楽器を弾いたり歌ったり、頭の中ではっきり音楽を思い浮かべたりできても、五線譜の音符は読めないという人はいます。以前は、楽譜を読めることを前提にした編集ソフトしかなく、曲を書き留めるのは難しいものでした。今は、歌や演奏を自動で楽譜にしたり、五線譜を使わない画面で曲を作ったりできるソフトがあります。
この一覧にあるSongscriptionは私たちが作っています。Songscriptionにもほかのツールにも、それぞれ向いている使い方があります。楽譜を読む必要があるかどうかも、ツールによって違います。
まずは手短に
- 鼻歌や録音、動画など、すでに音がある場合:Songscriptionのような採譜ツールなら、五線譜を操作せずに音を楽譜とMIDIに変換できます。その後は、普段の言葉で指示を入力して編集できます。
- 五線譜を使わずに最初から作曲したい場合:HooktheoryのHookpadは、音度のグリッドを使います。楽譜を読む必要はありません。
- 完成した曲のように聴こえるトラックを作りたい場合:BandLab、Soundtrap、GarageBandのようなブラウザで使う音楽制作ソフト(DAW)があります。出力はオーディオで、楽譜ではありません。
- アイデアからすばやく曲を作りたい場合:SunoやUdioは文章からトラックを生成します。頭の中のアイデアを採譜するものではなく、出力も楽譜ではなくオーディオです。
- 楽譜が読めない場合は後回しにしたいもの:MuseScore、Flat、Noteflight、Sibelius、Doricoは、楽譜を読めることを前提とした楽譜編集ソフトです。
演奏や歌を楽譜にする
楽譜が読めない人にとって、音から採譜する方法は近道です。五線譜のどこに音符を置くかを知らなくても、音を取り込めばツールが楽譜を書き出します。Songscriptionは録音や鼻歌、YouTube、Instagram、TikTokのリンクを楽譜、MIDI、ギターのタブ譜、MusicXMLに変換します。内蔵エディターとピアノロールがあり、五線譜の代わりにグリッド上で結果を調整できます。自分で音符を置くのではなく、ツールが見つけた音符を編集します。
楽譜ができたら、ChatGPTに頼むように、普段の言葉で希望を入力して編集できます。「最後の音をDに変えて」「Gに移調して」「コード記号を付けて」「4小節目をもっとシンプルに」と入力すると、内蔵アシスタントが楽譜を読み取って変更します。曲を直したり作り変えたりするときも、五線譜を理解する必要はありません。
鼻歌でしか表せないメロディーがあるなら、鼻歌を楽譜にする方法とボイスメモを楽譜にする方法で最初から最後までの流れを紹介しています。歌い手の伴奏を弾く人には、録音からピアノパートを取り出す歌のピアノ伴奏を採譜する方法もあります。
採譜の精度は録音の音がどれだけクリアかによって変わります。最初にできた楽譜を完成品と考えず、そこから手直ししてください。
五線譜の代わりにグリッドで作曲する
すでにある曲を記録するのではなく、楽譜を読まずに最初から作曲したいなら、HooktheoryのHookpadが有力な選択肢です。五線譜の代わりに、調の中での音の位置を表す音度のグリッドを使います。色と相対的な音の高さを手がかりに、調の中での役割に沿ってメロディーやコードを置いていきます。五線譜上の音符ではなく、音楽の響きを頼りに作れます。
実際の楽器の音で再生でき、完成後は楽譜、MIDI、ギターのタブ譜を書き出せます。作っている間に楽譜を読まなくても、完成した曲を楽譜にできます。
Hookpadは作曲のアイデアをまとめるツールです。本格的な音楽制作や細かな楽譜の仕上げには向いていません。使いながら少しずつ音楽理論に触れることにもなるので、それを楽しめるかどうかも選ぶ際のポイントです。五線譜はそもそも必要なのか気になる人は、ピアノを弾くのに楽譜を読む必要があるかも参考にしてください。
DAWでトラックを仕上げる
楽譜よりも、完成した曲のように聴こえる音源を作りたいなら、ブラウザやデスクトップのDAWが使えます。耳と画面を頼りに録音し、ループを使い、曲をアレンジできます。BandLabは無料で複数のプラットフォームに対応しています。SpotifyのSoundtrapは分かりやすいピアノロールがあり、教室での利用にも向いています。GarageBandはApple製デバイスで無料で使え、内蔵サウンドも充実しています。ループ、録音した音、MIDIグリッドを使うので、楽譜は必要ありません。
ただし、出来上がるのはオーディオで、楽譜ではありません。後から演奏者にパートを渡すなどして楽譜が必要になったら、DAWから書き出したオーディオやMIDIを採譜ツールに通します。DAWでアイデアを形にしてから、音源を楽譜に変換する方法です。
文章から曲を生成する
SunoとUdioは、文章で説明を入力するとトラック全体を生成します。音楽の専門知識も、楽譜を読む力も必要ありません。頭の中にあるアイデアを採譜するツールとは違い、曲そのものを生成します。出力は楽譜ではなくオーディオです。SunoのスタジオモードではMIDIとステムも書き出せます。
気に入った曲を生成した後、採譜して演奏や編集、記譜ができる形にする使い方もあります。Sunoの使い方ガイドでは一連の流れを、Sunoの曲を楽譜にする方法では採譜の手順を紹介しています。こうした生成サービスの無料プランには通常、商用利用の権利が付いていません。学習データをめぐっては、業界内で議論が続いています。
楽譜編集ソフトを使う前に
MuseScore、Flat、Noteflight、Sibelius、Doricoは優れた楽譜編集ソフトで、無料のものもいくつかあります。ただし、曲を作るには五線譜に音符を置きます。楽譜が読めなくてもソフトを開けますが、画面全体が楽譜を読めることを前提としているため、すぐに手が止まってしまいます。「初心者向け」と書かれていても、それは画面の使いやすさを指しており、五線譜を使わずに済むわけではありません。
楽譜編集ソフトは、最初ではなく次の段階で役立ちます。まず採譜ツールやグリッドを使うツールでアイデアを形にし、楽譜の見た目を整えたいときに、出来上がったMusicXMLを編集ソフトで開きます。
少し楽譜が読めて、使いながら慣れていける編集ソフトを探しているなら、初心者におすすめの楽譜作成ソフトで使いやすいものを紹介しています。楽譜の読み方を学びたい人には、大人の学習者に向けた楽譜の読み方ガイドもあります。
どれを選ぶか
- すでに音がある:Songscriptionで採譜し、文章を入力して編集します。アイデアを共有できる楽譜にする最短の方法です。
- 五線譜を使わずに最初から作曲したい:Hookpadの音度のグリッドを使います。
- 楽譜より完成したトラックがほしい:BandLab、Soundtrap、GarageBandで作り、後から楽譜が必要になれば採譜します。
- 文章から曲を作りたい:SunoやUdioで生成し、編集したいときは採譜します。
- 見た目まで整えた楽譜が必要:まず曲を形にしてから、MuseScoreやFlatで仕上げます。
よくある質問
楽譜が読めなくても曲を書けますか?
はい。音符を読まなくても曲を作り、記録できるツールがあります。鼻歌や演奏を自動で楽譜にするSongscription、五線譜の代わりに音度のグリッドで曲を作るHookpad、ブラウザの音楽制作ソフト(DAW)でトラックを仕上げるBandLab、Soundtrap、GarageBand、文章から曲を生成するSunoやUdioなどです。楽譜を読むことが必要なのは、従来の楽譜編集ソフトです。
楽譜が読めない場合、曲を書くのにおすすめのアプリはどれですか?
すでにメロディーが頭に浮かんでいたり、楽器で弾けたりするなら、Songscriptionのような採譜ツールで録音や鼻歌、YouTubeのリンクを楽譜とMIDIに変換できます。五線譜に自分で音符を置く必要はありません。五線譜を使わずに最初から作曲するなら、音度のグリッドを使うHookpadがあります。完成した曲のように聴こえるトラックを作りたいなら、BandLabのようなブラウザDAWが使えます。ただし、出力されるのはオーディオで、楽譜ではありません。
MuseScoreのような楽譜作成アプリを使うには、楽譜を読める必要がありますか?
実際には必要です。MuseScore、Flat、Noteflight、Sibelius、Doricoは、五線譜に音符を置いて曲を書く楽譜編集ソフトです。楽譜が読めなくても開くことはできますが、そこで作業が止まってしまいます。まずは採譜ツールで音からアイデアを取り込むか、音度のグリッドなど五線譜を使わない画面で曲を作ります。その後、必要に応じて楽譜編集ソフトに渡せます。
頭に浮かんだメロディーを楽譜にするにはどうすればいいですか?
メロディーを鼻歌や演奏で録音し、Songscriptionや鼻歌から楽譜を作る専用アプリなど、音を楽譜に変換する採譜ツールに取り込みます。五線譜に何も書かずに楽譜とMIDIファイルを作れ、その後で編集や移調もできます。歌えるアイデアを、共有したり印刷したり、ほかの演奏者に渡したりできる形にする近道です。
最後に
長い間、楽譜が読めないと、音楽のアイデアは頭の中に残すか、ざっと録音して残すしかありませんでした。その録音をほかの人が楽譜として読むことはできません。今は、演奏や歌から楽譜を作るツールも、最初から五線譜を使わずに曲を組み立てるツールもあります。どちらも先に楽譜を読めるようになる必要はありません。
選ぶときは、アイデアが今どんな形をしているかを考えてみてください。鼻歌のメロディー、弾いたリフ、気に入った動画など、音がすでにあるなら採譜ツールで取り込みます。数分で編集や共有ができる楽譜になります。まだ何もないところから曲を書きたいなら、五線譜の代わりにグリッドから始められます。楽譜を読む力は、後から身につけることもできます。