チュートリアル採譜Andrew Carlins•読むのに約8分

耳コピが上達する練習の進め方

耳コピに必要な力は、練習で身につきます。好きな曲を使って日々練習し、自分で聴き取った音をAIの採譜と比べて答え合わせをします。

実際の曲で音程、コード、リズムを聴き取る、耳コピ上達のための練習

耳コピには、二つの音の隔たりを聴き分ける力、曲のキーをつかむ力、コードやリズムを追う力が必要です。どれも、実際の曲で聴くところを絞り、こまめに練習すると伸びていきます。生まれつき耳がよい人だけの特技に思えても、一つひとつは練習で身につくものです。どうしてもできないと感じるときも、ほとんどは、こうした個々の力をまだ十分に鍛えていないことが理由です。

練習には、単独の練習問題よりも実際の曲を使います。まず自分で聴き取り、そのあとAIの採譜と比べれば、どこを聴き違えたかも確かめられます。耳コピの具体的な手順をまとめた耳コピの進め方とあわせて、日々の練習に使える方法です。

耳コピに必要な力は練習で身につきます

耳コピが速い人は、同じ音の動きを何度も聴いて、すぐに分かるようになっています。完全5度やii-V-Iというコード進行を繰り返し聴くうちに、よく知っている顔を見分けるように、その響きから名前が浮かぶようになるのです。この聴き分ける力は、練習で身につきます。たまに長時間取り組むより、短い時間でも、聴くところを決めてこまめに続けるほうが効果的です。すでに分かるものを繰り返すより、聴き分けにくいものに絞って練習します。

楽譜をすらすら読めなくても始められます。音楽理論を少し知っていると、聴こえたものに名前をつけやすくなります。どのくらいの知識が必要かは、耳コピに音楽理論は必要かで説明しています。

まずは音程を聴き分けます

最初に力を入れたいのは、二つの音の隔たりである音程を聴き分け、名前を言えるようにする練習です。メロディーは音程の連なりなので、たとえば完全4度上がってから長2度下がると分かれば、その動きを書き留められます。

よく使われる覚え方は、知っている曲の出だしと音程を結びつける方法です。完全4度なら「Here Comes the Bride」の出だし、完全5度なら「スター・ウォーズ」のテーマの冒頭、オクターブなら「虹の彼方に」の跳躍です。まずはいくつか選び、響きを聴いたらすぐ名前が浮かぶまで繰り返します。慣れてきたら、ふだん聴くメロディーの音程も言い当ててみてください。名前を言う前に二つの音を歌い返すと、覚えやすくなります。

最初にキーと拍をつかみます

一音ずつ聴き取る前に、曲全体の手がかりを探します。まずはキーです。曲が落ち着くと感じる音を口ずさみ、楽器で同じ音を探してください。それが主音です。主音が分かると、曲の音の多くがどのスケールに含まれるかをつかめます。次は拍です。曲に合わせて手で拍を取り、拍を数えながら、強い拍がどこに来るかを確かめます。これで、リズムを聴き取るための枠組みができます。両方の探し方は、曲のキーとBPMを調べる方法にまとめています。

キーが分かれば、音の候補を12音からスケール内の7音へと絞れるので、合う音を見つけやすくなります。最初にここを確かめないと、手がかりがないまま音を探し続けることになります。

コードとベースラインを聴き取ります

コードは複数の音が同時に鳴るので、メロディーより聴き取りにくく感じます。そこで、まずベース音に耳を向けます。一番低い音は、多くの場合、そのコードのルートです。ルートが分かれば、あとは3rd(ルートから3度上の音)を聴いて、メジャーかマイナーかを判断します。ポップスでは、限られた種類のコード進行が繰り返し使われます。練習を重ねると、I-V-vi-IVのような進行も、ひとまとまりで分かるようになってきます。

ベースライン、コード、その上のメロディーという順番なら、先に聴き取った音を手がかりに、次の音の候補を絞れます。この練習には、好きな曲を細かく聴いて調べる方法が向いています。好きな曲を分析するでも、この考え方を取り上げています。

毎日の練習の流れ

週に一度2時間取り組むより、毎日15〜20分、集中して練習するほうが効果的です。次の流れを繰り返します。

  • 最初の2〜3分は、いくつかの音程を聴き分けます。二つの音を聴いて、すぐに音程の名前を言えるように練習します。
  • 実際の曲から4〜8小節の短いフレーズを選びます。最初から曲全体に取り組む必要はありません。
  • キーと拍をつかみます。
  • ベース、コード、メロディーの順に聴き取ります。短い部分を繰り返し再生し、再生速度を変えられるなら遅くします。
  • 楽器で一音ずつ探す前に、聴こえたフレーズを歌い返します。そのあと、楽器で同じ音を探します。
  • 録音と聴き比べて、間違えた音やコードを具体的に書き留めます。翌日の最初の練習では、その音やコードを聴き分けます。

ピッチを変えずに再生速度を落とせると、この練習に役立ちます。詳しくは、ピッチを変えずに曲をゆっくり再生する方法を参照してください。

AIで答え合わせをします

耳を鍛えたいときは、自分で音を探す過程そのものが練習になります。AIにすべて任せると、その練習を飛ばしてしまいます。まず短いフレーズを自分で採譜してから、同じ録音をAIで採譜して比べます。

この順番で使うと、Songscriptionで答え合わせができます。聴き違えた音やコードが、その場で具体的に分かります。耳で聴き取る練習をしてから間違いを直すので、次の練習にもつながります。続けるうちに、自分で聴き取った音とAIの採譜が一致するところも増えてきます。バンド全体の演奏でも、同じやり方で曲の中の各楽器を聴き取る練習ができます。耳コピの練習よりも、曲の音を早く知ることを優先したいときは、最初からSongscriptionで採譜する使い方もあります。

練習を始めるときに

音程、キー、コード、リズムをそれぞれ練習し、好きな曲の中で結びつけていくと、耳コピの力が身についていきます。短い時間でもこまめに取り組み、キーと拍、ベース、コード、メロディーの順に進めます。聴き取ったあとは録音と比べ、合っているかを確かめてください。

AIの採譜を練習に使うなら、先に自分で聴き取ってから答え合わせをします。今日始めるなら、好きな曲の8小節を耳コピして、Songscriptionで同じ部分を採譜すると、どこまで聴き取れたかを確かめられます。

よくある質問

耳コピは練習すればできるようになりますか?

はい、耳コピに必要な力は練習で身につきます。二つの音の隔たりである音程を聴き分け、曲のキーをつかみ、コードやリズムを追う力が土台になります。実際の曲で、聴くところを絞ってこまめに練習すると、それぞれの力が少しずつ伸びます。耳コピができないと感じる人も、多くはこうした個々の練習をまだ十分にしていません。短い範囲から始めて続けると、聴き取れるものが増えていきます。

耳コピのために耳を鍛えるには、どんな練習が効果的ですか?

実際の曲を短く区切って、毎日練習します。まずキーと拍をつかみ、ベースライン、コードの順に聴き取ります。そのあと、短いメロディーを選び、隣り合う音の音程を確かめながら採譜します。楽器で音を探す前に、聴こえたフレーズを歌ってみてください。たまに長時間取り組むより、1日15〜20分の練習を続けるほうが効果的です。採譜したら、必ず録音と聴き比べます。

AIで採譜するのと、自分で耳コピするのでは、どちらがよいですか?

目的に合わせて両方を使います。曲の音を早く知りたいときは、AIの採譜が近道です。音楽を聴き取る力を伸ばしたいときは、自分の耳で音を探します。考えながら聴き取る過程が、そのまま練習になるからです。両方を組み合わせるなら、まず短い部分を自分で採譜し、同じ録音をAIでも採譜して比べます。どこを聴き違えたかを確かめる使い方なら、AIを練習に役立てられます。

著者について

Andrew Carlins

著者

Andrew Carlins

Songscription共同創業者・CEO

アンドリューは、弾きたい曲の楽譜が見つからないことにうんざりしていた音楽仲間数人と、スタンフォード大学でSongscriptionを共同創業しました。子どもの頃からピアノとバリトンサクソフォンを演奏し、ミュージカルの舞台にも立っていました。もう何年も舞台には立っていませんが、今も腕は鈍っていないつもりです。録音から音を拾って楽譜にすることについて書いています。

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