音楽の採譜・楽譜作成ツールのおすすめガイドの関連記事です。
ギターのパートを耳コピしていると、ゆっくり再生しながらフレット番号を書き留め、聴き直して確かめるだけで午後が終わることもありました。AIギタータブ譜作成ツールなら、録音やYouTubeリンクを渡すと、数分で演奏に使えるタブ譜ができます。こうしたツールで採譜できるようになった今は、どれを選び、どこまで任せるかが気になります。
今回は、採譜の精度、出力形式、使い道から3つのAIギタータブ譜作成ツールに順位を付けました。私たちは、その一つであるSongscriptionを開発しています。その立場が評価に関わるところは明らかにし、別のツールが向いている用途も率直に伝えます。
3つのツールをひと目で比較
- Songscription:一度のアップロードからGuitar Pro、MusicXML、MIDI、PDFを書き出せます。今回の3つの中で、出力形式が最も豊富なのが強みです。書き出す前にピアノロールエディターで音符を修正できます。別のソフトへ持ち込めるファイルが必要なときに向いています。
- Klangio Guitar2Tabs:KlangioのDAWプラグインとAPIも使える、ギター向けの採譜ツールです。DAW内で採譜したいときや、自作のソフトに採譜機能を組み込みたいときに向いています。
- Songsterr AI:人が作った膨大なタブ譜に、AI採譜を追加しています。知っている曲のタブ譜を読みながら、一つのアプリで練習する使い方が中心なら向いています。
ギターの採譜にAIが使われる理由
同じ数秒を何十回も繰り返し、聴こえた音を書き留め、チョーキングの音程を何度も確かめます。AIタブ譜作成ツールは、この時間のかかる最初の採譜を引き受けます。
ツールごとの差が出るのは、できたタブ譜を使う段階です。Guitar Proで開いたり、録音中のセッションに読み込んだりできるファイルを出せるものもあれば、ブラウザーで見るだけのものもあります。一般的なツール比較ではあまり掘り下げられない違いですが、使い道を左右するため、今回はここを軸に比較しています。
AIギタータブ譜作成ツールとは
AIギタータブ譜作成ツールは、音声で学習した機械学習モデルを使い、ギターの録音を聴いてタブ譜にするソフトです。曲を入力すると、読んで演奏できるタブ譜が返ってきます。
入力方法はツールによって違います。Songscriptionは、音声ファイルのアップロード、YouTubeリンク、その場での録音など、幅広い入力に対応し、一度に複数の楽器を採譜します。SongsterrのAIには、YouTubeリンクか音声ファイルを渡します。
出力形式によって、その後にできることも変わります。Guitar Pro、MIDI、MusicXMLなら楽譜作成ソフトなどで編集できますが、作成したアプリの中でしか読めないタブ譜もあります。採譜の精度は、入力する音源にも左右されます。ギター単独の明瞭なフレーズは、歪んだ音に埋もれた複雑なコード進行よりも、ずっと正確に採譜できます。録音の質とモデルの学習の質が、どちらも結果に関わります。
2026年のおすすめAIギタータブ譜作成ツール3選
今回の順位では、採譜したファイルを取り出して、普段使っているソフトへ移せるかを重視しました。どれほど正確なタブ譜でも、書き出せないビューアーの中にしか残せなければ、使い道が限られます。
1. Songscription
Songscriptionを1位にした理由は、ギター専用ツールの多くで制約になる書き出しに、幅広く対応しているからです。録音するか音声をアップロードすると、採譜結果をGuitar Pro、MusicXML、MIDI、PDFでダウンロードできます。今回取り上げたほかのツールには、一連の操作でこれだけの形式を出力できるものはありません。
概要
ギターだけでなく、複数の楽器を採譜できます。出力形式は4種類で、採譜後のほぼあらゆる用途に対応します。AIの処理が終わったら、ピアノロールエディターで音符を確認し、修正できます。BillboardとMusicRadarでも紹介されています。
向いている使い方
Guitar Proで開く、DAWに読み込む、楽譜作成ソフトに取り込むといった用途にはSongscriptionが向いています。特に役立つのがMusicXMLとMIDIです。採譜結果を見て終わらず、そのまま編集やアレンジを続けたり、印刷したりできます。
長所
- 一度のアップロードからGuitar Pro、MusicXML、MIDI、PDFをすべて書き出せます。競合の多くは形式を一つ選ぶ必要があるか、ほかの形式の利用が制限されています。
- MusicXMLで書き出せば、Sibelius、MuseScore、Doricoに採譜結果を読み込んで編集を続けられます。
- MIDIで書き出せば、同じ音符をAbleton、Logicなど、普段使っているDAWにそのまま読み込めます。
- PDFで書き出せば、そのまま印刷できる楽譜を譜面台に置けます。
- クレジットカードの登録なしで始められます。30秒の採譜は無料なので、支払う前にリフを使ってモデルの精度を確認できます。間違った音符は、書き出す前にピアノロールエディターで修正できます。
制約
- 複雑なフレーズは、エディターで手直しが必要になることがあります。この点は、今回取り上げたすべてのツールに共通します。
- 無料プランはプレビューのみです。曲全体のGuitar Pro、MusicXML、MIDIファイルをダウンロードするには、有料プランが必要です。無料で何度でも書き出すためのプランではなく、契約前に試すためのものです。
2. Klangio Guitar2Tabs
KlangioのGuitar2Tabsは、ギターに重点を置いた採譜ツールです。入力方法にもその方針が表れています。その場で録音する、ファイルをアップロードする、YouTubeリンクを貼り付けるという方法で、音声からタブ譜を作れます。
概要
タブ譜、MIDI、MusicXML、Guitar Proファイルを出力でき、採譜結果を楽譜作成ソフトやDAWへ移せます。KlangioはモバイルアプリとDAWプラグインも公開しています。アプリストアでの評価はあまり高くないため、主にスマートフォンやタブレットで使うなら、選ぶ前に考慮したい点です。
長所
- DAWプラグインと公開APIがあります。録音ソフト内で採譜したり、自作の製品に採譜機能を組み込んだりできます。
- YouTubeを含む3通りの入力方法があります。
- チケットを使って曲全体を採譜すると、Guitar Pro、MusicXML、MIDIを書き出せます。
- Rock Modeをオンにすると、Guitar Pro形式で書き出したファイルにチョーキングやスライドが反映されることがあります。ただし、実際には検出にばらつきがあります。
制約
- Klangioは音自体を正しく拾えていても、弦やフレットの割り当てが実際の弾き方に合わないことがあります。思った以上にタブ譜の手直しが必要になる理由です。
- 無料デモは約20秒までです。料金はチケット制なので、シンプルな月額プランを使いたい場合は手間に感じられます。
3. Songsterr AI
Songsterrは、多くのギタリストになじみのあるタブ譜ライブラリーで知られるようになりました。AI生成は、後から加わった機能です。無料プランでは制限付きで使え、SongsterrのPlusサブスクリプションでは全面的に利用できます。
概要
100万件を超えるタブ譜があるライブラリーに、YouTubeリンクやアップロードしたファイルから採譜するAIを組み合わせています。音源を渡すと、数分でギター、ベース、ドラムのタブ譜ができます。
向いている使い方
既存のタブ譜をたくさん使いつつ、AI採譜も使いたいならSongsterrが向いています。知っている曲を弾いて覚えることが多く、ときどきライブラリーにない曲の採譜が必要になる人に合う組み合わせです。
長所
- ライブラリーにある100万件以上のタブ譜は、コミュニティーから投稿された、人が作ったものです。AIだけで採譜するツールにはない、一定の信頼性があります。
- リアルなギター音で再生でき、タブ譜を見ながら、弾く前に音を確かめられます。
- AI採譜では、ギター、ベース、ドラムを一度にタブ譜にできます。
制約
- MusicXMLを書き出せないため、採譜結果をそのまま楽譜作成ソフトへ移して、編集やレイアウトの調整をすることはできません。PlusではMIDIとGuitar Proを書き出せますが、基本はSongsterrのアプリ内でタブ譜を読み、練習する使い方です。別のソフトへファイルを渡すことが中心ではありません。
- ライブラリーのタブ譜は利用者からの投稿で、Songsterrが内容を確認したものではありません。質は曲によって違います。
多くのツールの中でSongscriptionを選ぶ理由
Songscriptionの強みは、採譜が終わったあとにできることの多さです。ブラウザーで読むだけでなく、使いたいエディターで開いて、続きを編集できます。
書き出す前には、ピアノロールでAIの採譜結果を確認できます。間違った音を目で見つけて、すぐに直せます。Guitar Proと組み合わせて使う流れは、音声からギタータブ譜を作るガイドで、採譜から編集できるタブ譜への受け渡しまで説明しています。ギター以外の楽器も含めて比較したい場合は、おすすめの採譜ソフトで、AI採譜と採譜を補助するツールを取り上げています。
評価の基準
採譜を最後まで進めて、実際に使えるファイルを取り出せるか。その判断に関わる項目で、3つのツールに順位を付けました。
最初に見たのはAIの採譜機能です。今回の3つは、いずれも実際に音声を採譜します。次に重視したのが出力形式の幅で、Guitar Pro、MusicXML、MIDI、PDFを書き出せるツールを、対応形式が限られるものより高く評価しました。ウェブ、デスクトップ、モバイルで使えるかも、評価に含めています。
これは実用面での比較で、条件をそろえた精度検証ではありません。どれが合うかは、実際に使う録音とソフトによって変わります。
選ぶときに確かめたいこと
AIギタータブ譜作成ツールは、採譜そのものの精度では差が縮まってきています。ギター単独の明瞭なフレーズなら、多くのツールで手直しの土台になるタブ譜ができます。差が出るのは、その後です。どの形式のファイルを取り出せるか、間違いをどれくらい直しやすいか、普段のソフトで使えるかを確かめる必要があります。
再生速度を落として繰り返し聴けて、編集もできるタブ譜は、見るだけのタブ譜よりも実際の作業に役立ちます。採譜後も作業を続けるなら、その次の工程で使える出力形式を選んでください。支払う前に手元の録音で試すと、使い方に合うかを確かめられます。結果は完成した楽譜ではなく、手直しの土台として扱います。書き出したファイルを編集や演奏に活用したい多くのギタリストにとって、Songscriptionのギタータブ譜作成ツールは、最初に試す候補になります。
よくある質問
おすすめのAIギタータブ譜作成ツールは?
タブ譜の使い道によって選び方が変わります。書き出せる形式の幅で1位にしたのはSongscriptionです。一度のアップロードからGuitar Pro、MusicXML、MIDI、PDFを書き出せて、その前にエディターで音符を修正できます。DAWプラグインやAPIが必要ならKlangio Guitar2Tabsが向いています。Songsterr AIは、人が作った大量のタブ譜にAI採譜を組み合わせています。知っている曲のタブ譜を読みながら、一つのアプリで練習したいときに向いています。
Guitar ProとMusicXMLを書き出せるAIギタータブ譜作成ツールは?
Songscriptionは、一度のアップロードからGuitar Pro、MusicXML、MIDI、PDFを書き出せます。Klangio Guitar2Tabsも、タブ譜、MIDI、MusicXML、Guitar Proに対応しています。SongsterrはMusicXMLを書き出せないため、採譜結果をそのまま楽譜作成ソフトへ移せません。PlusではMIDIとGuitar Proを書き出せますが、基本はSongsterrのアプリ内でタブ譜を読み、練習する使い方です。
これらのAIギタータブ譜作成ツールは無料で試せますか?
制限はありますが、無料で試せます。Songscriptionはクレジットカードの登録なしで始められ、30秒の採譜が無料です。有料プランを契約する前に、リフを使って精度を確認できます。ただし、曲全体のファイルをダウンロードするには有料プランが必要です。Klangioの無料デモは約20秒までです。SongsterrのAI生成は無料プランでも制限付きで使え、Plusのサブスクリプションで全面的に利用できます。