ずつ照らし合わせて耳コピするのも現実的です。

フックをしっかり弾けるようになってから、曲の残りも覚えたいかを考えます。動画を聴いて期待したほどには、サビ以外の部分に惹かれないこともあります。投稿するなら、3分間をたどたどしく弾くより、15秒を仕上げたほうがよい演奏になります。

TikTokで流行る曲がピアノアプリにない理由

曲を収録するタイプのピアノアプリでは、編曲と、曲を使う許可を取る作業を1曲ずつ進めます。その作業には、流行が続く期間よりずっと長くかかります。数週間で人気のピークを迎え、落ち着いてしまう曲もあります。収録されたとしても、その頃には流行が過ぎています。急に再注目された昔の曲も広まります。まだあまり知られていないアーティストの曲も流行りますが、アプリ側が収録の許可を取ることはまずありません。

これは特定のアプリの問題というより、曲を収録する仕組みから生まれる遅れです。Simply Pianoもflowkeyも、ほかの同種のアプリも、曲ごとに使う許可を取り、編曲者に報酬を払う必要があります。優先されるのは、長く需要が続く曲です。1か月だけ流行する曲には、その手間と費用をかけにくいのです。

流行っているうちに弾きたい曲には、録音そのものを使うツールが向いています。

再生速度を上げた版やナイトコア版ではキーが変わる

再生速度を上げた曲は、原曲とキーが違うことが多いです。レコードを速く回したときと同じで、単純に速く再生すると、ピッチも一緒に上がります。TikTokの音源が原曲より半音1〜4個分高くなっていることもあります。原曲に合わせて覚えたとおりに弾くと、動画の音源よりはっきり低く聞こえます。

再生速度が約1.06倍になるごとに、ピッチは半音上がります。つまり、約6%速い音源はおよそ半音高く、25%速い音源は半音4個分近く高くなります。2000年代初めからあるナイトコアは、再生速度とピッチをそろって大きく上げるスタイルです。歌声は高く、明るい響きになります。

ただし、再生速度を上げた音源がすべてこの方法で作られているわけではありません。ピッチを保ったまま再生速度を変えるタイムストレッチを使ったものもあります。その場合は速くなっていても原曲と同じキーなので、実際に確かめる必要があります。

よくある音源の違いと、練習に使うときの選び方

音源再生速度キー練習に使う目的
リリースされた原曲録音どおり録音どおり1曲全部を覚えたい、原曲の音源に合わせて弾きたい
再生速度とピッチを上げた版速い高い。半音1〜4個分が多い動画の音源にぴったり合わせたい
タイムストレッチで速くした版速い変わらない原曲のキーで、動画のような勢いを出したい
ナイトコアかなり速いかなり高いその独特の響きに合わせたい。最初に選ぶ音源にはあまり向かない
再生速度を落としてリバーブを加えた版遅い低いことが多い落ち着いた雰囲気の版を弾きたい。弾きやすいことも多い

キーの確かめ方

動画に合わせて、単音を弾いてみてください。曲が何度も戻ってくる、落ち着いた感じのする音を探します。フックの最後の音がそれに当たることが多いです。原曲の同じ箇所と比べて音が違えば、動画ではピッチが変わっています。詳しい手順は曲のキーとBPMを調べる方法で説明しています。ピッチを変えずに動画の再生速度を落としたいときは、ピッチを保ったまま音楽をゆっくり再生する方法を参照してください。

どの音源で覚えるか

基本は、リリースされた原曲で覚えるのがおすすめです。音が最もクリアで、配信サービスやほかの演奏者が使うのも原曲です。一度弾ければ、速く弾くために曲を覚え直す必要はなく、演奏のテンポを上げる練習で対応できます。動画の音源に合わせたカバーを投稿したいなら、原曲を覚えてから、動画と同じキーまで上に移調します。

出たばかりの曲の音を取るには

まだ楽譜などがない曲は、録音そのものから音を取ります。短いフックなら耳コピでも十分に取り組めますし、聴き取る過程で学べることも多いです。正確な音をもっと早く知りたいときや、聴いた印象よりコードの動きが複雑な曲には、音声を直接使うツールが役立ちます。数分で弾く音を確認できます。

ピアノロールを見ながら弾く

Anything Pianoでは、TikTok、YouTube、Instagramのリンクや音声ファイルを使えます。耳にした音源そのもののリンクを貼り付けてください。原曲のキーで覚えたいなら、公式に公開された音源のリンクを使います。Anything Pianoはピアノパートを作り、音符が上から降りてくるピアノロールで表示します。

アコースティックピアノでもキーボードでも、マイクを通して演奏を聴き取り、正しく弾けた音と弾けなかった音を表示します。ピアノが入っていない曲からもピアノパートを作れます。流行りの曲の多くが、このケースに当たります。

フックの再生速度を落としたり、同じ部分をループ再生したりして、片手ずつ練習できます。正しい音を弾くまでピアノロールの進行を止めるモードもあります。フィンガリングの表示をオンにすると、音符に指番号が付き、どの指で弾くかが分かります。

楽譜を使いたい場合には向きません。表示されるのはピアノロールで、楽譜はありません。

TikTokのリンクから楽譜を作る

Songscriptionの音声を楽譜に変換する機能は、TikTokのリンクを直接読み込めます。YouTubeやInstagramのリンク、音声ファイルにも対応し、楽譜、MIDI、MusicXMLで書き出せます。印刷して移調や書き込みをしたいなら、こちらが向いています。詳しくはTikTokの音源から楽譜を作る方法で説明しています。

流行りのフックを覚える練習プラン

フックは短いので、数回の練習で全部を覚えられます。大まかに弾いて終わらせず、細かいところまでさらうだけの余裕があります。ゆっくりしたテンポで片手ずつ練習し、きれいに弾けてから速くします。次のプランは、1回20分ほどの練習を想定しています。

  1. 1回目は、聴いて音源を決めます。 よく知っているのはどの版かを確かめ、キーを調べます。フックは、歌えるようになるまで繰り返し聴きます。
  2. 2回目は、右手をさらいます。 メロディーをゆっくり弾きます。歌のフックの多くにあるシンコペーションで拍がつかみにくいときは、先にリズムを手で叩きます。
  3. 3回目は、左手をさらいます。 コードはたいてい2〜4個です。まずルートだけを弾き、次にシンプルな伴奏パターンにします。
  4. 4回目は、両手を合わせます。 元の半分以下の速さで弾きます。
  5. 5回目は、テンポを上げます。 少しずつ速くします。再生速度を上げた音源に合わせるなら、テンポを上げる練習に手間がかかります。

動画を使った練習については、関連ガイドのYouTubeからピアノ曲を覚える方法でも詳しく説明しています。片手ずつピアノを練習する方法では、短いフレーズをさらうときに、左右を分けると時間を節約できる理由を紹介しています。

よくある質問

TikTokで流行る曲をピアノで弾くには、何から始めればいいですか?

まずは動画で使われている10〜15秒のフックから覚えます。その部分を弾くと、何の曲か伝わるからです。よく聴く音源の再生速度が上がっていないかも確認してください。再生速度と一緒にキーも変わっていることがあります。弾く音は録音から取れます。Anything Pianoでは、TikTok、YouTube、Instagramのリンクや音声ファイルからピアノロールを作り、再生速度を落として練習できます。Songscriptionでは、同じリンクから楽譜を作れます。

ピアノで弾くとTikTokの音源より低く聞こえるのはなぜですか?

TikTokの音源が、再生速度を上げたものだからだと考えられます。単純に速く再生すると、ピッチも上がります。約6%速くすると音はおよそ半音高くなり、もっと速くしたものでは元の曲より半音3〜4個分高くなることもあります。原曲をもとに覚えると、動画の音源より低く聞こえます。練習を始める前に、どちらに合わせるかを決めてください。

流行り始めた曲がピアノアプリにないのはなぜですか?

曲を収録するタイプのアプリでは、1曲ずつ編曲したり、曲を使う許可を取ったりするため、時間がかかります。新曲の追加が流行のピークから数週間後や数か月後になることもあり、追加されない曲もあります。急に再注目された昔の曲や、まだあまり知られていないアーティストの曲も流行ります。自分で用意した録音を使うアプリなら、収録を待たずに、初めて聴いたその日から新しい曲に取り組めます。

TikTokで流行る曲のフックは、ピアノで弾きやすいですか?

弾きやすいものが多いです。広まるフックは短く、繰り返しが多く、少ないコードでできています。そうした覚えやすさが、広まる理由でもあります。初心者が耳コピやピアノロールで覚えるのにも向いています。ただし、リズムには気をつけてください。歌のフックにはシンコペーションがよく使われます。動画の再生速度を落とし、弾く前にリズムを手で叩いてみてください。

おわりに

TikTokでは、出版社やピアノアプリが追いつくよりも速く曲が広まります。誰もが知っている音源が、アーティストの録音したキーと違うことさえあります。編曲が出るまで待って頭から最後まで覚えようとすると、流行っている今、その曲を弾く機会を逃してしまいます。

まずは、聴いたその日に15秒ほどのフックから取り組みます。キーを確かめ、録音から音を取り、フックをしっかりさらいます。音を取るのを1か月後まで待つ必要はありません。YouTubeにある音源なら、Anything Pianoで、一緒に弾けるピアノロールを作れます。TikTokにしかない音源なら、Songscriptionがそのリンクから楽譜を作ります。どちらでも、今週みんなが聴いている音源に合わせて弾けます。

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音楽を演奏する人が、演奏する人のために作っています

Songscriptionは、どんな録音も楽譜、MIDI、タブ譜に変換します。この記事を書いているのは、自分たちが欲しかった道具を作っているミュージシャンとエンジニアです。音符には真剣ですが、ダジャレにはもっと真剣です。ときどき滑っても、どうか大目に見てください。

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