この記事はさまざまな楽器を採譜するためのガイドの一部です。
手作業では何時間もかかっていたピアノの採譜が、AIを使えば数分でできるようになりました。音声ファイルをアップロードし、結果を確認して、楽譜やMIDIを書き出します。使いやすい楽譜になるか、1時間かけて修正することになるかは、主にアップロードの前後に何をするかで変わります。
音源を準備し、ツールを選んで採譜を実行したら、結果を編集します。最後に、次の作業に合った形式で書き出します。
始める前に用意するもの
採譜の精度を大きく左右するのは音源の品質です。どのピアノ採譜ツールでも、ピアノのソロ録音が最も扱いやすい音源です。他の楽器が入っていると、間違いは増えます。ピアノだけを採譜するより、ベースやドラムセットの音と分けるほうが難しいためです。軽い伴奏が入っている程度なら、たいていうまくいきます。
どんな音源でも、次の準備が役立ちます。
- できる範囲で余分なリバーブや背景ノイズを取り除きます。 簡単なノイズ除去なら数分で済み、スマートフォンで録音した音源では違いがはっきり分かります。
- 短いクリップに分けます。 処理が速くなり、確認もしやすくなります。長い曲を区切って採譜すれば、何ページもの楽譜を一度にスクロールせず、部分ごとに間違いを見つけられます。
ステップ1:AIのピアノ採譜ツールを選ぶ
AIの採譜ツールは数多くあります。その多くはピアノ専用ではなく、どんな楽器にも対応する汎用ツールです。ピアノを採譜すると、その違いが結果に表れます。
Songscriptionはピアノの採譜に特化しています。左右の手で弾く音をある程度の精度で分け、ピアノの録音ならではの構成を捉えます。ピアノロールエディターでは、元の音源を再生しながら採譜結果を確認できます。ツールを比較したいときは、AI採譜ソフトのまとめも参照してください。
ステップ2:音声ファイルをアップロードする
Songscriptionのアップロード欄にファイルをドラッグします。MP3、WAV、M4Aをはじめ、一般的な形式のほとんどに対応しているので、変換は必要ありません。
長い曲は、まず音の多い複雑な部分をクリップにして採譜してみてください。そこがきれいに採譜できれば、残りもスムーズに進みます。修正が多く必要かどうかも、曲全体に時間をかける前に分かります。アップロードが終わると、ファイルが長さとともに一覧に表示されます。ほとんどのファイルはすぐにアップロードできます。
ステップ3:採譜を実行する
採譜を開始すると、モデルが音源を解析し、ピアノの一つひとつの音とそのタイミングを識別します。処理時間はファイルの長さや、音の多さに応じて変わります。
完了すると、操作しながら確認できるピアノロールが表示されます。PDF、MIDI、MusicXML、Guitar Proのファイルもダウンロードできます。PDFはそのまま印刷や共有ができ、MusicXMLは多くの楽譜作成ソフトで開いて編集できます。採譜したデータをDAWに取り込むならMIDIを使います。
ステップ4:結果を確認して編集する
採譜結果を元の音源と聴き比べ、思ったとおりに聞こえるか確認します。違和感があるところはエディターで直します。自分の耳を頼りにしてください。再生して音がおかしいと感じたところが、修正する箇所です。
必要に応じて音を減らす
音の多い部分では、部屋の音や録音自体に含まれる余分な音を拾うことがあります。聴こえている音楽に必要のない音符は削除します。楽譜を見づらくするだけの音符も同じです。元の演奏の雰囲気に合うように音を減らし、再生して確認します。通して弾くとつかえるところがあれば、さらに音を減らしてみてください。
ステップ5:楽譜やMIDIを書き出す
採譜結果を整えたら、次に何をするかに合わせて書き出し形式を選びます。Songscriptionでは4種類を使えます。
- PDFの楽譜: そのまま印刷や共有ができ、ピアノを弾くときの楽譜として使えます。
- MIDI: 音楽制作に使う形式です。DAWに取り込んで、他の楽器を加えたり、アレンジを作ったりできます。録音からMIDIに変換するガイドで詳しく紹介しています。
- MusicXML: 多くの楽譜作成ソフトで開いて編集できます。ピアノの楽譜をPDFに書き出すガイドには、どの形式にも役立つ書き出し前の確認項目があります。
- Guitar Pro: Guitar Proを使っている人向けの形式です。
複数の形式で書き出す人も多くいます。たとえば練習用のPDFと、後で編集するためのMusicXMLを同じ作業の中で書き出せます。
手早く仕上げるためのヒント
- ツール選びより音源のきれいさが大切です。 できる範囲で、アップロード前に音源を整えます。
- バンド全体のミックスからピアノを分けられないときは、 ピアノの音が最も大きく聞こえる部分に絞ります。
- 長い曲は短く区切ります。 間違いを見つけて直しやすくなります。
最後に
AIでピアノを採譜すると、時間をかける作業が変わります。今は音符を楽譜に起こすより、結果を確認する作業に時間がかかります。どの音を残し、どこを簡単にするかを決め、聴こえた音と採譜結果が合っているかを確かめます。ツールが作った下書きを聴いて判断し、楽譜を仕上げるのは、今も演奏する人です。
採譜結果の確認も、採譜の作業の一部です。採譜結果をよく聴いて整えていくと、ただ聴いていたときや採譜結果をそのまま使うだけでは気づかなかった、元の録音の細部が見えてきます。時間を節約できることに加えて、そうした発見もこのやり方の魅力です。
よくある質問
AIでピアノ曲を採譜するにはどうすればよいですか?
AIのピアノ採譜ツールに音声ファイルをアップロードし、採譜を実行します。ピアノロールで元の音源と照らし合わせて確認し、楽譜やMIDIを書き出します。今は音符を楽譜に起こすより、どの音を残し、どこを簡単にするかを確認する作業に時間がかかります。音源がクリアなほど精度は上がり、特にピアノのソロ録音が適しています。
AIでピアノを採譜するには、どんな音源が適していますか?
ピアノのソロ録音が最も採譜しやすく、きれいな結果が得られます。他の楽器が入った音源では、ピアノだけを採譜するよりも、ミックス全体からピアノを分けるほうが難しいため、間違いが増えます。余分なリバーブや背景ノイズを取り除き、短いクリップに分けると、精度が上がり、結果も確認しやすくなります。
採譜したピアノ曲はどの形式で書き出せますか?
SongscriptionではPDF、MIDI、MusicXML、Guitar Proに書き出せます。PDFはそのまま印刷や共有ができ、MusicXMLは多くの楽譜作成ソフトで開いて編集できます。採譜したデータをDAWに取り込むならMIDIを使います。練習用にPDF、後で編集するためにMusicXMLというように、一度に複数の形式で書き出す人も多くいます。
