映画やドラマのテーマ曲は、公式のピアノ譜が出ていないものがほとんどです。弾くには、サウンドトラックから採譜するのが唯一の方法ということも少なくありません。音楽がはっきり聴こえる音源をAI採譜ツールに読み込ませ、ピアノアレンジを作ったら、弾ける形まで音を減らします。タイトル画面からずっと頭に残っているテーマ曲も、エンドロールに流れる曲も、楽譜を読みながら練習できます。
ただ、テーマ曲はオーケストラや電子楽器、バンドのために書かれています。鍵盤の上で両手だけで弾く曲ではありません。音を拾ったあとは、ピアノ曲として弾けるように整える作業が残っています。
テーマ曲の楽譜が見つかりにくい理由
誰もが口ずさめるような有名な映画のテーマ曲は、公式のピアノ曲集に収録されることがあります。まずは曲集を探してみてください。ただ、収録されるのは映画音楽のほんの一部です。大事な場面で静かに流れるモチーフや、終盤に流れる変奏、一度だけ登場する愛のテーマなど、曲集には載らない曲がたくさんあります。テレビ作品はさらに見つかりにくく、タイトル曲やエンドロールの曲、配信ドラマの中で流れる音楽は、大勢に見られている作品でも楽譜が出版されることはまれです。
公式の楽譜がない曲には、ファンが作ったアレンジがあります。丁寧で正確なものもありますが、調が違ったり、曲らしさを作っているハーモニーが抜けていたり、弾きたい難易度と合わなかったりします。アニメのオープニング曲についても同じことが言えます。詳しくはアニメソングをピアノで弾く方法で紹介しています。アレンジを探す時間が、実際に弾く時間より長くなることもあります。
自分で採譜すれば、欲しいアレンジを誰かが作っているか探し続けずに済みます。実際の音源をもとに、好みの形の楽譜を作れます。ピアノカバーの作り方では、映画やドラマの曲に限らず使える手順を紹介しています。
音楽がはっきり聴こえる音源を用意する
採譜の出来は元の音声に左右されます。手持ちの音源や合法的に使える音源の中から、できるだけ音楽がはっきり聴こえるものを選んでください。サウンドトラックのアルバムや映画音楽の音源、購入した曲は、作品から切り出した音声より適しています。切り出した音声では、セリフや効果音、笑い声が音楽に重なっているからです。映画やドラマの音声は場面に合わせてミックスされているので、テーマ曲がセリフや効果音に埋もれがちです。音楽だけに近い音源ほど、よい結果を得やすくなります。
曲の編成によっても採譜のしやすさは変わります。ピアノソロのテーマ曲や、薄いパッド音の上にはっきりしたメロディーが乗っている曲は、モデルが音を取り違えにくく、正確に採譜しやすいです。一方、弦楽器、金管楽器、打楽器、合唱が一斉に鳴る壮大なオーケストラのタイトル曲は、音が密集していて1回では捉えにくくなります。まずメインテーマの旋律を採譜し、残りは次に取り組んでください。音が重なったミックスは、パートごとに音を拾うとうまくいきます。オーケストラの音源は、その中でも特に音の重なりが厚いものです。
Multi-Instrumentは弦楽器、金管楽器、木管楽器を認識するため、1回で曲の各パートの下書きを作れます。ただし、このように音が絶えず重なる曲では、特に多くの修正が必要になると考えてください。
ピアノ用に採譜してアレンジする
音楽がはっきり聴こえる音源を用意できたら、曲の音声ファイルをアップロードするか、リンクを貼り付けます。Songscriptionが調、テンポ、拍子記号を検出して自動で採譜し、楽譜、MIDI、操作できるピアノロールを作ります。もともとピアノ向きのテーマ曲なら、採譜だけで作業の大部分が終わります。
映画やドラマの曲の多くは、ピアノ向きには書かれていません。オーケストラや電子楽器の曲で、複数のパートを両手だけでは同時に弾ききれないからです。アレンジモードでは、オーケストラのパートを一人で弾けるように振り分け、テーマ曲をピアノソロ用に書き直します。大譜表の左手用と右手用の譜表にも、自動で音符を振り分けます。60人の演奏者のために書かれた曲も、弾けるピアノ版になります。
できた楽譜はMusicXMLで書き出して楽譜編集ソフトで使うことも、ピアノロールから直接覚えることもできます。映画音楽のためのAI採譜では映画音楽の音源を扱う方法を詳しく紹介しています。採譜には音声から楽譜を作るツールを使えます。
弾きやすくして練習する
大編成のオーケストラのテーマ曲を忠実にアレンジすると、弾く音が多くなりすぎることがあります。元の音が絶えず厚く重なっている曲では、なおさらです。難易度調整機能は、選んだ難易度に合わせて楽譜を簡単にします。音の多い和音や忙しく動く内声を間引くので、今の自分に合った形で弾けます。弦楽器セクション全体の音を両手で抱え込まなくても、メロディーとテーマ曲の持ち味は残ります。どんな曲でも簡単なピアノアレンジにする方法では、この機能を詳しく紹介しています。
楽譜ができたら、ピアノロールを見ながら覚えます。旋律や難しいフレーズ、速いフレーズを追えるところまで再生速度を落とし、音の並びが手になじむまでその部分をさらってください。余裕を持って弾けるようになったら、元の再生速度に戻します。好きな音源をもとにしているので、誰かの推測に頼ったアレンジではなく、頭に残っているテーマ曲の演奏に沿って練習できます。
著作権について
合法的に所有している曲を自分の練習用に採譜するなら、一般には問題ありません。手元にある音楽を聴いて弾き方を覚えるのは、演奏する人が昔から耳でやってきたことです。一方、権利を持っていない曲を採譜した楽譜を出版、投稿、販売するには、通常、権利者の許可が必要です。映画やドラマの音楽は著作権で保護されており、権利は映画会社や音楽出版社が持っていることもよくあります。公式の楽譜がなくても、それは変わりません。
これは一般的な案内であり、法的助言ではありません。自分だけで練習することと配布することは別です。作ったものを共有したり収益化したりするなら、事前にその曲の権利関係を確認するか、専門家に相談してください。ゲームやアニメの音楽を採譜する方法でも、同じように親しまれながら、印刷された楽譜を見つけにくい曲を扱っています。
よくある質問
映画のテーマ曲の楽譜はどこで見つかりますか?
有名な映画のテーマ曲の一部は、公式のピアノ曲集に収録されています。まずは曲集を探してみてください。それ以外の映画曲や、テレビ・配信作品のテーマ曲のほとんどは出版されていません。サウンドトラックから採譜するのが確実です。音楽がはっきり聴こえる音源をAI採譜ツールに読み込ませると、楽譜を見ながら弾けるピアノアレンジを作れます。
ドラマのテーマ曲をピアノで弾くにはどうすればいいですか?
音楽がはっきり聴こえる音源からピアノ用に採譜し、弾きやすくしてから練習します。音声をアップロードするかリンクを貼り付けると、ツールが楽譜、MIDI、ピアノロールを作ります。アレンジモードでピアノソロ用にし、音が詰まりすぎていたら難易度を下げます。ピアノロールの再生速度を落とし、難しいフレーズが手になじむまでさらいます。
AIで映画音楽のテーマ曲を採譜できますか?
はい。AIはメインテーマの旋律を比較的うまく採譜できます。調、テンポ、メロディーを検出し、ピアノアレンジを作ります。弦楽器、金管楽器、打楽器、合唱が一度に鳴るような厚いオーケストラの音は、1回で捉えるのが難しくなります。まずメロディーを担当するパート、次にその下で鳴るパートというように、パートを一つずつ採譜するとよい結果につながります。
映画のテーマ曲を採譜しても合法ですか?
自分だけの練習用なら、耳で聴いて曲を覚えるのと同じように、一般には問題ありません。権利を持っていない曲を採譜した楽譜を配布、投稿、販売するには、通常、権利者の許可が必要です。映画やドラマのテーマ曲は、公式の楽譜がなくても著作権で保護されています。これは一般的な案内であり、法的助言ではありません。
