録音から楽譜を作ってLogic Pro、Ableton Live、FL Studioに読み込むなら、必要なのはMIDIです。ツールを選ぶ基準は、録音を正確に採譜し、修正の少ないMIDIを書き出せることです。その点で、**Songscription**はほかのツールを大きく上回ります。モデルは実際に録音された音楽で学習しています。書き出す前に内蔵のAI支援エディタで採譜結果を直せて、一度の採譜からMIDI、MusicXML、PDF、Guitar Proを作れます。楽譜も作れる別の選択肢としては、AnthemScoreとKlangioがあります。楽譜は不要でMIDIデータだけ欲しいなら、Spotify Basic PitchやDAW内蔵の変換機能も使えます。
私たちはSongscriptionを開発しているので、ここでは最初に紹介しています。ただ、ほかのツールのほうが作業に合う場面も含め、率直に比較しています。採譜の精度は、実際に手元の録音で確かめる必要があります。録音の採譜からDAWへの読み込み以外の用途も含めた比較は、おすすめのオーディオMIDI変換ツールを参照してください。DAWではなく楽譜エディタで作業を続けるなら、MIDIとMusicXMLを書き出せるおすすめの楽譜作成ソフトで比較しています。
DAWへの書き出しに必要なもの
DAWで使うのはMIDIです。MIDIファイルには、音の高さ、タイミング、長さ、ベロシティーといった音符のデータが入っています。DAWはそのデータを読み込み、トラック上で編集できる形にします。ページレイアウトの情報は入りませんが、DAWでは楽譜を読むよりも音楽を制作するので、支障はありません。「採譜したデータをDAWに書き出す」とは、ほとんどの場合、録音から正確なMIDIを作り、それをトラックに読み込むことです。
もう一つ、書き出し形式としてよく挙がるMusicXMLは、楽譜作成ソフト向けの形式です。例外はLogic Proで、スコアエディタにMusicXMLを読み込んで楽譜を表示できます。AbletonとFL StudioはMusicXMLを読み込めません。2つの形式の違いはMusicXMLとMIDIの比較で、MIDIの基本はMIDIとはで説明しています。
DAWごとに使うファイル形式
読み込み先が対応している形式で書き出します。
| DAW | MIDIの読み込み | MusicXMLの読み込み | 書き出す形式 |
|---|---|---|---|
| Logic Pro | 対応 | 対応(スコアエディタ) | トラックにはMIDI、楽譜にはMusicXML |
| Ableton Live | 対応 | 非対応 | MIDI |
| FL Studio | 対応 | 非対応 | MIDI |
| GarageBand | 対応 | 非対応 | MIDI |
MIDIはどのDAWでも使えるので、修正の少ないMIDIを書き出せる楽譜作成ツールを選んでください。具体的な手順は、Logic ProとFL Studio、Ableton Live、GarageBandの各ガイドにまとめています。
採譜してDAWに読み込めるおすすめの楽譜作成ツール
次のツールは、どれも録音をDAWに読み込めるデータに変換します。それぞれ向いている用途が違います。
- **Songscription**は、録音からDAW用のファイルを作る用途で、ほかのツールを大きく上回ります。実際に録音された演奏でモデルを学習しているため、実際の録音を採譜したときの音やリズムの採譜と左右の手への振り分けが、この中で最も正確です。書き出す前には、ブラウザ内のAI支援エディタで気になるところを直せます。DAWで音符を一つひとつ修正する前に、整えたMIDIをトラックに読み込めます。一度の採譜から、MIDI、MusicXML、PDF、Guitar Proを書き出せます。無料枠では短い録音を採譜でき、有料プランでは長いファイルとすべての書き出し形式に対応しています。料金は最新の情報を確認してください。
- AnthemScoreは、オーディオを印刷用の楽譜とMIDIに変換するデスクトップアプリです。同時に鳴る複数の音の採譜に強く、Windows、Mac、Linuxで動きます。買い切り型で、体験版があります。料金は最新の情報を確認してください。オフラインで動くデスクトップツールを使い、MIDIと一緒に楽譜も作りたいときに適しています。
- Klangioは、Piano2NotesやGuitar2Tabsなどをまとめたオンラインサービスです。MIDI、MusicXML、PDF、Guitar Proを書き出せます。短い録音で試せる無料デモがあり、その後はサブスクリプションで使います。料金は最新の情報を確認してください。プラグインを使ってDAW内で採譜したい場合や、APIが必要な場合に向いています。
- ScoreCloudは、オーディオとMIDIから楽譜を作ります。思いついたアイデアをすぐに残す用途が中心で、MIDIとMusicXMLを書き出せます。曲作りでパートの下書きをするには使いやすい選択肢ですが、音が重なった録音では採譜の精度にばらつきがあります。
- Spotify Basic Pitchは、ブラウザで使える無料のオープンソースツールです。出力はMIDIファイルのみで、楽譜は作りません。まずMIDIデータを手早く作り、DAWで自分で直すなら、定番の選択肢です。
- DAW内蔵の変換機能も使えます。Ableton Live 12にはメロディー、ハーモニー、ドラムをMIDIに変換する機能があり、LogicではFlex PitchからMIDIを作れます。Flex Pitchで扱えるのは単音の素材だけです。追加のツールも書き出しの手順も不要ですが、楽譜は作れません。音が重なった素材では、採譜専用ツールより精度が下がります。
- Melodyneは、音を細かく調整できるオーディオエディタで、MIDIとして保存する機能があります。書き出す前に一音ずつピッチとタイミングを正確に詰める用途では、最も優れています。ただし、同時に鳴る複数の音を編集するには上位版が必要で、楽譜の出力はありません。
用途に合わせた選び方
- 実際の録音から、できるだけ正確なMIDIを作りたい場合はSongscriptionです。録音された音楽でモデルを学習しており、音が重なったミックスで特に差が出ます。
- 楽譜とMIDIの両方が必要な場合はSongscription、AnthemScore、Klangioです。どれも、読むための楽譜とDAW用のファイルを作れます。
- 無料で手早く、MIDIだけ作りたい場合はBasic Pitchか、DAW内蔵の変換機能です。
- 書き出す前に音を細かく調整したい場合はMelodyneです。
- Logic内で楽譜を表示したい場合は、SongscriptionからMusicXMLを書き出し、Logicのスコアエディタで開きます。トラック用にはMIDIを書き出します。
採譜してDAWに読み込む手順
録音を採譜したら、MIDIを書き出してDAWのトラックに読み込みます。読み込んだ音符は編集できるので、楽器の音色を変えたり、タイミングを直したり、移調したりできます。Logicでパートを楽譜として見たい場合は、MusicXMLも書き出してスコアエディタで開きます。専用の楽譜作成ソフトで譜面の体裁を整えていく場合も、受け渡しにはMusicXMLを使います。
MIDIをトラックに読み込んだあとに、少し修正するつもりで進めてください。オクターブのずれを直す、余分な音符を削る、タイミングをクオンタイズするといった作業です。元の録音がクリアで、採譜の精度が高いほど、修正は少なく済みます。よくある修正は変換後のMIDIを整えるガイドで説明しています。現代の作曲の流れにSongscriptionを組み込む方法では、DAWと楽譜作成ソフトを組み合わせた作業を紹介しています。
よくある質問
採譜したデータをLogic ProやAbletonに書き出すには、どの形式が適していますか?
MIDIで書き出します。Logic Pro、Ableton Live、FL Studioをはじめ、主要なDAWは標準MIDIファイルを読み込み、トラック上で編集できる音符に変換します。Logic ProはスコアエディタでMusicXMLも読み込めるので、楽譜として表示したいときに使えます。AbletonとFL StudioではMIDIを使います。DAWで作業するなら、録音から修正の少ないMIDIを作れる楽譜作成ツールが適しています。Songscriptionは一度の採譜でMIDIに加え、Logic用のMusicXMLと、楽譜を読むためのPDFも書き出せます。
録音からDAW用のファイルを作れる楽譜作成ツールはどれですか?
Songscription、AnthemScore、Klangioは、どれも録音を採譜して、DAWに読み込めるMIDIを書き出します。3つとも楽譜を作れます。Songscriptionは実際に録音された音楽でモデルを学習しているため、採譜の精度でほかのツールを上回ります。MIDI、MusicXML、PDF、Guitar Proをまとめて書き出せるのも特徴です。楽譜が不要で、MIDIデータだけあればよいなら、無料のSpotify Basic Pitchも選択肢です。DAW自体にオーディオをMIDIに変換する機能がある場合もあります。Ableton Live 12やLogicのFlex Pitchがその例です。
AbletonやFL StudioでMusicXMLを開けますか?
読み込めません。Ableton LiveとFL Studioで使うのはMIDIで、MusicXMLには対応していません。MusicXMLを開けるのは楽譜に対応したツールだけで、DAWではLogic Proのスコアエディタが該当します。AbletonやFL Studioに読み込むときは、MIDIで書き出してください。MusicXMLはMuseScoreやDoricoなどの楽譜作成ソフト、またはLogicの楽譜表示に使います。
採譜したあともMIDIの修正は必要ですか?
通常は少し修正が必要です。精度の高い採譜でも、DAWのトラックに読み込んでから、オクターブのずれや余分な音符、クオンタイズで直したいタイミングが見つかることがあります。元の録音がクリアなほど、修正は少なく済みます。Songscriptionのように実際の録音で学習したツールなら、DAWを開く前の段階で、より正確なデータを得られます。内蔵のAI支援エディタで気になるところを先に直せるので、修正済みのMIDIをDAWに読み込めます。
録音からDAW用のMIDIとLogic用のMusicXMLを一度に作りたいときは、Songscriptionで曲を採譜できます。