「初心者向けの楽譜作成ツール」を探す人は、大きく二つのタイプに分かれます。少し楽譜が読めて、操作を覚えるのに苦労せず楽譜を書きたい人と、まだ読めないけれど別の方法で楽譜を作りたい人です。
それぞれに合うツールは大きく違います。両方をひとまとめに紹介した記事を頼りにすると、楽譜を読めない人が、使い方の分からないソフトの空白の譜表を前にすることにもなります。
私たちはSongscriptionを作っています。Songscriptionは後者に合うツールです。前者には普通の楽譜作成ソフトが向いている場面もあります。
どちらの初心者ですか?
楽譜を少しでも読めて、自分で音楽を書き留めたいなら、楽譜作成ソフトが候補です。その中から使いやすいものを選べます。
まだ楽譜を読めず、それでも楽譜を作りたいなら、楽譜作成ソフトは向いていません。どのソフトでも、まだ読めない譜表に自分で音符を置く必要があるからです。演奏や歌、アップロードした音源から楽譜を作るツールを選んでください。
ツールを選ぶ前に、楽譜を自分で書きたいのか、音から作りたいのかを確かめておくと選びやすくなります。
使いやすい楽譜作成ソフト
Flat.ioは、多くの初心者にとって始めやすいソフトです。すべてブラウザで動くので、インストールは必要ありません。画面はすっきりしていて、作った楽譜の再生やリアルタイムでの共同編集もできます。共同編集は、学ぶ人と教える人の間でも役立ちます。無料プランには初心者に必要な機能がそろっており、有料プランと教育向けプランでは、作れる楽譜の数や書き出しの選択肢が増えます。すぐに楽譜を書き始めたいなら、まず試したいツールです。
Noteflightもブラウザで使え、初心者に分かりやすいソフトです。チュートリアルが充実していて、教育にも力を入れています。無料プランで作れる楽譜は少数に限られますが、学び始めには十分です。後で楽譜が増えたら、アップグレードを検討できます。
MuseScore 4は無料の中でも機能が充実しており、サブスクリプションなしで使えます。デスクトップソフトで、画面に表示される機能が多いため、使い始めに覚えることは少し多めです。その分、慣れてからも幅広く使えます。3つのソフトについては、無料の楽譜作成ソフトの比較で詳しく紹介しています。
3つに共通するのは、譜表に自分で音符を入力することです。何を置いているか分かる程度には楽譜を読む必要があります。少し読める人にとっては、その入力自体が読む力を伸ばす練習になります。まだまったく読めない人は、次の次のセクションを読んでください。
作りながら楽譜を読む練習をする
楽譜の読み方を少しずつ覚えたい人には、Soundsliceもあります。実際の録音に楽譜を同期させるツールで、繰り返し再生や再生速度を落とす機能もあります。音楽が流れるのに合わせて楽譜上の音符を追えます。
音と記号を結びつけながら作業でき、楽譜を読む練習にも役立ちます。無料のエディターもあります。出版用の楽譜を細かく仕上げるというより、画面上の楽譜と音を照らし合わせながら学んだり採譜したりするための環境です。楽譜を読むこと自体が目標なら、楽譜の読み方ガイドも合わせて読んでみてください。
まだ楽譜を読めないなら
楽譜を読めないなら、まずは音から楽譜を作るツールを選べます。Songscriptionは、録音、鼻歌、リンクから楽譜、MIDI、MusicXMLを作ります。演奏したり歌ったりした音から採譜するので、音符を手入力する必要はありません。
できた楽譜は内蔵エディターやピアノロールで整えられます。印刷や共有もでき、自分で音符を一つも置かずに済みます。
Songscriptionは採譜ツールなので、すでに音になっている曲を楽譜にしたいときに向いています。譜表に音符を一つずつ置いて最初から作曲するなら、楽譜が読めるようになってから、上で紹介したエディターを選ぶとよいでしょう。楽譜を読まずに曲を書くためのアプリでは、この種類のツールを詳しく紹介しています。音声から楽譜を作るページから試すこともできます。
言葉を入力して楽譜を編集する
上で紹介した楽譜作成ソフトでは、変更したい音符を譜表上で選んで操作します。小さな間違いを直すにも、譜表を読む必要があります。
Songscriptionには、ChatGPTに頼むように普段の言葉で話しかけられるアシスタントが内蔵されています。楽譜上の音符を操作する代わりに、変えたいことを入力すると、アシスタントが楽譜を編集します。私たちがSongscriptionを、この中で最も使いやすいツールだと考える理由です。
たとえば「これをト長調に移調して」「最後の音符をレに変えて」「4小節目をすべて4分音符にして」「メロディーの上にコード記号を追加して」「この歌詞を追加して」「8小節目全体にクレッシェンドを入れて」と入力できます。アシスタントは楽譜を読み取り、実際に楽譜を編集します。編集はどれもキー操作一つで元に戻せます。
フレーズ全体の音符の入力、調や拍子記号の変更、リズムの簡略化、強弱記号やアーティキュレーションの追加なども、文章で頼めます。
楽譜を読めるようになる途中では、間違った音符を直したくても、編集に必要なところまで楽譜を読めず手が止まることがあります。言葉で変更を頼めば、楽譜がどう変わるかを見ながら読み方を覚えられます。この一覧で、こうした編集ができるのはSongscriptionだけです。楽譜を読めない初心者でも、従来のエディターより早く、整った正しい楽譜を作れると私たちは考えています。ライブラリーを開くか、録音から楽譜を作って、エディターに変更したいことを伝えてください。
プロ向けツールが難しく感じられる理由
DoricoとSibeliusは優れたプロ向けの楽譜制作ソフトですが、ほとんどの初心者には最初のツールとして向いていません。Doricoの無料版であるDorico SEでは、楽器は2つまでです。記譜、浄書、再生のモードが分かれており、その仕組みを覚える必要もあります。幅広い作業ができる反面、最初に覚えることは少なくありません。
Sibeliusの入門版であるSibelius Firstでは、これまで書き出しに制限がありました。楽譜を作り終えてから、簡単には書き出せないと気づくこともあります。
こうしたソフトは、出版できる品質の楽譜に仕上げるツールが必要だと分かっている人に向いています。初心者ならFlat、Noteflight、MuseScoreのほうが早く作業を進められ、楽しく使えます。実際に機能の限界を感じてからプロ向けに移っても遅くありません。多くの人にとって、その段階はまだ先です。
選び方
- 楽譜を少し読めて、最も簡単に編集したいなら、Songscription。譜表に音符を置く代わりに、普段の言葉で変更を頼めるので、従来のエディターより簡単です。譜表に音符を一つずつ置いて最初から作りたいなら、従来型ではFlat.ioとNoteflightが使いやすい選択肢です。
- まだ楽譜を読めないなら、Songscription。録音や鼻歌から楽譜を作り、変更したいことを言葉で伝えて編集できます。
- デスクトップソフトでもよく、無料で最初から作れる機能の充実したツールが欲しいなら、MuseScore 4。
- 楽譜の読み方を覚えたいなら、実際の音源に楽譜を同期できるSoundslice。
- 初心者でDoricoやSibeliusを検討しているなら、まずは手軽なツールから始めて、実際に限界を感じたときに移るのがおすすめです。
よくある質問
初心者に一番おすすめの楽譜作成ツールは何ですか?
楽譜を少し読める初心者には、Flat.ioとNoteflightが使いやすいです。どちらもブラウザで動き、無料プランがあり、画面も分かりやすくできています。無料のデスクトップソフトならMuseScore 4がおすすめです。まだ楽譜を読めない人には、譜表に音符を置くことを前提とした楽譜作成ソフトより、録音や鼻歌から楽譜を作るSongscriptionのようなツールが向いています。Songscriptionでは「移調して」「この音符を変えて」「コードを追加して」のように言葉で頼んで楽譜を編集できます。譜表上の音符を操作する必要がなく、従来の楽譜作成ソフトにはないこの方法が、最も簡単に編集できる理由です。
無料で一番簡単に使える楽譜作成ツールは何ですか?
無料で使えるブラウザ型の楽譜作成ソフトなら、Flat.ioとNoteflightが簡単です。インストールは不要で、無料プランには初心者に必要な機能がそろっています。MuseScoreは無料の中でも機能が充実しており、サブスクリプションなしで使えますが、覚える機能は多めです。音符を一つずつ書かずに楽譜を作りたいなら、Songscriptionは録音やアップロードした音声から楽譜を作れます。短い音声なら無料です。
楽譜を読めない初心者でも楽譜を作れますか?
作れます。ただし、楽譜作成ソフトを使う方法ではありません。MuseScore、Flat、Noteflightなどでは譜表に音符を置くため、楽譜を読めることが前提になります。まだ読めないなら、音から楽譜を作るツールを選んでください。演奏や鼻歌を録音するか、音源をアップロードすると、Songscriptionのような採譜ツールが楽譜にします。できた楽譜は編集や共有もできます。
初心者はDoricoやSibeliusから始めるべきですか?
たいていの場合、最初のツールには向きません。DoricoとSibeliusはプロ向けの楽譜制作ソフトです。無料の入門版にも制限があり、Dorico SEでは楽器が2つまで、Sibelius Firstではこれまで書き出しが制限されてきました。操作を覚えるための仕組みも初心者には複雑です。まずはFlat、Noteflight、MuseScoreで楽譜を書き始めて、実際に限界を感じたときにプロ向けのツールに移るのがおすすめです。
最後に
初心者向けの楽譜作成ツールを選ぶときは、今どのくらい楽譜を読めるかで候補が絞られます。そこを確かめずに選ぶと、使い方の分からないプロ向けのソフトや、まだ習っている途中の楽譜の読み方を前提とするエディターを手にすることもあります。
最初は、今できることに合ったツールを選んでください。楽譜を読む練習中なら、FlatやMuseScoreで書きながら慣れていけます。まだ読めないなら、演奏や歌を音として録り、採譜ツールで楽譜にできます。自分の音楽からできた楽譜を使えば、読み方の練習も始められます。