資料楽譜Andrew Carlins•読むのに約5分

アルペジオとは?

アルペジオは、コードの音を一つずつ順番に弾く奏法です。楽譜では音符を順に並べたり、和音に波線を添えたりして表します。「エリーゼのために」からポップスのピアノまで、さまざまな曲に出てきます。

譜表に順番に並んだコードの音。アルペジオとして一音ずつ弾く

アルペジオは、コードの音を同時に鳴らすのではなく、一つずつ順番に弾く奏法です。言葉の由来は「ハープのように弾く」という意味のイタリア語、arpeggiare。コードと同じ音を、時間をずらして鳴らします。C、E、Gを同時に弾けばCメジャーのコードです。同じ3音を順番に弾けば、Cメジャーのアルペジオになります。

アルペジオ、コード、スケールの違い

コードは複数の音を同時に鳴らしたものです。アルペジオはそのコードの音を一つずつ鳴らし、スケールはある調の音を隣り合う音へと順にたどります。

Cメジャーのコードでは、C、E、Gが同時に重なります。Cメジャーのアルペジオも音はまったく同じですが、C、E、Gの順に鳴らします。重なっていたコードが、時間の中でほどけていくように聴こえます。

スケールは違います。CメジャースケールならC、D、E、F、G、A、Bと、その調の音を一つずつ順番にたどります。アルペジオはコードトーンだけを弾くので、途中の音を飛ばします。コードとアルペジオは同じハーモニーを違う形で表したもの、スケールはその土台となる調の音をすべて並べたものと考えると分かりやすいです。コードについてはコードの転回形、スケールについてはスケールとは何かで詳しく解説しています。

アルペジオの楽譜での書き方

アルペジオの書き方は2種類あります。一つは音符を一つずつ順番に書く方法、もう一つは音符を重ねた和音の横に縦の波線を添える方法です。この波線は、音をずらして弾くことを示します。

一般的なのは、一音ずつ書く方法です。コードトーンがそれぞれの音価(音符の長さ)を持つ別々の音符として並んでいるので、その順に弾きます。波線を使う方法は省略した書き方です。作曲者は通常の和音の左側に波線を引き、音を同時に鳴らさず、下から上へ素早くずらして弾くように示します。

どちらの書き方でも、アルペジオには向きがあります。上行するアルペジオはコードトーンの一番低い音から高い音へ、下行するアルペジオは一番高い音から低い音へ進みます。譜表では音符を順に読んでいきます。音符の読み方にまだなじみがないときは、楽譜の読み方で基礎を確認できます。

分散和音とアルペジオが聴ける曲

普段は「分散和音」と「アルペジオ」はほぼ同じ意味で使われます。細かく分けると、分散和音は決まったパターンで音を繰り返したり、順番を入れ替えたりできます。アルペジオはふつう、コードトーンを順にたどります。

たとえば、伴奏としてC、G、E、Gを繰り返すのは分散和音です。C、E、Gと順に上がり、そのまま上へ弾き続けるのは、厳密な意味でのアルペジオです。多くの演奏者は両方の言葉を区別せずに使い、会話で違いが問題になることはほとんどありません。

アルペジオの響きを覚えると、いろいろな曲で聴き取れるようになります。ベートーヴェンの「エリーゼのために」の冒頭はアルペジオをもとにしています。「月光ソナタ」で有名な3連符の音型では、旋律の下でアルペジオが絶えず流れます。

ポップスのピアノ伴奏でも、コードを同時に鳴らす代わりに、一音ずつ弾くことがよくあります。ギターのフィンガーピッキングも、押さえたコードの弦を指で一本ずつ弾くアルペジオです。こうした伴奏の土台にはコード進行があります。コード進行の記事で詳しく紹介しています。

アルペジオの弾き方

まずコードを一つ選び、その音を低い音から高い音へ、または高い音から低い音へ、等間隔で一つずつ弾きます。CメジャーならC、E、Gです。3音を同時に押さえる代わりに、順番に鳴らしてください。間隔をそろえると、音の流れが途切れにくくなります。

上がる形が手になじんだら、今度は逆に下りてみます。上りと下りを途切れずに続けて弾くのもよい練習です。

練習するときは、先にコードを覚えておくと役立ちます。アルペジオはもとのコードを知っているほど弾きやすくなります。コードの形を覚え、自然に押さえられるようになれば、知っている音を一つずつ順に弾くだけです。曲がどのコードでできているかを調べると、アルペジオを見つけやすくなり、弾くときにも役立ちます。コード進行の仕組みも参考にしてください。関連する言葉は音楽の記譜用語集で確認できます。

よくある質問

アルペジオとは何ですか?

アルペジオは、コードの音を同時に鳴らすのではなく、一つずつ順番に弾く奏法です。言葉の由来は「ハープのように弾く」という意味のイタリア語、arpeggiareです。コードと同じ音を、時間をずらして鳴らします。

アルペジオとコードの違いは何ですか?

コードは複数の音を同時に鳴らしたものです。アルペジオでは、その同じ音を一つずつ順番に鳴らします。たとえば、Cメジャーのコードもアルペジオも、音はどちらもC、E、Gです。違うのは鳴らすタイミングだけです。コードでは音が重なり、アルペジオでは一列に並びます。

アルペジオと分散和音は同じですか?

普段はほぼ同じ意味で使われ、多くの演奏者は区別せずに呼んでいます。細かく分けると、分散和音は決まったパターンで音を繰り返したり、順番を入れ替えたりできます。一方、アルペジオはふつう、コードトーンを低い音から高い音へ、または高い音から低い音へ順に弾きます。アルペジオはすべて分散和音ですが、分散和音のすべてが厳密な意味でのアルペジオとは限りません。

アルペジオとスケールの違いは何ですか?

スケールは、その調の音を隣り合う音へと順にたどります。アルペジオはコードに含まれる音だけを弾くので、途中の音を飛ばします。CメジャースケールはC、D、E、F、G、A、Bです。CメジャーのアルペジオはC、E、Gです。スケールは一歩ずつ進み、アルペジオはコードトーンの間を跳びます。

あるフレーズがアルペジオなのか、音を同時に鳴らすコードなのか迷ったときは、Songscriptionで録音から楽譜を作れます。音が時間をずらして並んでいるか、重なってコードになっているかを見分け、それぞれの音の高さも確認できます。

著者について

Andrew Carlins

著者

Andrew Carlins

Songscription共同創業者・CEO

アンドリューは、弾きたい曲の楽譜が見つからないことにうんざりしていた音楽仲間数人と、スタンフォード大学でSongscriptionを共同創業しました。子どもの頃からピアノとバリトンサクソフォンを演奏し、ミュージカルの舞台にも立っていました。もう何年も舞台には立っていませんが、今も腕は鈍っていないつもりです。録音から音を拾って楽譜にすることについて書いています。

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