作曲・ソングライティングのためのAI採譜ガイドの関連記事です。
ジャムセッションでは、楽譜に書き留めないままのいいフレーズが生まれます。全員の演奏がぴたりとかみ合ったときのベースライン。思わず顔がほころんだ、コード進行が折り返すところ。サビへの流れを作ったドラムのフィル。次のリハーサルでは、もう半分うろ覚えです。そこから曲を育てるはずが、同じ演奏を思い出すのに1時間かかってしまいます。
録音して楽譜に残せば、次はその続きから始められます。セッションを録音し、残したいところを切り出して、Songscriptionで読みやすい楽譜にします。メンバーも事前にパートを確認してから集まれます。採譜するときは、全パートをまとめて処理するか、楽器ごとに進めるかを選びます。
セッションを最初から最後まで録音する
録り逃したパートは楽譜にできないので、最初の1拍目から録音してください。ジャムでいい演奏が生まれるタイミングは、前もって分かりません。いいところだけを狙って録るより、セッション中は録音を回し続けるほうが確実です。
楽器ごとにトラックを分けられるなら、分けて録音します。ほかのパートの音が混ざらないので、ずっときれいに採譜できます。部屋に置くマイクが1本しかなくても、録音は残せます。パートはあとから分離できます。まずは、その場でバンドが演奏した音を、そのまま録っておいてください。
残したいところを切り出す
2時間のジャムでも、大半はアイデアを探している時間です。その中に、曲につながる演奏がいくつか埋もれています。録音を聴き返して、今聴いてもいいと思うところに印を付けます。しっくりはまったグルーヴ、意外なところに着地したコード進行、曲の核になったリフなどです。採譜する前に、その部分だけを切り出してください。試し弾きまで楽譜にする必要はありません。長くとりとめのない録音より、短くまとまった録音のほうが採譜も正確になります。
全パートをまとめて採譜するか、楽器ごとに採譜するか
バンドのジャムを手早く採譜するなら、複数の楽器をまとめて処理するMulti-Instrumentを使います。アップロード時に選ぶと、Songscriptionがバンド全体を一度に採譜します。聴き取った楽器ごとにパートが分かれます。対象は鍵盤、ギター、ベース、弦楽器、金管楽器、木管楽器、シンセ、ボーカル、ドラムです。採譜後は、エディターで各パートをひととおり確認してください。
一つのパートをできるだけ正確に残したいときは、その楽器を選んで個別に採譜します。モデルがミックスから対象の楽器を分離します。手順は増えますが、1回の採譜で一つの楽器に絞るため、そのパートをきれいに採譜できます。各メンバーの演奏を楽譜にするなら、この方法が向いていることも多いです。
- ピアノや鍵盤のパートには、最も改良が進んでいるピアノモデルを使います。ジャムのコードやハーモニーの土台を楽譜にします。
- ベースのパートを採譜します。低音の単音フレーズは、きれいに採譜できます。精度を上げる方法は、ベースラインの採譜ガイドで紹介しています。
- ギター、ドラムなど、残りの楽器もそれぞれのモデルで一つずつ採譜します。
- マイク1本で録音した場合は、先に楽器ごとのステムに分離します。ほかの楽器の音が混ざりにくくなり、対象の楽器を聴き取りやすくなります。
バンド全体が入った録音は、採譜が最も難しいケースです。バンド全体の録音を採譜するガイドでは、二つの方法を詳しく説明しています。ミックス全体をピアノ用にアレンジするほうが向いている場面も紹介しています。
各パートを読みやすい楽譜に整える
採譜ができたら、バンドで使う楽譜に何を書くかを考えます。曲全体を把握するには、メロディーとコードを書いたリードシートで足りることも多いです。形式については、リードシートのガイドで説明しています。ベースのグルーヴやピアノのバッキングなど、具体的な演奏を伝えるなら、そのパートをすべて書いた楽譜のほうが分かりやすくなります。
ピアノロールで各パートを整えます。余計な音符を直し、適切なキーと拍子を設定してください。リズムも、ひと目で読める形にします。演奏の仕事では、こうして短時間で楽譜を用意することがよくあります。セッションミュージシャンのためのAI採譜ガイドでは、その手順を詳しく紹介しています。
バンドで共有する
次のリハーサルまでに楽譜を書き出して、メンバーに送ります。Songscriptionでは、各パートをPDF、MusicXML、MIDIで書き出せます。PDFは印刷にもスマートフォンで読むのにも使えます。MusicXMLなら、各自の楽譜作成ソフトで編集できます。MIDIは、音楽制作をするメンバーがDAWに取り込めます。ギターだけを選んで採譜したパートは、Guitar Pro形式のタブ譜でも書き出せます。
各メンバーに自分のパートを送っておけば、何を弾いたかを確認してから集まれます。記憶を頼りに演奏を再現する時間も省けます。録音からメンバー用の楽譜を用意する手順は、録音からバンドのパート譜を作る方法で紹介しています。ジャムから1曲が完成したら、バンドのデモを採譜して、リードシート、タブ譜、マルチトラックMIDIに残せます。普段から楽譜を共有するグループには、その使い方に合わせたアンサンブル向けのツールもあります。
その場限りになりそうだったジャムが、次のリハーサルで合わせられる曲として残ります。
よくある質問
複数の楽器が入ったジャムセッションの録音は、どう採譜しますか?
アップロード時に、複数の楽器をまとめて採譜するMulti-Instrumentを選びます。Songscriptionが録音全体を一度に採譜し、聴き取った楽器ごとにパートを分けます。対象は鍵盤、ギター、ベース、弦楽器、金管楽器、木管楽器、シンセ、ボーカル、ドラムです。各パートはPDF、MIDI、MusicXMLで書き出せます。採譜後は、エディターで各パートをひととおり確認してください。一つのパートをできるだけ正確に採譜したいときは、その楽器を選びます。モデルがミックスから対象の楽器を分離して採譜します。どちらのモードもステムは不要ですが、音が混み合った録音では、別々のトラックや楽器ごとに分離したステムを使うと、よりきれいに採譜できます。
ジャムセッションはマイク1本で録音するのと、トラックを分けるのと、どちらがいいですか?
楽器ごとにトラックを分けると採譜しやすくなりますが、部屋に置いたマイク1本でも、その場の演奏を残せます。まずは録音しておいてください。楽器ごとに別のトラックへ録音すれば、ほかの楽器の音が混ざらず、各パートをずっときれいに採譜できます。マイク1本の録音からもパートを取り出せます。先にステム分離をすると、さらに採譜しやすくなります。ただし、音が重なる箇所は修正が多くなります。
セッションの楽譜をバンドで共有するには、どうすればいいですか?
演奏中に読むためのPDFと、編集したいメンバー向けのMusicXMLまたはMIDIで、各パートを書き出します。曲全体の流れを伝えるにはリードシートが向いています。楽器ごとの演奏は、それぞれのパート譜にすると読みやすくなります。次のリハーサルまでに楽譜を送っておけば、各自がパートを確認してから集まれます。
AIでバンド全体を一度に採譜できますか?
はい。SongscriptionのMulti-Instrumentモードは、バンドの録音を一度に採譜し、聴き取った楽器ごとにパートを分けます。対象は鍵盤、ギター、ベース、弦楽器、金管楽器、木管楽器、シンセ、ボーカル、ドラムです。複数の譜表に分かれた楽譜と、マルチトラックMIDIが得られます。まだ改良を続けているため、採譜後に修正が必要な箇所もあります。一つのパートをできるだけ正確に採譜したいときは、その楽器だけを選んで採譜してください。パートを分けずに曲全体の感じをつかみたいなら、ミックス全体をピアノで弾ける一つのパートにまとめる方法もあります。各メンバーの演奏を楽譜に残す用途とは使い分けてください。
