この記事は、あらゆる楽器の採譜ガイドの一部です。
ピアノやギターの採譜では、どの音を弾いたか、そのピッチを聴き取ります。ドラムセットには、聴き取るべきピッチがほとんどありません。聴くのは打音です。一打ごとのタイミングと、セットのどの楽器を叩いたかを判断します。ドラムの採譜には、有音程楽器とは違う難しさがあります。
AIを使えば、はっきりしたグルーヴは一打ずつ耳で拾うよりもずっと早く楽譜にできます。ただし、音数の多い箇所は自分の耳で確認してください。
ドラム譜に書かれていること
ドラム譜には打楽器用の譜表を使い、メロディーの楽譜とは違う読み方をします。線や線の間はピッチではなく、ドラムセットのそれぞれの楽器を表します。
- バスドラムは譜表の下のほうに書き、足で踏んで鳴らします。
- スネアは中央に書き、2拍目と4拍目のバックビートを刻みます。
- ハイハットとシンバルは上に書き、通常は×形の符頭を使います。
- タムはその間に、高い音から低い音へと並びます。
ドラム譜を見れば、何をいつ叩くかが分かります。配置を覚えれば、採譜されたグルーヴもすぐに読めます。録音を何度も繰り返し聴かなくても、自分で読んだり、ドラマーに渡したりできる譜面になります。リズムの読み方をおさらいしたいときは、楽譜の読み方も参照してください。
採譜の仕組み
モデルは、一打ごとの立ち上がりにある鋭い音を聴き取ります。その音を分類し、キックドラム、スネア、ハイハット、タム、シンバルのどれかを判断して、タイミングに合わせて譜表に配置します。
ピッチを判別する必要はありませんが、似た音を聞き分けるのは難しいところです。たとえば、リムを叩いた音とスネアの音、ライドとクラッシュの音を区別しなければなりません。打音が立て続けに重なる速いフィルでは、一打も逃さず聴き取ることも課題です。テンポが一定で、打音がはっきりした演奏はきれいに採譜されます。音数が多く、音が何層にも重なった部分は、特に正確に採譜しにくくなります。人が採譜するときも、再生速度を落として何度も聴き直す箇所です。
Songscriptionの仕上がりの目安
Songscriptionはドラムの採譜に対応しています。ドラム用のモデルは、比較的新しいものです。はっきりしたグルーヴならしっかり採譜でき、楽譜を仕上げる土台になります。一方、特に音数の多いフィルは、譜面を使う前に軽く確認しておくとよいでしょう。
- バックビートや一定のパターンは安定して採譜されます。
- 速いフィルや音が密に重なる箇所は、耳で確認してください。
- ミックス全体に埋もれたドラムより、分離されたクリアなドラムの録音のほうが適しています。
バンドの録音にドラムが含まれているときは、先にステム分離ツールでドラムを取り出すと、モデルがドラムの音を解析しやすくなります。この考え方はほかの楽器にも当てはまります。バンド全体の録音を採譜する方法では、音を分離する方法と、Multi-Instrumentを使ってドラムを含む全パートを一度に採譜する方法を紹介しています。ドラムではピッチではなく打音の立ち上がりを聴き取りますが、AIによる採譜の精度の解説も仕上がりの目安になります。
ドラムの採譜が役立つ場面
カバー曲を覚えるドラマーは、頭の中だけで捉えていたグルーヴを譜面にできます。プロデューサーはMIDIをDAWに取り込み、一打ずつ編集しながら、自分のサンプルでビートを組み直せます。先生が生徒向けにパターンを書き出したり、バンドがリハーサルでのよい演奏を記録して次回に残したりすることもできます。
結果を書き出せば、録音の中にあるグルーヴをほかの形でも使えます。形式については、音楽の書き出し形式を参照してください。クリアに録音した音源を採譜にかけ、フィルを確認してから使います。
よくある質問
音数の多いフィルが正しく採譜されなかったときは、どう直せますか?
採譜結果をピアノロールエディターで開き、録音と聴き比べながら該当部分を再生します。音が密集したフィルはモデルが特に苦手とする箇所です。抜けた音や、スネアがタムとして採譜された箇所がないか聴いてみてください。音符を正しい楽器の位置にドラッグするか、抜けた音を追加します。音数の多い小節では、数音を手で直すこともよくあります。グルーヴ全体を最初から耳で拾うより、ずっと早く済みます。
ドラム譜は普通の楽譜とどう違いますか?
ドラムにはピッチがないため、ドラム譜はメロディーを表しません。打楽器用の譜表を使い、それぞれの線と線間にドラムセットの楽器を割り当てます。バスドラムは下、スネアは中央、ハイハットとシンバルは上に書きます。ハイハットとシンバルには、よく×形の符頭を使います。ドラム譜には、ピッチではなく、何をいつ叩くかが書かれています。
ドラムをうまく採譜するには、何を用意すればよいですか?
ドラムだけをクリアに録音すると、最もよい結果が得られます。バンド全体のミックスにドラムが埋もれているときは、先にステム分離ツールでドラムパートを取り出すと役立ちます。ベースやギターの音に紛れずに解析できるからです。ドラムセットの近くで録音し、音が割れない範囲で十分なレベルに調整してください。テンポを一定に保って演奏すると、リズムをきれいに採譜しやすくなります。
採譜したドラムを別の場所で使うために書き出せますか?
はい。結果をMIDIで書き出してDAWに取り込めます。一打ごとにドラムの音が割り当てられ、編集できます。読んだり印刷したりできるよう、楽譜として書き出すこともできます。一度の採譜からPDF、MIDI、MusicXMLを取得できるので、ドラマーは楽譜を読み、プロデューサーはMIDIをセッションに取り込めます。どちらの場合も、使う前に音数の多い箇所を確認してください。
