チュートリアルピアノロールSongscription•読むのに約8分

YouTube動画でピアノの曲を覚える方法

人気曲の多くにはYouTubeの解説動画があり、原曲の録音ならほとんどの曲が見つかります。どちらも曲を覚えるのに使えますが、見るだけでは練習になりません。

YouTube動画でピアノの曲を練習する様子。音符が降ってくる解説動画、原曲の録音、練習用のピアノロールを比較しています。

YouTube動画でピアノの曲を覚えるには、まず、音符が降ってくる解説動画か原曲の録音のどちらかを選びます。再生速度を半分に落とし、数小節ずつ、片手でさらってから両手を合わせます。速度はYouTubeの設定で変えられます。弾いた音が合っているか確かめたいときは、演奏を聴き取るピアノロールアプリにリンクを貼り付けます。楽譜で練習したいときは、リンクから楽譜を作れます。

動画を使っていて先に進めなくなるときは、練習よりも、動画を見る時間が長くなりがちです。最初から再生し、数秒ごとに止めては巻き戻します。最初の1ページ分を覚える前に、根気が尽きてしまいます。動画を練習の材料として使うには、扱う範囲を短く区切る必要があります。

解説動画と原曲では、聴き取る作業の量も、覚えられるアレンジも違います。動画の作られ方を知っておくと、頼れるところと、自分で確かめるところを判断しやすくなります。リンクからピアノロールや楽譜を作る方法もあり、動画のまま練習する以外の選択肢があります。

開発元について:私たちはSongscriptionを開発しています。同じチームでAnything Pianoも作っています。両方とも私たちの製品ですが、無料の方法だけで十分なこともあります。

解説動画と原曲、どちらで覚えるか

弾きたい曲の解説動画があり、まだ耳で音を探すのが難しければ、解説動画を使うと始めやすくなります。音を聴き取る作業を、作り手が済ませているからです。解説動画がない曲や、好きなところが簡略化されている曲なら、原曲を使います。アーティストが実際に弾いているとおりに覚えたいときも、原曲が頼りになります。

解説動画で弾かれているのは、作り手によるアレンジです。曲を聴き、ピアノで何を弾くかを決め、多くの場合は両手に収まるように音を減らしています。覚える助けにはなりますが、どの音を残すかには作り手の判断が入ります。出来も人によって違い、同じ曲でも動画ごとにアレンジの差がはっきり出ます。

原曲の録音では、目指す演奏をそのまま聴けます。ただ、練習する人に合わせて作られたものではありません。ピアノソロなら、弾かれている音を録音から探せます。バンドの曲では、そもそもピアノが入っていないこともあります。その場合は、ギターやベースライン、歌のメロディーをピアノで表すパートを、人が考えるか、ツールで作る必要があります。音をそのまま写す作業とは違うので、ここでつまずく人が多くなります。

Synthesiaのような解説動画の仕組み

YouTubeで見かける、音符が降ってくる解説動画の多くは、MIDI ファイルをSynthesiaなどで視覚化して録画したものです。色の付いた棒が画面上の鍵盤に向かって降りてきて、鍵盤に届くと、その鍵盤が光ります。楽譜を読まずに追えるので、YouTubeのピアノ動画で広く使われるようになりました。ただ、練習には不便なところもあります。

一つ目は、弾く人を待ってくれないことです。一時停止して数音弾き、再生を再開すると、次のコードに間に合わなくなります。練習時間のかなりの部分を、動画の操作に使うことになります。

二つ目は、指使いが分かりにくいことです。実際に弾いている手が映る動画もありますが、真上からの映像や左右が反転した映像では、どの指でどの鍵盤を弾いているのか分かりにくいことがあります。手がまったく映らない動画も多く、指使いは自分で考えるしかありません。

三つ目は、弾いた音への反応がないことです。動画には演奏を聴き取る機能がありません。左手を半音ずらして1週間弾き続けても、間違いを指摘されません。動画の読み取り方はピアノロールの読み方で、動画に使われるソフトについてはSynthesiaの代わりに使えるアプリで詳しく説明しています。

YouTube動画で1曲を覚える手順

練習の進め方は、先生が紙の楽譜を使って教えるときと同じです。まず聴き、短く区切り、ゆっくり片手ずつさらいます。それから両手を合わせ、少しずつ速くしていきます。動画は、その練習に使う音を確かめるためのものです。ここでは、今の実力より少し難しい曲を、1日20分ほど練習する想定で進めます。

  1. ピアノに触れずに、曲を一度最後まで聴きます。 イントロ、Aメロ、サビ、間奏など、曲の切り替わるところを確かめます。ポップスでは同じ数小節を繰り返す曲が多いので、動画の長さから想像するほど覚える量は多くありません。
  2. 最初にさらう8小節ほどを選びます。 すぐに戻れるよう、動画の開始時刻と終了時刻を控えます。
  3. 再生速度を半分にします。 弾き始める前に、その速さで選んだ部分を2回見ます。
  4. 右手だけをさらいます。 半分の速さの動画に合わせて弾きます。数音ごとに止めず、フレーズの終わりで一時停止します。
  5. 左手だけをさらいます。 左手は右手より単純なことが多く、動画で練習するとつい手を抜きやすいところです。いつ片手の練習を切り上げて両手を合わせるかは、ピアノを片手ずつ練習する方法で説明しています。
  6. 片手のときより遅くして、両手を合わせます。 最初の数回は、片手で弾けていたところでも崩れやすくなります。
  7. 段階的に速くします。 半分の速さから0.75倍速へ、それから元の速さへ進めます。その部分を2回続けてミスなく弾けたら、次の速さに上げます。
  8. 次の部分をさらい、前の部分とつなげます。 1小節重ねて弾くと、切り替わるところも練習できます。この繰り返し方は、曲を短く区切って覚える方法で詳しく説明しています。

YouTube動画の再生速度を落として練習する

動画の設定メニューで、再生速度を変えます。YouTubeには0.25倍速までの設定と、速度を細かく変えるスライダーがあります。ピッチは変わらないので、原曲と同じキーで練習できます。初めてさらうところは0.5倍速にし、元の速さに戻す途中で0.75倍速を挟むと進めやすくなります。それより遅くすると、音がぼやけやすくなります。

再生速度を落とすほど、音質も下がります。ピアノの長く伸ばす音は比較的はっきり聴こえますが、速いフレーズやドラムは、かなり遅くすると音がにじみます。最低速度まで落としても、必ずしも練習しやすくなるわけではありません。もっと細かく調整したいときや、明瞭な音で聴きたいときは、音楽の再生速度を落とすアプリの比較で専用ツールを探せます。

曲に追いつこうとするより、弾ける速さまで再生速度を落としてください。元の速さで音を間違えながら弾くと、その間違いを繰り返し練習することになります。一度覚えた間違いを直すほうが、最初から避けるより手間がかかります。

動画だけでは練習しにくければ、リンクからピアノロールや楽譜を作れます。演奏を聴き取り、どの音を弾けなかったか示すピアノロールと、印刷して書き込み、手元に残せる楽譜が選択肢です。どちらもYouTubeのURLを貼り付けて作れます。

弾いた音を確かめられるピアノロール:Anything Piano

Anything PianoにYouTubeのリンクか音声ファイルを渡すと、その録音から、音符が降ってくるピアノロールを作れます。見た目はSynthesiaの解説動画と同じですが、二つ違いがあります。

一つは、マイクかMIDI キーボードを通して演奏を聴き取ることです。電子ピアノでもアコースティックピアノでも使え、合っていた音と弾けなかった音が、その場で表示されます。

もう一つは、誰も解説動画を作っていない曲でも使えることです。ピアノが入っていない曲なら、原曲の雰囲気が伝わるピアノパートを作ります。片手ずつの練習や、再生速度の調整もできます。曲は練習する部分ごとに分かれ、どこまで進んだかも表示されます。指番号の表示をオンにすると、音符に指番号が付きます。真上からの手元映像では分かりにくい、どの指を使うかも確認できます。

Anything Pianoで表示されるのはピアノロールです。楽譜は表示されません。

楽譜で練習する:Songscription

YouTube動画を楽譜に変換するツールでは、同じリンクからピアノパートを楽譜にできます。MIDIとMusicXMLでの書き出しに対応し、録音と違うところはエディターで直せます。ただ、楽譜は演奏を聴き取りません。弾いた音が合っているかどうかは、自分の耳で確かめる必要があります。

YouTube動画でピアノの曲を覚える方法を、使える形式、演奏への反応、練習で困りやすい点で比較しています。

方法使えるもの弾いた音の確認困りやすい点
音符が降ってくる解説動画作り手のアレンジを収めた動画なし正確さに差があり、何度も一時停止が必要です
原曲を耳で聴き取る聴き取れれば、実際に演奏されているパートなし時間がかかり、始めたばかりの人には難しい方法です
リンクからAnything Pianoで作るその録音をもとにしたピアノロール合っていた音と弾けなかった音をその場で表示楽譜は表示されません
リンクから楽譜を作る印刷用の楽譜、MIDI、MusicXMLなし楽譜を読む必要があります

なかなか進まなくなる練習の癖

よくあるのは、毎回動画を最初から最後まで再生することです。練習した感じはしますが、繰り返しさらっているのは最初の1ページ分ばかりです。短い範囲を選び、そこを弾けるようにしてから次へ進みます。毎回最初に戻らないほうが、曲全体を早く覚えられます。

最初に見つけた解説動画を、そのまま信じて使うのもつまずく原因です。2〜3本探し、それぞれ8小節ほど原曲と聴き比べます。無理なく弾ける難しさで、録音に近く聴こえるものを選んでください。

メロディーを弾くのが楽しくて、右手だけを覚えてしまうこともあります。最後に左手を合わせようとして、左手をまださらっていなかったと気づきます。左手がコードを伸ばすだけでも、最初の部分から、それぞれの手をさらう時間を取ってください。

よくある質問

YouTubeで本当にピアノの曲を覚えられますか?

はい。独学でピアノを弾く人の中には、レパートリーの大半をYouTubeで覚えた人もいます。ただ、動画は、弾いた音が合っているかどうかを教えてくれません。数小節ずつに区切る、再生速度を落とす、片手ずつさらってから両手を合わせる、といった練習の進め方を自分で決める必要があります。それがないと、解説動画を見て上達した気になっても、実際にはあまり身についていません。

YouTubeのSynthesia動画は正確ですか?

正確な動画もありますが、作り手によって差があります。音符が上から降ってくる動画は、誰かがその曲をアレンジしたものです。弾きやすく簡略化されていたり、曲の構成が変わっていたりします。聴き取りにくい左手の音が間違っている動画もあります。1週間かけて練習する前に、数小節を原曲と聴き比べてください。降ってくる音符と実際の手元を一緒に見られる動画がおすすめです。

YouTubeのピアノ解説動画をゆっくり再生するには?

動画の設定メニューを開き、再生速度を変えます。YouTubeでは、ピッチを変えずに通常の4分の1まで遅くできます。初めてさらうところは0.5倍速から始め、元の速さに戻す途中で0.75倍速を挟むと練習しやすくなります。もっと細かく速度を変えたいときは、再生速度を落とす専用アプリを使うと、細かく調整でき、音も明瞭です。

YouTube動画を楽譜にできますか?

はい。SongscriptionのYouTube動画を楽譜に変換するツールにリンクを貼り付けると、ピアノパートを楽譜、MIDI、MusicXMLにできます。印刷や編集にも使えます。楽譜を読むより、弾いた音が合っているか確かめながら曲に合わせて練習したいなら、Anything Pianoに同じリンクを貼り付けます。マイクで演奏を聴き取るピアノロールが作れます。

おわりに

教則本では見つからない曲でも、YouTubeなら、ほとんどの曲を画面で再生して無料で聴けます。ただ、先生のように練習の進め方を見てくれる人はいません。解説動画を見ていると、まだ弾けないところをさらうより、最初から通す癖が付きやすくなります。先生なら、そうした練習をまず止めます。動画で音は確かめられますが、どこをどう練習するかは自分で決める必要があります。

動画は、鑑賞するより楽譜のように使ってください。短く区切り、再生速度を落とし、片手ずつさらってから両手を合わせます。弾きたい曲の解説動画がないときや、正しく弾けているか確かめたいときは、リンクから演奏を聴き取るAnything Pianoのピアノロールを作れます。印刷して練習するなら、Songscriptionで楽譜にできます。どちらの方法でも、弾きたいと思った曲をそのまま練習に使えます。

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音楽を演奏する人が、演奏する人のために作っています

Songscriptionは、どんな録音も楽譜、MIDI、タブ譜に変換します。この記事を書いているのは、自分たちが欲しかった道具を作っているミュージシャンとエンジニアです。音符には真剣ですが、ダジャレにはもっと真剣です。ときどき滑っても、どうか大目に見てください。

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