バンドのデモ音源を楽譜にするには、録音をSongscriptionにアップロードしてMulti-Instrumentを選びます。ボーカル、ギター、ベース、鍵盤、ドラム、ホーンや弦楽器など、聴き取った音を楽器ごとのパートに分けます。1回の変換で、複数の譜表を使った楽譜とマルチトラックMIDIができます。各パートを確認し、特に必要なパートは単独で変換し直してから、バンドに必要な形式で書き出します。
デモ音源からは、曲のリードシート、新しいベーシストのパート譜、ギタリストのタブ譜、セッションドラマーのドラム譜、制作用のMIDIを作れます。作った曲を日付入りの楽譜として残すこともできます。
デモ音源を楽譜にする理由
デモ音源は、曲を最初から最後まで残した唯一の記録であることが多いものです。ただ、録音だけでは人に渡して使ってもらいにくいこともあります。録音を採譜すれば、代役が初見で読める譜面や、プロデューサーがセッションに取り込めるMIDIを作れます。作った曲をそのまま楽譜に残せば、ブリッジのコードが何だったか迷ったときにも確かめられます。
自分たちの曲は、耳と記憶を頼りに覚えるバンドが多いでしょう。けれど、メンバーが抜けたり、セッション奏者に1日だけ参加してもらったり、プロデューサーからベースラインのMIDIを求められたりしたら、録音を音符にする必要が出てきます。
採譜しやすいデモ音源の録り方
すべての楽器が聴こえるように、曲を最初から最後まで一定のテンポで録音します。リハーサル室でスマホを使ってもかまいません。ドラムやギターアンプの近くではなく、バンド全体がバランスよく聴こえる場所に置きます。最も音量の大きいサビでも音が歪まないように調整し、テンポが揺れるときはクリックに合わせて演奏します。録音が明瞭なほど、各パートも正確になります。
録音するときは、次の点も意識してみてください。
- 1曲を1ファイルに収めます。 カウントイン前後の会話や、テイクの合間に弾いた音は切り取ります。
- ボーカルを少し大きくします。 歌声が部屋の音に埋もれると、ボーカルパートの音符が少なくなります。ボーカルマイクを小型のPAにつなぐと聴き取りやすくなります。
- 2本のギターを聴き分けやすくします。 同じ音域で同じコードを弾くと、2本を区別しにくくなります。ボイシングを変えるか、どちらかがカポを使うと、より正確に採譜できます。
- マルチトラック録音があれば使います。 DAWで楽器ごとにトラックを分けて録音した場合は、各トラックを別々に採譜すると最も正確な結果が得られます。ステムは使っても使わなくてもかまいません。
バンド全体の録音を楽譜にする方法では、バンドの録音を採譜する3つの方法を比べています。
デモ音源からパート譜を作る
音声または動画ファイルをアップロードし、楽器の選択画面でMulti-Instrumentを選びます。MP3、WAV、FLAC、M4A、MP4などを使えます。聴き取った楽器ごとにパートが分かれた楽譜と、同じパートを別々のトラックに収めたマルチトラックMIDIができます。鍵盤パートは左手と右手に分かれます。
再生しながらパートを一つずつ確認します。音が多いところは再生速度を落として聴いてください。
- まずボーカル。 曲のメロディーなので、音が合っているか確かめます。ハーモニーはリードと同じ1つのボーカルトラックに入るため、書き分けたいときは手作業で分けます。
- 次にベース。 オクターブと、キックに重なる音を確認します。
- ギターと鍵盤。 音域が重なるので、音符が別のパートに混ざっていないか確認します。
- 最後にドラム。 グルーヴとバックビートを確認します。フィルは簡略化してもかまいません。
できた楽譜は、まず下書きとして確認します。楽譜表示やピアノロールで音の高さを直したり、音符を移動・削除したり、タイミングを調整したりできます。エディターのアシスタントAnnieに、変更したい内容を普段の言葉で伝えることもできます。編集はすべて元に戻せます。
1回の採譜から作れるもの
1回のアップロードから、リードシート、パート譜、ギターのタブ譜、ドラム譜、マルチトラックMIDI、MusicXMLの6種類を作れます。バンドのメンバーや制作に関わる人が、それぞれの用途に使えます。パートを確認したら、ほとんどはダウンロードメニューから直接取得できます。
| 作れるもの | 使う人 | Songscriptionでの作り方 |
|---|---|---|
| リードシートまたはコード譜 | バンド、代役、曲を覚える歌い手 | リードシートにアレンジし、音源から検出したコード記号をメロディーに付ける |
| パート譜 | 新しいメンバーやセッション奏者 | Multi-Instrumentで作った楽譜から各パートをPDFで書き出す |
| ギターのタブ譜 | ギタリスト | ギターを選んで変換し直し、PDFまたはGuitar Pro形式で書き出す |
| ドラム譜 | セッションドラマーや新しいドラマー | Multi-Instrumentのドラムパートを使うか、ドラムを選んで変換し直して精度を上げる |
| マルチトラックMIDI | プロデューサーや自分のDAWで制作する人 | Multi-Instrumentから、楽譜に合わせたMIDIまたは生のMIDIをダウンロードする |
| MusicXML | 楽譜作成ソフトで仕上げる人 | MuseScore、Sibelius、Finale、Doricoで使えるMusicXMLを書き出す |
曲のリードシート
リードシートは、メロディーを1つの譜表に書き、その上にコード記号を付けた譜面です。人に手早く曲を伝えたいときに使えます。Songscriptionは音源からコードを検出し、リードシートにまとめられます。バンドのボイシングは教科書どおりのコード構成とは限らないので、ギタリストが実際に弾いているコードと楽譜のコード記号を照らし合わせてください。歌詞はエディターで追加できます。
セッション奏者や新しいメンバーのパート譜
新しいベーシストが入ったら、楽譜全体ではなくベースパートを渡せます。採譜した各楽器のパートは、それぞれPDFで書き出せます。できるだけ正確なパート譜が必要なら、単一楽器モードで変換し直してください。選んだ楽器だけを聴き取り、ミックス内のほかの音は除きます。単一楽器の採譜はピアノ以外すべてベータ版なので、変換し直した譜面も確認してください。
ギターのタブ譜とドラム譜
ギタリストにはタブ譜があると便利です。単一楽器モードでギターを選ぶと、五線譜と一緒にタブ譜ができます。Guitar Pro形式でも書き出せます。ドラム譜はMulti-Instrumentの楽譜から取り出すか、ドラムだけを選んで変換し直して作れます。ドラムだけを選んだ場合も、バンド全体のミックスからドラムセットを聴き取ります。音の多いフィルやシンバルが多いフレーズは修正が必要なこともあります。AIでドラムを採譜する方法で、変換結果について詳しく説明しています。
プロデューサーに渡すマルチトラックMIDI
MIDIをダウンロードすると、ドラム、ベース、ギター、鍵盤、シンセがそれぞれ別のトラックに入ります。楽譜に合わせたMIDIはグリッドに沿っており、エディターでの修正も反映されます。生のMIDIには、バンドの元のタイミングとベロシティーが残ります。プロデューサーには両方が役立つこともあります。DAWで曲を再現する方法では、読み込みから音作りまでを順に説明しています。音源からマルチトラックMIDIを作るページでは、ファイルの内容を確認できます。
曲を楽譜として残す
メロディーと歌詞を書き込んだ日付入りの楽譜は、何をいつ作ったかを示す記録になります。曲の著作権登録を考えている場合は、曲の著作権を登録する方法で、手続きの中で楽譜や記譜がどう関わるかを説明しています。この記事は一般的な情報であり、法的助言ではありません。個別の状況については専門家に相談してください。
所要時間と料金
採譜自体は短時間で終わります。確認にかかる時間は、曲の音数によって変わります。無料アカウントでは30秒の音源でMulti-Instrumentを試せます。カード登録なしで14日間の無料トライアルを始めることもできます。Plusは月60分まで、1回の採譜につき最大15分まで使えるので、デモ音源を1曲通して採譜できます。Proは月300分まで使えます。
一般的な4分のデモなら、アップロードにかかる時間はわずかです。パートごとの確認には、リハーサルの休憩時間くらいを見込んでください。セットリスト全体を採譜するなら確認に時間がかかるので、ほかの人が読むパートから取りかかるとよいでしょう。
よくある質問
ボーカル、ギター、ベース、ドラムが入ったバンドのデモ音源から、楽器ごとのパート譜を作るにはどうすればいいですか?
デモ音源をSongscriptionにアップロードし、Multi-Instrumentを選びます。ボーカル、ギター、ベース、鍵盤、ドラムなど、聴き取った楽器ごとにパートを分け、複数の譜表を使った楽譜とマルチトラックMIDIを1回で作ります。エディターで各パートを確認し、より正確に仕上げたいパートは単一楽器モードでやり直します。その後、PDF、MusicXML、MIDI、Guitar Pro形式で書き出せます。
バンド全体のデモ音源から楽器ごとにMIDIトラックを分けるには、どのツールが適していますか?
SongscriptionのMulti-Instrumentモードを使います。ミックスされたデモ音源を1回聴き取り、楽器ごとにトラックを分けた1つのMIDIファイルを作ります。Ableton Live、Logic Pro、FL Studio、GarageBandにドラッグして使えます。エディターでの修正を反映した、楽譜に合わせたMIDIと、バンドの元のタイミングや演奏の感じを残した生のMIDIをダウンロードできます。
ドラム、ベース、ギターを同時に楽譜にできるソフトはありますか?
SongscriptionのMulti-Instrumentなら、同じ録音からドラム、ベース、ギターに加え、ボーカル、鍵盤、ホーンや弦楽器も1回で別々のパートにできます。特定のパートをできるだけ正確に仕上げたいときは、単一楽器モードでその楽器を選びます。モデルはミックス内のほかの音を除き、選んだ楽器だけを聴き取ります。
バンドのデモ音源からギターのタブ譜を作れますか?
はい。Multi-Instrumentではギターが独立したパートになります。タブ譜が必要なら、単一楽器モードでギターを選んでデモ音源をもう一度変換します。ギターだけを聴き取り、五線譜とタブ譜を作ります。PDFやGuitar Pro形式で書き出せます。ギターの採譜はベータ版なので、速いフレーズやベンドは確認してください。
リハーサルをスマホで録音した音源でも使えますか? スタジオで録ったデモが必要ですか?
スマホの録音でも使えます。Multi-Instrumentはアップロードしたミックスを採譜するので、リハーサル室のボイスメモから始められます。録音が明瞭なほどパートも正確になるため、スマホはバンド全体がバランスよく聴こえる場所に置いてください。ドラムセットからは離し、音量が大きいサビでも音が歪まないようにします。
まとめ
デモ音源だけで曲の内容を把握できるのは、演奏したメンバーに限られます。楽譜にすれば、新しいベーシストはボイスメモの代わりにパート譜で曲を覚えられます。プロデューサーも耳で聴いて曲を再現するところから始めずに、マルチトラックMIDIを使えます。ブリッジの進行を忘れたときには、バンドで楽譜を見返せます。
1つのパートしか採譜できないツールでは、楽器ごとに同じ作業を繰り返します。SongscriptionのMulti-Instrumentモードなら、バンド全体を1回で採譜できます。特に必要なパートを単独で変換し直して、それぞれが使う形式で書き出すこともできます。次のリハーサルを録音したら、アップロードしてデモ音源の楽器をまとめて採譜できます。