楽譜の用語集の関連記事です。
楽譜では、音符の位置が音の高さを、音符の形が音の長さを表します。五線の左端にある記号からは、キーや拍子が分かります。こうした小さな仕組みを一つずつ覚えると、並んだ点にしか見えなかった音符が読めるようになります。大人は丸暗記だけに頼らず、パターンを考えて理解できるので、子どもより早く覚えることもよくあります。
最初は音の高さ、次にリズム、それから両方に関わる調号と拍子記号の順に進めると学びやすくなります。先生についたり、何年もレッスンに通ったりする必要はありません。短い練習を定期的に続けることが必要です。練習には、すでに知っている曲があると役立ちます。
五線で音の高さを読む
楽譜の音符は、5本の横線と、その間の4つの空間に書かれています。これが五線です。音符が上にあれば高い音、下にあれば低い音を表します。音の高さを読むときは、この位置関係が基本になります。
左端にあるのは音部記号です。線の上や線と線の間が、それぞれどの音になるかを決めます。ト音記号は高い音に使われ、ピアノの右手や、フルート、バイオリンの音域の大部分を扱います。ヘ音記号は低い音に使われ、ピアノの左手やベース、チェロなどを扱います。ピアノでは両方を上下に並べて使うため、楽譜も二つの五線をつないだ形になります。
音の名前を覚える
英字の音名はAからGまでの7つで、音が高くなると同じ並びを繰り返します。ト音記号の五線では、線と線の間に入る音を下から並べるとF、A、C、Eになります。つなげると英語の「FACE」になるので、定番の覚え方として使われています。線の上の音は、下からE、G、B、D、Fです。英語圏では、それぞれを頭文字にした「Every Good Boy Does Fine」という文を使う覚え方が長年使われてきました。
ヘ音記号にも同じような語呂合わせがあります。線の上は下からG、B、D、F、Aで、「Good Boys Do Fine Always」。線と線の間はA、C、E、Gで、「All Cows Eat Grass」です。弾き始める前に、全部を暗記する必要はありません。まず、見てすぐ分かる目印の音を覚えます。ほかの音は、そこから上や下へ数えれば読めます。暗記カードで覚えるよりも、実際に楽譜を読むほうが、速く読めるようになります。
音符の形で長さを読む
音符の位置が音の高さを示すのに対し、形は音の長さを示します。音名だけを覚えてタイミングを感覚で合わせていると、リズムを読み取る練習が抜けてしまいます。正しい高さの音を並べるだけでなく、曲として弾くにはリズムも読む必要があります。
音符の長さは、半分ずつになっていきます。全音符の半分が2分音符、その半分が4分音符、さらに半分が8分音符です。形にも違いがあります。全音符は白い楕円で、2分音符には棒の部分である符幹が付きます。4分音符では楕円の部分が黒くなり、8分音符より短い音符には、旗のような符尾や、音符同士をつなぐ連桁が付きます。連桁をどうまとめるかも、楽譜の浄書の一部です。きれいに整えられた楽譜が読みやすいのは、こうした工夫があるからです。
4分の4拍子では、音符と休符の長さは次のようになります。
- 全音符は4拍伸ばします。
- 2分音符は2拍です。
- 4分音符は1拍です。足などで取る、一定の拍に当たることが多い音符です。
- 8分音符は半拍です。4分音符1個分に、8分音符が2個入ります。
- 休符は、音を出さない時間を表します。音符と同じように長さが決まっているので、その間も拍を数えます。
最初は、ゆっくりでも声に出して数えながら弾く習慣をつけると役立ちます。4分音符なら「いち、に、さん、し」、8分音符なら拍の間も入れて「いち、と、に、と」と数えます。数え方が安定してきたら、メトロノームも使えます。弾き始めた頃にリズムが崩れる原因のほとんどは、拍を数えていないことです。練習中は、数えることを省かずに続けてください。
拍子記号と小節
五線を縦に区切る線が小節線で、区切られた一つ分が小節です。それぞれの小節には同じ数の拍が入ります。その数を示すのが、曲の最初にある拍子記号です。分数のような形で、上の数字は1小節の拍数、下の数字は1拍として数える音符の種類を表します。
よく使われるのは4分の4拍子です。1小節に4分音符が4拍入ります。とてもよく使うため、数字の代わりにCの記号で書くこともあります。ワルツは4分の3拍子で、1小節が3拍です。「いち、に、さん」という独特の揺れがあります。1拍目がどこに来るかを感じ取れると、小節の区切りに沿って曲の拍をつかめるようになります。
シャープ、フラット、調号
英字の音名が付いた音同士の間には、多くの場合、その中間の高さの音があります。ピアノでは黒鍵に当たります。シャープは音を半音上げ、フラットは半音下げる記号です。音符のすぐ前に書かれていたら、その小節の終わりまで有効です。
曲で使うシャープやフラットを、音符のたびに書かずにまとめて示すのが調号です。音部記号のすぐ後ろに置かれます。シャープが一つの調号なら、別の指示がない限り、曲中のFはすべてFシャープで弾きます。最初は覚えるものが増えますが、実際には、よく弾く曲で使う二つか三つのキーから覚えていけば十分です。ほかのキーも同じ仕組みで読めます。
大人が早く覚えるには、知っている曲を読む
多くの教則本ではあまり触れられていませんが、早くすらすら読めるようになるには、聴きなじみのある曲の楽譜を読むのが近道です。弾く前に次の音を頭の中で思い浮かべられれば、音符を読むときも、その予想が合っているかを確かめられます。手がかりのないまま一つずつ解くより読みやすく、知っている音を目で追う練習になります。大人になってピアノを再開するとき、楽譜の読み方を忘れているなら、特に役立つ方法です。
ただ、頭の中にあるその曲の、正確な楽譜が見つかるとは限りません。AIでの採譜なら、好きな録音から読みやすい楽譜を作り、音に合わせて追えます。出版されている楽譜を探し続ける必要はありません。曲を楽譜にする方法では、最初から最後までの手順を説明しています。
Songscriptionでは、採譜した曲をすべてピアノロールでも開けます。ピアノロールは格子状の画面で、音の高さを上下の位置、音の長さを横方向の長さで示します。同じ曲を五線譜とピアノロールの両方で見ると、どちらか一方だけを見るよりも、記号と音のつながりを早くつかめます。楽譜が難しすぎると感じたら、難易度を下げて、今の実力で弾ける形に変えることもできます。
毎日の練習の組み立て方
楽譜を読む力は、週に一度まとめて長く練習するより、毎日少しずつ読むほうが身につきます。大人から始めるなら、次のような組み立てで練習できます。
- 5分間、音符を指して音名を声に出し、次へ進みます。完璧に答えることより、読む速さを意識します。
- 10分間、簡単な曲を指定のテンポよりずっとゆっくり弾きます。声に出して拍を数え、間違えたらそのまま進まず、止まって直します。
- 最後は、すでに知っている曲の楽譜を読みながら弾きます。見覚えのある音符から知っている曲が聞こえてくる、楽しいところで練習を終えます。
週に一度の長時間の練習より、ほぼ毎日20分ずつ続けるほうが、1か月でより上達できます。最初の目標は、考え込まずに楽譜を読めるようになることです。読む手間が減ると、音楽をどう弾くかに意識を向けられます。
よくある質問
大人からでも楽譜を読めるようになりますか?
はい。大人は丸暗記に頼らず、仕組みを考えながら学べるので、子どもより早く覚えることもよくあります。楽譜は、五線、音名、リズム、調号という小さな仕組みの組み合わせです。一つずつ覚え、聴きなじみのある曲で練習すれば、何年もかけずに、数週間の地道な練習で読み始められます。
楽譜を読めるようになるまで、どれくらいかかりますか?
大人から始める人の多くは、短い練習を定期的に続けると、数週間で簡単なメロディーを読めるようになります。初級から中級程度の楽譜を無理なく読めるようになるまでは、数か月が目安です。初めて見る楽譜を指定のテンポで滑らかに弾くには、もっと時間がかかります。たくさんの楽譜を読む経験が必要です。上達の速さを左右するのは、才能よりも毎日練習を続けることです。
楽譜を読み始めるなら、何から取り組むとよいですか?
聴きなじみのある曲の楽譜を、音に合わせて追うところから始めます。次の音を頭の中で思い浮かべられると、音符の意味も読み取りやすくなります。手がかりなしで解くのではなく、予想した音を確かめればよいからです。なじみのある曲を読みやすい楽譜に書き起こせば、この練習に使えます。
楽器を弾くには、楽譜を読める必要がありますか?
楽譜が読めなくても、楽器は弾けます。耳で覚えたり、コード譜やタブ譜を使ったりして演奏する、腕のあるミュージシャンも大勢います。五線譜を読むことは、いくつかある手段の一つです。書かれたとおりに曲を弾きたいとき、音楽の訓練を受けた人と一緒に演奏するとき、録音が見つからない曲を覚えたいときには、特に役立ちます。一つの手段だけに頼るより、いくつかを組み合わせるほうが弾きやすい人も多いです。
