この記事は、音楽の採譜ツールを選ぶためのガイドの一部です。
私たちはSongscriptionを作っているので、この比較には利害関係があります。どちらが合うかは、実際に試して判断してください。ScoreCloudのほうが適しているところも含め、それぞれのツールの得意なところをできる限り公平に比べます。
この2つは一見よく似ていますが、出発点が違います。スウェーデンのDoReMIRによるScoreCloudは、リアルタイム入力を中心に作られています。メロディーを歌ったり、パートを演奏したりすると、その場で楽譜になります。特にMIDIキーボードからの入力を得意としています。Songscriptionは、手元にある録音を楽譜にするためのツールです。MP3やYouTubeのリンク、ネットで見つけた曲から始められます。
ScoreCloudはパソコンにインストールし、歌や演奏を入力して使います。Songscriptionはブラウザで動き、用意したオーディオを採譜します。さまざまな楽器に対応し、1回のアップロードからPDF、MIDI、MusicXML、Guitar Pro形式を書き出せます。共通する機能はありますが、どこから作業を始めるかによって、合うツールは分かれます。
機能を比較
| Songscription | ScoreCloud | |
|---|---|---|
| 対応環境 | ウェブアプリ。インストール不要 | WindowsとMacのデスクトップアプリ |
| 得意なこと | すでにある録音の採譜 | 歌や演奏のリアルタイム入力、MIDIキーボード入力 |
| 入力方法 | ファイルのアップロード、YouTube、リアルタイム録音、MIDI | マイクやMIDIキーボードからのリアルタイム入力、オーディオの読み込み |
| 楽器 | ピアノ、ギター、ベース、バイオリン、ドラム、ボーカルなど | 単一の楽器やボーカルを入力して採譜 |
| 書き出し形式 | PDF、MIDI、MusicXML、Guitar Pro | PDF、MIDI、MusicXML |
| 料金 | 無料枠と有料プラン | 無料枠と有料プラン |
ScoreCloudが得意なこと
ScoreCloudの強みはリアルタイム入力です。MIDIキーボードをつないでパートを弾くと、演奏に合わせて正確に楽譜が作られます。MIDIから正確な音符のデータが渡されるためです。歌を入力すれば、メロディーが楽譜になります。手元のオーディオファイルも読み込めますが、リアルタイム入力ほど得意ではありません。まず演奏してから楽譜にするなら、ScoreCloudが合っています。
Songscriptionが得意なこと
これから演奏する音ではなく、完成した録音から始めるなら、違いがはっきりします。多くの場合、手元にあるのは録音です。元のアーティストにマイクの前で演奏してもらうわけには、なかなかいきません。
- 手元の録音を採譜。 MP3、WAV、動画をアップロードするか、YouTubeのリンクを貼り付けます。自分で作っていない録音もニューラルモデルで採譜できます。リアルタイム入力では扱えない音源です。
- 複数の楽器と4つの形式に対応。 ピアノ、ギター、ベース、バイオリン、ドラム、ボーカルなどに対応しています。1回の処理で、PDF、MIDI、MusicXMLに加え、Guitar Pro形式も書き出せます。
- インストール不要。 Songscriptionはブラウザで動くので、Chromebookや学校のパソコン、スマートフォンで設定せずに使えます。ScoreCloudを使うにはデスクトップ版が必要です。
- ピアノロール編集とコード検出。 処理後にピアノロールで音符を調整できます。コードも表示されます。
- 短い録音は無料で採譜。 無料枠では30秒のクリップを採譜できます。有料プランを選ぶ前に、手元の録音で試せます。
- アレンジと難易度の調整。 ピアノカバーモードは、どんな曲もピアノのパートに変換します。難易度調整機能では、演奏する人の技量に合わせて曲を調整できます。
どちらも、ほかの採譜ツールと同じように、あとで手直しが必要な楽譜を作ります。AIでピアノ曲を採譜する方法では、きれいな楽譜を作るための方法を紹介しています。自分の演奏を録音することが多いなら、ピアノの即興演奏から楽譜を仕上げる方法も参考になります。どちらのツールの出力も楽譜編集ソフトに読み込めます。AI採譜と楽譜作成ソフトの使い方もご覧ください。
どちらを選ぶ?
何から始めるかで選べます。アイデアを演奏したり歌ったりしながら楽譜にしたいなら、ScoreCloudが向いています。実績のあるデスクトップツールで、特にMIDIキーボードでの入力に向いています。録音から始めたい場合や、インストールせずに使いたい場合は、Songscriptionが合っています。対応する楽器や書き出し形式の多さ、アレンジや難易度の調整を重視する場合も同じです。ブラウザで実際の録音を楽譜に変換して、仕上がりを確かめてみてください。
よくある質問
ScoreCloudとは何ですか?
ScoreCloudは、10年以上にわたって音楽認識に取り組んできたスウェーデンの企業DoReMIRによる記譜・採譜ソフトです。WindowsとMacのデスクトップアプリとして動きます。歌や演奏を入力したり、オーディオやMIDIを読み込んだりすると、編集できる楽譜に変換します。特にMIDIキーボードからリアルタイムで演奏を入力するときに力を発揮します。
録音の採譜にはSongscriptionとScoreCloudのどちらが向いていますか?
手元の録音やオーディオファイル、YouTubeのリンクから始めるなら、その用途に作られたSongscriptionが合います。ブラウザで動作し、実際の録音で学習したニューラルモデルを使います。ScoreCloudもオーディオを読み込めますが、歌や演奏をリアルタイムで入力するのが得意です。その場の演奏を記録するならScoreCloud、すでにある録音を楽譜にするならSongscriptionが合っています。
ScoreCloudはウェブで使えますか? デスクトップ専用ですか?
ScoreCloudの主な製品は、WindowsとMac向けのデスクトップアプリです。iOSアプリのScoreCloud Expressは2024年末にApp Storeから削除されたため、デスクトップ版を使うことになります。Songscriptionはインストール不要で、ブラウザだけで動きます。Chromebookや借りたパソコン、スマートフォンで作業したいときには、この違いが使い勝手に関わります。
対応する楽器や形式が多いのはどちらですか?
どちらもPDF、MIDI、MusicXMLを書き出せ、単一の楽器の採譜を得意としています。SongscriptionはGuitar Pro形式にも書き出せます。ギター、ベース、バイオリン、ドラム、ボーカルなどの楽器別モデルに加え、ピアノカバーモードと難易度の調整機能があります。ScoreCloudは歌や演奏から楽譜を作る流れに重点を置き、リードシートの作成を得意としています。リアルタイム入力と、対応楽器や形式の幅のどちらを重視するかで選べます。