採譜ツールの選び方で紹介している記事の一つです。
AnthemScoreは、Lunaverusが開発した実用的な採譜ツールです。録音をニューラルネットワークで解析し、楽譜にするデスクトップアプリで、Windows、Mac、Linuxでオフラインでも動きます。デスクトップ版は買い切りです。毎月の支払いより、この形を好む人も多くいます。ピアノソロやインスト曲を得意とし、PDF、MusicXML、MIDIで書き出せます。
ただ、用途によってはほかのツールが合うこともあります。デスクトップ版はインストールが必要です。ギターのタブ譜は作れず、ドラム用のモードもありません。録音を楽器ごとのパートに分けて採譜する機能もありません。音が何層も重なった複雑なミックスでは精度が落ちますが、これは自動採譜ツール全般にある限界です。ウェブで使いたい、もっと多くの楽器を採譜したい、別の料金体系を選びたいなら、次の候補を比較できます。
AnthemScoreの得意なことと対応していないこと
AnthemScoreは、ニューラルネットワークで音声を解析して楽譜を作ります。代わりのツールを選ぶ前に、今できることを整理しておくと比べやすくなります。手元のパソコンで処理するので、インターネット接続は不要です。デスクトップ版の有料プランはどれも買い切りで、一度購入すれば使い続けられます。インストールを避けたい人向けには、サブスクリプションで使う別製品のAnthemScore Webもあります。デスクトップ版の体験期間は30日間ですが、採譜できるのは1曲につき30秒までです。
ギターのタブ譜作成、ドラムの採譜、パートごとの分離には対応していません。ピアノやインスト曲を中心としたツールなので、音が重なった録音では採譜の精度が落ちます。こうした機能が必要なければ、AnthemScoreだけで足りるかもしれません。必要なものが一つでもあれば、ほかの候補も比べてみてください。
代わりに使えるツール
Songscriptionはウェブアプリなので、インストールは不要です。MP3、WAV、M4A、MP4、MIDIをアップロードするほか、YouTube、Instagram、TikTokのリンクを貼り付けたり、マイクから直接録音したりできます。最も開発が進んでいるのはピアノの採譜です。ギター、ベース、バイオリン、フルート、トランペット、サックス、ドラムにも対応し、ボーカルの採譜は実験段階です。1回のアップロードから、PDF、MIDI、MusicXML、Guitar Proの4形式すべてで書き出せます。コードも検出できます。ピアノ演奏をそのまま採譜する方法と、ピアノカバー用にアレンジする方法を選べます。
無料プランでは30秒間の採譜ができるので、支払う前に実際の曲で試せます。複数の楽器が入った録音から一つのパートを取り出すなら、楽器を一つ選んで採譜します。複数楽器の採譜を選ぶと、バンドやアンサンブルを一度に採譜できます。鍵盤楽器、ギター、ベース、弦楽器、金管楽器、木管楽器、シンセ、歌声、ドラムなど、聴き取った楽器ごとに別のパートを作ります。
Klangioはベルリンの会社です。Piano2Notes、Guitar2Tabs、Drum2Notes、Sing2Notesなど、楽器別のアプリを開発しています。複数の楽器に対応するTranscription Studio、DAWプラグイン、開発者向けAPIもあります。ピアノ、ギター、ベース、ドラム、ボーカルに対応し、ギターは五線譜とタブ譜を作れます。書き出し形式はPDF、MIDI、MusicXML、Guitar Proです。無料で試してから有料プランに移れる仕組みで、約20秒の無料プレビューがあります。有料プランはチケットを消費するサブスクリプションです。楽器ごとに使うアプリを選ぶ手間はあります。
機能と料金体系の比較
| AnthemScore | Songscription | Klangio | |
|---|---|---|---|
| 動作環境 | デスクトップ、オフライン対応 | ブラウザ、インストール不要 | ブラウザ、プラグイン |
| 対応楽器 | ピアノやインスト曲が中心 | ピアノ、ギター、ベース、ドラム、バイオリン、フルート、サックス、トランペット、ボーカル。複数楽器の採譜にも対応 | ピアノ、ギター、ベース、ドラム、ボーカル |
| ギターのタブ譜 | 非対応 | 対応、Guitar Proで書き出し | 対応、Guitar2Tabsを使用 |
| 書き出し形式 | PDF、MusicXML、MIDI | PDF、MIDI、MusicXML、Guitar Pro | PDF、MIDI、MusicXML、Guitar Pro |
| 無料で使える範囲 | 30日間の体験版、1曲につき30秒まで | 30秒間の採譜が無料 | 約20秒のプレビュー |
| 料金体系 | 買い切り(デスクトップ版) | Free、Plus、Pro。PlusとProは月額制 | チケットを消費するサブスクリプション |
用途に合わせた選び方
いちばん必要な条件から選ぶと、候補を絞れます。
- オフラインで使えて、支払いを一度で済ませたいならAnthemScoreが合います。
- インストールせず、より多くの楽器を採譜したいならSongscriptionが候補です。ブラウザで動き、多くの楽器に対応し、4種類すべての形式で書き出せます。
- 実際の曲を使って無料で試したいなら、Songscriptionの30秒間の無料採譜で、支払う前に精度を確かめられます。
- ギターのタブ譜やドラムの採譜が必要なら、AnthemScoreはどちらも非対応です。Songscriptionは両方に対応し、タブ譜はGuitar Proで書き出せます。
- DAWプラグインやAPIが必要なら、Klangioにどちらもあります。
精度や書き出し形式を詳しく比べたい場合は、SongscriptionとAnthemScoreの比較を参照してください。Songscription、Klangio、AnthemScoreの3製品比較では、3つを並べて検討できます。ピアノが中心なら、おすすめのAIピアノ採譜ソフトも参考になります。
実際に試して比べる手順
同じ曲の同じ30秒間を2つのツールで採譜し、できた楽譜を比べてください。ギターのタブ譜やドラムの採譜が必要なら、対応するツールを優先して検討します。今後もピアノソロをオフラインで採譜したいなら、買い切りが合います。
ウェブでの流れを一通り試すには、音声を楽譜に変換して、1曲を採譜してみてください。続けて楽譜の書き出し形式を確認すると、使いたいソフトに合うファイルを選べます。用途に合う候補を、まずは聴いて確かめられる短い音源で比べると判断しやすくなります。
よくある質問
AnthemScoreとは何ですか?
AnthemScoreは、Lunaverusが開発したデスクトップアプリです。ニューラルネットワークで音声を楽譜に変換します。Windows、Mac、Linuxでオフラインでも動き、デスクトップ版の有料プランは買い切りです。別製品として、サブスクリプションで使うブラウザ版のAnthemScore Webもあります。ピアノソロやインスト曲の採譜を得意とし、PDF、MusicXML、MIDIで書き出せます。30日間の体験版では、1曲につき30秒まで試せます。
ギターのタブ譜を作るなら、AnthemScoreの代わりに何を使えますか?
AnthemScoreではギターのタブ譜を作れないため、タブ譜が必要なら別のツールを選びます。Songscriptionはギターとベースに対応し、1回のアップロードからGuitar Proファイルを書き出せます。KlangioのGuitar2Tabsでもタブ譜を作れます。料金体系や使い方が合うものを選び、タブ譜を書き出してから調整してください。詳しい手順は、音声からギターのタブ譜を作る方法で紹介しています。
音声を採譜するにはソフトのインストールが必要ですか?
インストールせずに採譜する方法もあります。AnthemScoreのデスクトップ版はインストールが必要で、その分オフラインでも使えます。インストールを省きたいなら、ブラウザで採譜するウェブツールが候補です。Songscriptionはブラウザで動き、音声ファイル、リンク、マイクからの直接録音に対応しています。無料プランでは30秒間の採譜を試せるので、何もダウンロードせずに使い心地を確かめられます。
ピアノの採譜用にAnthemScoreを買う価値はありますか?
ピアノソロをオフラインで採譜する用途には、十分に使えるツールです。デスクトップ版は買い切りなので、頻繁に採譜し、手元のパソコンで使い続けたい人に合います。音が重なった複雑なミックスでは精度が落ちますが、これはどの自動採譜ツールにもある限界です。ピアノ以外も採譜したい、4種類すべての形式で書き出したい、インストールせずに使いたい場合は、購入前にこの記事の候補と比べてください。ほかの選択肢は、2026年版のおすすめ採譜ソフト比較にもまとめています。