資料楽譜Andrew Carlins•読むのに約7分

音楽のスケールとは?メジャーとマイナーの仕組み

スケールは、音を順番に並べたものです。曲のキーや雰囲気を形づくります。メジャーとマイナーの音の並び方は、楽譜を読んだり採譜したりするときの手がかりになります。

全音と半音で作るメジャーとマイナーのスケールを鍵盤と五線譜に示した図

スケールは、ある音から1オクターブ上の同じ音までを、全音と半音を決まった順番で組み合わせて上がっていく音の集まりです。同じ12音から作っても、間隔の並び方によってメジャーは明るく、マイナーは暗く響きます。出発点の音は曲のキーを決め、曲のメロディやコードのほとんどはそのスケールの音から作られます。

メジャーとマイナーの音の並び方を追っていくと、スケールとキー、メロディ、コードのつながりが見えてきます。表を暗記しなくても、音の間隔から組み立てられます。

スケールとは

1オクターブの中にある12音を、12段の階段として考えてみてください。隣の段との間隔は半音です。スケールを作るときは、決まった順番で1段ずつ上がったり、2段ずつ上がったりします。1段分が半音、2段分が全音です。上がり方によってメジャースケールにもマイナースケールにもなります。種類を決めるのは出発点の音ではなく、間隔の並び方です。

出発点の音はルートまたはトニックと呼び、スケールの名前になります。メジャーの並び方をCから始めればCメジャー、Gから始めればGメジャーです。並び方は同じで、出発点が変わります。五度圏も、この関係を整理したものです。

メジャースケールの作り方

メジャースケールの間隔は、全音をW、半音をHとすると、W W H W W W Hの順です。Cからこの順番で上がると、C、D、E、F、G、A、B、Cとなり、黒鍵は使いません。Cメジャーが最初に習うスケールなのは、ピアノの白鍵だけで弾けるからです。

同じ並び方をGから始めると、G、A、B、C、D、E、F♯、Gとなります。間隔を保つには、黒鍵のF♯が必要です。このF♯があるため、Gメジャーの調号にはシャープが1つ付きます。メジャースケールの明るく落ち着いた響きは、1番目と3番目の音の間にある長3度(CからE)と、7番目の音から出発点の1オクターブ上の音へ進む半音(BからC)から生まれます。

マイナースケールとその種類

ナチュラルマイナーの間隔は、W H W W H W Wです。Aから始めると、A、B、C、D、E、F、G、Aとなり、こちらも白鍵だけで弾けます。AマイナーとCメジャーは、出発点が違うだけで同じ音を使っています。このような関係を平行調と呼びます。五度圏では、それぞれの長調と平行調の短調が組になっています。

マイナーの暗い響きは短3度から生まれます。AからCまでの間隔は、CからEまでより狭くなります。マイナーでは、スケールの後半の音を変えて出発点に戻りやすくする、次の2種類もよく使われます。

  • ハーモニックマイナーでは、7番目の音を半音上げます。AマイナーならGがG♯になります。トニックへ強く進む響きが生まれ、少し異国風の音色になります。
  • メロディックマイナーでは、上がるときに6番目と7番目の音を上げ、下がるときには元に戻すことが多くあります。ハーモニックマイナーでは6番目と7番目の音の間隔が広くなりますが、その音のつながりをなめらかにするためです。AマイナーではFからG♯までの間隔にあたります。

スケールとキー、コードの関係

スケールは指慣らしに使うだけでなく、曲の音のもとにもなります。曲が「Cメジャーのキー」なら、メロディには主にCメジャースケールの7音が使われます。コードも同じ音を重ねて作ります。Cメジャースケールの各音の上にトライアドを作ると、そのキーになじむコードがそろいます。コード同士が自然に響き合う一方、スケールにない音を使うコードが際立って聴こえるのはそのためです。

この関係はコード進行にもつながります。よく知られたI-V-vi-IVの進行は、スケールから作ったコードを4つ並べたものです。曲のスケールが分かると、使われていそうな音やコードを絞り込めます。耳で曲を採るとき、まずキーを探すのはそのためです。

ペンタトニック、半音階などのスケール

メジャーとマイナーのほかにも、いろいろなスケールがあります。

  • ペンタトニックスケールは、特に強い緊張感を生む2音を省いた5音のスケールです。大きく外れた音になりにくく、アドリブや初心者のソロでよく使われます。
  • マイナーブルースは、マイナーペンタトニックに半音階的な「ブルーノート」を加えたもので、独特のざらついた響きがあります。
  • 半音階は、12音すべてを飛ばさずに並べます。階段でいえば、すべての段を通ります。
  • モードは、1つのスケールの7音を使い、出発点を変えることで7種類の響きを作ります。詳しくはモードの解説で紹介しています。

まとめ

スケールは指の練習として習うことが多いものです。メジャーの並び方(W W H W W W H)とマイナーの並び方(W H W W H W W)が分かれば、どの音からでもスケールを作れます。キーごとに表を暗記する必要はありません。調号やキーに含まれるコード、メロディが明るく、あるいは暗く感じられる理由も、この並び方から分かります。

音楽ソフトが曲を解析するときにも、スケールは関わっています。Songscriptionのようなツールで録音を採譜すると、検出されたキーからメロディのもとになったスケールが分かり、書き出される音符はそのスケールに収まります。スケールと一緒によく出てくる言葉は、楽譜の用語集でも調べられます。

よくある質問

音楽のスケールとは何ですか?

スケールは、全音と半音を決まった順番で並べ、1オクターブの中を上がったり下がったりする音の集まりです。この並び方によってスケールの響きが変わり、出発点の音がキーの名前になります。たとえばCメジャースケールは、C、D、E、F、G、A、Bの7音を通って、再びCに戻ります。西洋音楽のメロディやコードの多くはスケールの音から作られるため、スケールは曲のキーと雰囲気の両方を形づくります。

メジャースケールとマイナースケールの違いは何ですか?

音の間隔の並び方が違うため、半音が入る位置も変わります。メジャースケールは全音、全音、半音、全音、全音、全音、半音の順に並び、明るく響く傾向があります。ナチュラルマイナーは全音、半音、全音、全音、半音、全音、全音の順で、暗く、悲しげに響く傾向があります。大きな違いは3番目の音です。出発点の音から数えて、メジャーでは長3度、マイナーでは短3度になります。

スケールには何音ありますか?

よく使われるスケールの多くは、1オクターブ上の出発点の音に戻るまでに7種類の音を使います。メジャーとマイナーのスケールやモードもそうです。ペンタトニックスケールは5音で、アドリブで使いやすいスケールです。半音階には12音すべてが入ります。スケールを8音と数えるときは、最後に繰り返す1オクターブ上の音も含めています。

著者について

Andrew Carlins

著者

Andrew Carlins

Songscription共同創業者・CEO

アンドリューは、弾きたい曲の楽譜が見つからないことにうんざりしていた音楽仲間数人と、スタンフォード大学でSongscriptionを共同創業しました。子どもの頃からピアノとバリトンサクソフォンを演奏し、ミュージカルの舞台にも立っていました。もう何年も舞台には立っていませんが、今も腕は鈍っていないつもりです。録音から音を拾って楽譜にすることについて書いています。

チームについて詳しく見る

同じテーマの記事を読む