チュートリアル楽譜Andrew Carlins•読むのに約5分

AIで採譜した楽譜を楽譜作成ソフトで使う方法

楽譜作成ソフトは、楽譜を編集し、レイアウトを整えるためのものです。録音から音を聴き取る作業は、AIの採譜で補えます。書き出す形式の選び方と、Sibelius、Dorico、Finaleへの読み込み方を紹介します。

AIで採譜した楽譜をMusicXMLやMIDIで書き出し、Sibelius、Finale、Doricoに読み込んで使う様子

音楽の採譜ツールを比較したガイドの関連記事です。

楽譜作成ソフトは、楽譜を編集し、レイアウトを整え、印刷するためのものです。録音を聴いて、どんな音が鳴っているかを判断する作業には、AIの採譜を使えます。Songscriptionは音声を解析し、楽譜作成ソフトでそのまま開けるファイルを作ります。耳コピで一から音を拾う代わりに、下書きの楽譜を開いて直すところから始められます。

Sibelius、Dorico、Finaleへ読み込むときは、まず書き出すファイル形式を選びます。

MusicXMLとMIDI、どちらで書き出す?

Songscriptionから書き出せる形式のうち、楽譜作成ソフトで使うのはMusicXMLとMIDIです。保持される情報が違うため、選ぶ形式によって読み込み後の修正の手間が変わります。

MusicXMLは、楽譜の構造を保存する形式です。音符のまとまりや記号、ページ上の配置など、書かれた楽譜全体の情報を保持します。MIDIは演奏データの形式で、どの音をいつ鳴らすかを記録します。記譜に必要な構造はほとんど保証されません。楽譜作成ソフトでどれくらい読みやすく表示されるかは、ファイルの作られ方に大きく左右されます。

MIDIを読み込むと、読みやすい楽譜に整える作業に時間がかかりがちです。具体的にどんな作業が必要かは、MIDIを楽譜に変換するガイドで紹介しています。楽譜を編集するなら、たいていはMusicXMLから始めるほうが手間を抑えられます。MIDIを選ぶとよい場面については、音楽の書き出し形式のガイドを参照してください。

Songscriptionから書き出す方法

Songscriptionに音声をアップロードし、採譜が終わるのを待ちます。MP3やWAVなど、一般的な音声形式を使えます。採譜は通常、短時間で終わります。

採譜が終わったら、書き出す前に画面上のエディターで結果を確認してください。この段階なら数秒で見つかる間違いも、楽譜作成ソフトに読み込んでからでは、できあがった楽譜の中を探すことになります。隅々まで確認する必要はありません。明らかにおかしいところがないか、ざっと見ておきます。採譜の段階でできるだけ正確な結果を得たいときは、AI採譜の精度を上げるためのガイドも参考になります。確認が済んだら、MusicXMLで書き出します。

SibeliusでSongscriptionの採譜結果を使う

Sibeliusは、プロ向けの楽譜作成ソフトとして広く使われています。すでにSibeliusで作業しているなら、その前段階にSongscriptionを使えます。録音をアップロードし、できあがったMusicXMLファイルを、ほかの楽譜と同じようにSibeliusで開きます。

買い切り版の古いSibeliusで新しいMusicXMLファイルを読み込むと、バージョンについての警告が出ることがあります。元の楽譜をどれくらい忠実に再現できるかも、使っているバージョンによって異なります。多くの場合、警告が出てもそのまま進めれば楽譜を読み込めます。現行のサブスクリプション版Sibeliusでは、この警告は出にくくなっています。

FinaleでSongscriptionの採譜結果を使う

Finaleは長年、映画音楽の制作や教育、出版で広く使われてきた、代表的なプロ向け楽譜作成ソフトです。MakeMusicが2024年に開発・販売を終了したため、現在は販売も更新もありません。ただし、インストール済みのFinaleは引き続き動作します。Songscriptionで書き出したMusicXMLも、ほとんどの場合は問題なく読み込めます。

Finaleで何年もかけてテンプレートや独自のライブラリーを作り、操作にも慣れている人は多くいます。販売が終わったという理由だけで、使うのをやめる必要はありません。これから新しく始める人には、MakeMusicはDoricoを案内しています。DoricoでもMusicXMLを問題なく読み込めます。

DoricoでSongscriptionの採譜結果を使う

Doricoは、現在も活発に開発されているプロ向け楽譜作成ソフトの一つです。MusicXMLを問題なく読み込めるので、初めて楽譜作成ソフトを選ぶときの候補になります。ほかの選択肢も比べたいときは、無料の楽譜作成ソフトのガイドを参照してください。

Doricoは、読み込んだファイルから音楽の情報を受け取り、配置は独自のレイアウト機能で整えます。書き出し元の細かな書式をそのまま再現するより、読みやすい配置に整える傾向があります。そのため、ほかのソフトで開いたときとは、楽譜の見た目が少し変わることがあります。

採譜した下書きから作業を始める

AIの採譜を楽譜作成に取り入れると、主に作業の出発点が変わります。録音を聴いて音を拾うところからではなく、すでに音符が並んだ楽譜を開いて始められます。音声はあっても、編集できる楽譜がまだありません。録音から編集できる楽譜を作る作業は、大きな手間になっています。

取りかかってみようと思える曲も変わってきます。いつか採譜したいと思っていた録音、研究したい参考曲、スマートフォンに鼻歌で残したメロディーも、後回しにせず採譜に取りかかれます。具体的な流れは、MP3を楽譜に変換するガイドで紹介しています。

採譜結果は、いつも完全に正確とは限りません。多少の修正は必要になります。それでも、一から楽譜を作るより、下書きを直すほうが早く済む傾向があります。どの楽譜作成ソフトを使っていても、始め方は同じです。Songscriptionに録音をアップロードし、MusicXMLで書き出して、使っているソフトで開きます。

よくある質問

楽譜作成ソフト用にはMusicXMLとMIDIのどちらで書き出せばよいですか?

楽譜を扱うなら、たいていはMusicXMLが向いています。音符のまとまりや記号、配置といった楽譜の情報を保持するので、読み込んだ時点である程度読みやすい楽譜になります。MIDIは、どの音をいつ鳴らすかを記録する演奏データの形式です。記譜に必要な構造はほとんど保証されないため、楽譜作成ソフトに読み込んだあと、読みやすい楽譜に整える手間が増えるのが一般的です。

Songscriptionで書き出したファイルはSibelius、Finale、Doricoで開けますか?

はい。Songscriptionで書き出せるMusicXMLは、Sibelius、Finale、Doricoのいずれでも読み込めます。買い切り版の古いSibeliusで新しいMusicXMLファイルを開くと、バージョンについての警告が出ることがあります。それでも、そのまま進めれば通常は読み込めます。現行のサブスクリプション版Sibeliusでは、この警告は出にくくなっています。

2026年でもFinaleでMusicXMLを読み込めますか?

はい。すでにインストールしてあれば使えます。MakeMusicは2024年にFinaleの開発・販売を終了したため、現在は販売も更新もありません。ただし、インストール済みのFinaleは引き続き動作し、ほとんどの場合はMusicXMLも読み込めます。MakeMusicが現在移行先として案内しているDoricoでも、MusicXMLを問題なく読み込めます。

著者について

Andrew Carlins

著者

Andrew Carlins

Songscription共同創業者・CEO

アンドリューは、弾きたい曲の楽譜が見つからないことにうんざりしていた音楽仲間数人と、スタンフォード大学でSongscriptionを共同創業しました。子どもの頃からピアノとバリトンサクソフォンを演奏し、ミュージカルの舞台にも立っていました。もう何年も舞台には立っていませんが、今も腕は鈍っていないつもりです。録音から音を拾って楽譜にすることについて書いています。

チームについて詳しく見る

同じテーマの記事を読む