この記事は音楽の先生のためのAI採譜ガイドの一部です。
曲を聴き取って使える楽譜にするには、以前は何時間もかかりました。AI採譜を使えば、ずっと短い時間で楽譜を作れます。生徒に合う仕上がりにするには、変換の前後に曲選びや楽譜の調整が必要です。
曲を選び、AI採譜ツールに通して仕上がりを確認し、生徒に合わせて整えます。2、3回経験すれば、全体で15〜30分ほどの作業です。
ステップ1:曲を選ぶ
まずは楽譜にしたい楽器の音が聴き取りやすい録音を選びます。ピアノが中心のバラードやギターが目立つロックは、その楽器の音を聴き取りやすい曲です。シンセが何層にも重なった曲や圧縮の強い曲は採譜が難しくなりますが、優れたモデルなら採譜できることもあります。
生徒のレベルにも合わせます。ギターを始めたばかりの生徒には、シンプルなコード進行と単音のメロディーが役立ちます。中級の生徒なら、フィンガーピッキングのパターンやテンションコードも弾けます。今のレベルより少しだけ難しい曲が、ちょうどよいことが多いです。親しみがあって弾く意欲につながり、レッスンで取り組むだけの難しさもあります。
ステップ2:音源を用意する(必要な場合)
Songscriptionには音声ファイルをアップロードする方法と、YouTubeのリンクを使う方法があります。多くの場合はURLを貼り付ければ、すぐに採譜を始められます。音声ファイルが手元にあれば、それをアップロードしてください。なければ、たいていはYouTubeで曲を探すのが早い方法です。ダウンロードしたMP3、自分で録音した音源、音楽ライブラリーのファイルも使えます。SpotifyとApple Musicからは直接書き出せませんが、ほかの多くの音源からは使えるファイルを用意できます。モデルは通常、複数の楽器が混ざった音源にも対応するので、始める前に自分で楽器の音を分離する必要はありません。
ステップ3:AIで曲を採譜する
音源をアップロードし、ドロップダウンから採譜したい楽器を選びます。AIが録音を分析し、数秒で楽譜やギターのタブ譜を生成します。多くの曲は3分近くなので、1回の採譜でバース、コーラス、ブリッジを含む曲全体をカバーできることがよくあります。長い録音にはProを使えます。最大15分まで採譜できます。
採譜を開始すると、選んだ楽器に応じて、五線譜、ギターのタブ譜、コード譜のいずれかが内蔵エディターに表示されます。
ステップ4:仕上がりを確認する
Songscriptionは音符をかなり正確に採譜します。音がクリアな録音なら、そのまま印刷できる状態に近い仕上がりになることもよくあります。それでも、生徒に渡す前にさっと確認しておくとよいでしょう。誤りを直すだけでなく、その生徒に合うように調整できます。
調整には内蔵のピアノロールエディターを使います。多くの先生は少数の音符を直すだけで済みます。操作も分かりやすく、あまり時間はかかりません。
何を省くかも考えてみてください。モデルは録音から聴き取った音をすべて楽譜にしますが、生徒にはそこまで細かい情報が必要ないこともよくあります。細かな装飾をいくつか取り除いたり、内声(メロディーとベースの間の声部)の音を減らしたりすると、曲の基本的な特徴を変えずに、練習しやすい楽譜にできます。
曲らしさを残しながら、生徒のレベルで弾ける形に整えます。少し手を加えるだけでも、録音をそのまま楽譜にしたものから、その生徒のための教材に変わります。
ステップ5:生徒に合わせて楽譜を整える
生徒に合う形式で書き出します。SongscriptionはPDF、Guitar Pro、MusicXML、MIDIに対応しています。生徒の楽譜の読み方や、何を渡すかに合わせて選んでください。
書き出す前に、初心者が曲を覚える助けにならず、楽譜を読みにくくしている装飾音符や細かな装飾を取り除きます。テンションコードのボイシング(コードを構成する音の選び方や配置)も、同じように整理します。複雑なリズムもシンプルにすると読みやすくなります。Songscriptionの自動楽譜レベル調整を使えば、そうした調整の多くを任せられます。音符の符頭を大きくし、小節の間隔を広げると、楽譜を見ながら弾く生徒にとって読みやすくなります。自分で書き込みを加えることもできます。コードが変わるところで弾きにくい箇所を丸で囲んだり、難しいフレーズの上にフィンガリングの例(どの指で弾くか)を書いたりするだけでも、楽譜は使いやすくなります。
誤りについて
生徒が小さな誤りに気づくこともあります。練習に使ってみてください。楽譜と演奏の違いを聴き取る力は、どのレベルの演奏者にも役立ちます。採譜した楽譜を使って、その力を鍛えられます。よく聴いて、音が違うと思ったところを伝えてもらってください。楽譜と録音を行き来して確かめることは、レッスンでできる耳を鍛える練習の一つです。音楽を耳で聴き取って採譜するときにも、同じ力を使います。
楽譜は絶対の規則ではなく手引きだと、最初に伝えておきます。そうすれば、AIの採譜にときどきある誤りについても、ただ謝って済ませずに、生徒と話し合えます。
最後に
ピアノを始めたばかりの生徒にも、初めてフィンガーピッキングの曲に取り組むギターの生徒にも、教材を作る流れは同じです。音源から楽譜への変換はAIに任せられます。その後は、何をシンプルにし、何を調整するか、その生徒が上達するためにどんな楽譜を必要としているかを判断します。
音楽を教えるときには、準備に使える時間にも限りがあります。一人ひとりに合わせた楽譜を15分で作れれば、教本に載っている曲だけでなく、生徒が実際に学びたい曲にも対応できます。Songscriptionで曲を採譜すると、準備時間がどれくらい短くなるか確かめられます。
よくある質問
生徒のために曲を楽譜にするにはどうすればいいですか?
楽譜にしたい楽器の音が聴き取りやすく、生徒の今のレベルより少しだけ難しい曲を選びます。AI採譜ツールに通すと、数秒で楽譜やギターのタブ譜が生成されます。ピアノロールエディターで仕上がりを確認してください。多くの場合、先生が修正する音符は少数で済みます。その後、生徒に合わせて整え、書き出します。
AIで曲を採譜するにはどれくらい時間がかかりますか?
AIが録音を分析し、数秒で楽譜を生成します。曲選びから採譜、仕上がりの確認、生徒に合わせた調整まで、2、3回経験すると一連の作業にかかる時間は15〜30分ほどです。時間の大半は変換そのものより、どの曲を選ぶか、仕上がりをどう調整するかを考えるのに使います。
生徒に渡すAI採譜の楽譜に誤りがあったらどうすればいいですか?
ときどきある小さな誤りも、練習に活用できます。楽譜と演奏の違いを聴き取るのは耳を鍛える練習になります。よく聴いて、音が違うと思ったところを生徒に伝えてもらってください。楽譜は絶対の規則ではなく手引きだと最初に伝えておくと、誤りをきっかけに話し合えます。
