チュートリアル採譜Andrew Carlins•読むのに約8分

音楽のレッスンでAI採譜を活用するには

生徒が弾きたい曲を教えるとき、いちばん手間がかかるのは、その曲を楽譜にすることです。AI採譜でその時間を減らせると、レッスンで取り組めることも変わります。

音楽のレッスンでのAI採譜の活用例。生徒が弾きたい曲の楽譜作り、レベルに合わせたパート作り、聴き取りの練習

この記事は、音楽の先生向けAI採譜ガイドの一部です。

生徒が、弾きたい曲を持ってレッスンにやって来ます。聴いて好きになり、自分でも弾いてみたい曲です。でも、その生徒のレベルに合う楽譜がありません。耳で聴き取って書き起こせば、一晩かかってしまいます。結局、その曲はいったん見送って、教本の曲を弾くことにします。こうした場面は、毎週のレッスンで繰り返されています。

AI採譜を使えば、ほとんどの曲を数分で楽譜にして、目の前の生徒に合わせて調整できます。弾きたい曲を、楽譜を用意する手間のために見送らずに済みます。先生がどう活用できるかの全体像は、音楽指導のためのAI採譜で紹介しています。

生徒が本当に弾きたい曲を教材にする

生徒のやる気は、練習を続けられるかどうかに大きく影響します。退屈に感じると練習が減り、早くやめてしまいます。自分で選んだ曲なら、言われなくても練習します。ただ、弾きたい曲の楽譜が、ちょうどよい難易度で見つかるとは限りません。

今は、ジャンルを問わず、その楽譜を作れます。ポップス、映画のテーマ曲、ゲーム音楽のリフ、祖父母が歌っていた民謡。音源をアップロードするか、動画のリンクを貼り付けると、編集できる楽譜ができあがります。そこから、生徒に合わせて調整します。アップロードの詳しい手順は、曲を楽譜にする方法で説明しています。生徒が弾きたい曲にAI採譜を使う方法も参考になります。

レベルの違う生徒が一緒に弾けるパートを作る

グループレッスンや合奏では、全員のレベルがそろっていることはあまりありません。楽譜をすらすら読める生徒の隣に、先月ようやく五線譜の読み方を習った生徒がいることもあります。同じパートを渡すと、一方は退屈し、もう一方はついていけなくなります。

曲を一度採譜したら、難易度の違う楽譜をいくつか作ります。楽譜の難易度を調整するツールで、初心者向けには和音の音数を減らし、リズムを簡単にします。上級者には、元の音が多く残るパートを使います。同じ曲を一緒に弾きながら、それぞれに合った難易度で取り組めます。こうしたパート作りについては、生徒のために楽譜を簡単にする方法と先生向けの楽譜の難易度調整ガイドで詳しく説明しています。

実際の録音を使って耳を鍛える

教本の聴き取り課題は、実際の音楽とのつながりが感じにくいことがあります。音程を学ぶ練習にはなっても、練習としては退屈です。生徒が好きな曲を使えば、何の音が鳴っているのかを知りたくなります。聴き取りの力も、身につきやすくなります。

  • 曲から8小節を選び、耳で聴き取って楽譜に書いてもらいます。 その後、答え合わせとしてAIが採譜した楽譜を再生します。二つを比べて、違っているところをレッスンで取り上げます。
  • コードを耳で聴き分ける練習に使います。 Songscriptionはコードを検出できるので、音源からコード記号を取り出せます。先に生徒に聴いてコード名を答えてもらい、その後で楽譜を見せます。
  • ピアノでは、左手と右手を分けて確かめます。 片方の手の音だけに注目して聴いてもらい、左右に分かれた楽譜で答えを確認します。

AIなら、答え合わせに使う楽譜を数秒で用意できます。生徒が聴き取った結果をその場で確かめ、採点できます。

1週間のレッスンに組み込む

生徒から弾きたい曲を聞いたら、レッスン前に音源をアップロードして採譜します。楽譜に目を通してAIが間違えたところを直し、難易度を調整するツールで生徒のレベルに合わせます。

レッスンでは、その楽譜を使って一緒に曲に取り組みます。ある程度弾いたところで、同じ録音から短いフレーズを選び、聴き取りの課題にします。生徒は、自分が好きで弾いている曲で耳を鍛えられます。家に持ち帰るのも、自分から練習したいと思える曲の楽譜です。

生徒に何が必要で、どう教えるかは、先生が判断します。AIに任せられるのは、生徒がリクエストした曲を使える楽譜にするまでの、音を一つひとつ拾って書き起こす作業です。何時間もかかっていたその作業を減らせます。指導の場での使い方は、教育向けの資料や先生向けのツールでも紹介しています。

よくある質問

音楽のレッスンでAI採譜をどう使えますか?

まずは生徒が弾きたい曲の録音をアップロードし、楽譜にします。それから、生徒のレベルに合わせて難易度を調整します。実際の録音から短いフレーズを取り出して聴き取りの課題にしたり、レベルの違う生徒が合奏できるようにパートを分けて作ったりする使い方もあります。時間のかかる音を拾う作業をAIに任せれば、生徒への指導に時間を使えます。

レベルの違う生徒が合奏するためのパートも作れますか?

はい。一度採譜した楽譜から、やさしいパートが必要な生徒には音を減らした版を作り、上級者には元の音が多く残る版を使います。同じ曲を一緒に演奏しながら、それぞれのレベルに合うパートに取り組めます。パートを一つひとつ手作業で編曲するより、ずっと短い時間で準備できます。

AI採譜の精度は、指導に使えるほど高いですか?

ピアノソロの採譜は精度が高く、対応する楽器の中でも採譜機能の開発が最も進んでいます。ほかの楽器への対応は始まってから日が浅く、いくらか修正が必要なこともあります。どの楽器でも、作成した楽譜はSongscription上で編集できます。生徒に渡す前に確認し、間違いを直してください。出力はそのまま信頼して渡せる完成版ではなく、短時間でできる下書きとして扱います。

AI採譜を使うと、耳で聴き取る指導は必要なくなりますか?

いいえ。AI採譜で用意できるのは、答え合わせに使う楽譜です。先に生徒が耳で聴き取って楽譜にし、その後でAIの採譜結果と比べる使い方ができます。聴き取りの結果を確認し、採点できます。何をどう教えるかは、引き続き先生が判断します。

著者について

Andrew Carlins

著者

Andrew Carlins

Songscription共同創業者・CEO

アンドリューは、弾きたい曲の楽譜が見つからないことにうんざりしていた音楽仲間数人と、スタンフォード大学でSongscriptionを共同創業しました。子どもの頃からピアノとバリトンサクソフォンを演奏し、ミュージカルの舞台にも立っていました。もう何年も舞台には立っていませんが、今も腕は鈍っていないつもりです。録音から音を拾って楽譜にすることについて書いています。

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